人間社会はどう生まれた 2 2023/02/03 『サルの社会には、争いを防ぐルールがあります。例えば、ニホンザルの群れ。最高位のオスを頂点とした階級社会を作っています。メスは血縁でまとまって、おばあちゃん・お母さん・娘が連携して一生絆は解けません。オスだけが、まとまっているメスの集団を渡り歩いていく。そして食物や交尾相手を巡ってけんかが起きそうになると、強い方に加勢して勝敗をつけて、けんかを鎮めます。だからサルの社会は「格差社会」なんです。いわゆる勝敗をつけて争いを止めるということをやってきました。 でもゴリラの群れは、違うのです。ゴリラの群れは、一夫多妻が多いです。複数のオスがいる場合もあるけれども、大体はメスの数の方がオスの数よりも多い。そしてニホンザルと違って、メスだけが群れを渡り歩くのです。あるいは一頭で暮らしているオスのもとにメスが走って、そこで新しい群れを作るということもあります。そういった群れの中では、トラブルが起こってもニホンザルのように勝敗をすぐ決めずに、お互いが対等な立場で引き分けられるように、第三者が仲裁に入るのです。そして特に重要なのは、ゴリラの群れでは、オスが父親の役割を立派に演じます。』 サル社会は格差階級社会、強いものが食も繁殖も独占。競争の中で生き延びる。類人猿のゴリラは仲裁、争うことを避ける。ヒトもどうやらそのような争いを避けて生き延びてきた。