9 日本型学校教育の成り立ちと成果 1 2022/12/23 明治5(1872)年の「学制」公布以降,義務教育制度の草創期は,就学率も低く,年齢も知識の習得状況も相当差がある状況であった。そういった状況下で,共通の学習内容も読み書き計算など最低限なものとなり,等級制,すなわち進級における徹底した課程主義が取られていた。明治23(1890)年前後に知・徳・体を一体で育む形でカリキュラムの内容が拡張・体系化され,学校の共同体としての性格が強まった。また,留年や中途退学の多発等により,進級した子と落第した子が入り混じった不安定な児童集団が構成されるなどの課題も浮き彫りとなり,学級集団としての学級が成立し,20世紀初頭以降,就学率の上昇とともに学年学級制(年齢主義)が一般化した。 義務教育の始まり、年齢ごとに一斉画一的な教育の始まりです。「課程主義」、「どの子も同じように」が始まりました。このことは明治、大正、昭和と引き継がれ、今は子の特性に応じた「個別最適な学び」と「協働的な学び」とを一体的に充実することを目指すとされました。