教育・保育要領解説46 2024/02/19 エ 道徳性・規範意識の芽生え 3 保育教諭等はそれまでの園児の経験を念頭に置き、相手の気持ちを分かろうとしたり、遊びや生活をよりよくしていこうとしたりする姿を丁寧に捉え、認め、励まし、その状況などを学級等の園児にも伝えていくことが大切である。同時に園児が自分の言動を振り返り納得して折り合いを付けられるように、問い掛けたり共に考えたりし、園児が自分たちで思いを伝え合おうとする姿を十分に認め、支えていく援助も必要である。遊びや生活の中で、園児同士の気持ちのぶつかり合いや楽しく遊びたいのにうまくいかないといった思いが生じた場面を捉えて適切な援助を行うことが、園児の道徳性・規範意識の芽生えを育んでいくのである。 こうした幼児期の経験は、小学校生活において、初めて出会う人の中で、幼児期の経験を土台にして、相手の気持ちを考えたり、自分の振る舞いを振り返ったりなどしながら、気持ちや行動を自律的に調整し、学校生活を楽しくしていこうとする姿へとつながっていく。 子ども同志の関わりに委ねつつも、場面に応じて適切な援助、言葉かけが大切であるとしています。その場合の言葉かけも重要です。どちらかの立場だけに偏ったり、一方的な指示であったりすると子どもにとってはその場しのぎになり、子どもの道徳性や規範意識にはつながりません。子ども自身が気付くことが大切であり、保育者や大人は援助する立場で関わることが大切だと思います。そういった経験やその場の自分の振る舞いが自立を学んでいき、自律性の芽生えや獲得につながっていくようです。 自律には大人や周りからの押さえつけや威圧によって行われるものでもありません。もちろん厳しく指導といったことは今の時代では通用しません。子どもが納得するように話をすることがとても大切です。しかしながら、いまだに威圧や暴言で従わせる行為が社会で問題となっています。パワハラやモラハラといったことでもあります。時代錯誤しない大人でありたいですし、子ども達には丁寧に繰り返し伝え、子ども自身が気付くようにしていくことが大切です。