教育・保育要領解説57 2024/03/06 ケ 言葉による伝え合い 2 言葉による伝え合いを園児が楽しむようになるためには、保育教諭等や友達と気軽に言葉を交わすことができる雰囲気や関係の中で、伝えたくなるような体験をすることや、遊びを一緒に進めるために相手の気持ちや行動を理解したいなどの必要性を感じることが大切である。 保育教諭等は、園児の状況に応じて、言葉を付け加えるなどして、園児同士の話が伝わり合うように援助をする必要がある。また、絵本や物語の世界に浸り込むことで、豊かな言葉や表現に触れられるようにしたり、保育教諭等自身が豊かな表現を伝えるモデルとしての役割を果たすことで、様々な言葉に出会う機会をつくったりするなどの配慮をすることが必要である。 こうした幼児期の言葉による伝え合いは、小学校の生活や学習において、友達と互いの思いや考えを伝え、受け止めたり、認め合ったりしながら一緒に活動する姿や、自分の伝えたい目的や相手の状況などに応じて言葉を選んで伝えようとする姿などにつながっていく。特に、戸惑いが多い入学時に自分の思いや考えを言葉に表せることは、初めて出会う教師や友達と新たな人間関係を築く上でも大きな助けとなる。 子ども同志に言葉が伝わり合わないからっと言って片方の言葉だけを代弁したり、大人の意見を込めての発言をしたりせず、子どもの気持ちに寄り添った言葉の援助が必要なのです。とても難しいことではあるのですが、子ども同志では意外と理解しあえることも多いのです。それは、いつも仲良しで共感することが多い子ども同志で起こる場合にはすぐにお互いが理解しあってまた遊びに夢中になることも多いのです。決して対抗心や闘争心が前面に出ることではなく、子どもながらに互いを理解しようとする相手に対する思いがあるからではないでしょうか。様々な場面において、園児の状況に応じて、保育者が言葉を付け加えるなどして、園児同士の話が伝わり合うように援助をする必要がある。大切にしたいことです。