人間社会はどう生まれた 3 2023/02/06 『うつ伏せになって、シルバーバックが休んでいます。そこに赤ちゃんを連れたメスたちがやってきて、乳離れしたばかりの子どもたちを置いていくんですよ。そうすると、赤ちゃんは、このシルバーバックの背中によじ登って遊び始めて、お母さんがいないことを忘れてしまう。お母さんは子どもから解放されて、自分で餌を食べに出かけてしまいます。子どもたちにトラブルがあると、すかさず父親であるシルバーバックが仲裁をして、そのけんかを止めます。だから、ゴリラのオスはとても子育て上手。しかもシルバーバックの仲裁というのは、実に堂に入っている。えこひいきしないんですよ。平等な立場でつきあえるように父親は振る舞う。だから子どもたちは、小さい頃から対等につきあうということを覚えていくんです。こういう父親の役割を担うオスがいるゴリラ社会は、私から見ると人間の家族の原型に近いのではないかと思える。』 群れ、グループ、家族、その中において対等につき合うことを覚えるために仲裁を行い、優劣や格差をつけない配慮。家族の中での父性、社会を構築する上で家族においての配慮、人間社会の基本となる原型とも受け止められますね。