子どもの成長48 2026/05/20 食事にかかる時間と食事の形態の関連を検証 今後の展開:個別化された栄養指導への応用に期待 今回の研究では、ピザの場合と比較して、ハンバーグ弁当を食べた場合のほうが、食事時間と咀嚼回数が多くなることが示された。しかし、野菜を最初に食べるか最後に食べるかによる食事時間の違いは認められなかった。個食や箸食は食事時間や咀嚼回数を増加させるため、肥満者への栄養指導の一つとして有効である可能性が示唆された。ファストフードよりも弁当を選択するよう指導することは、栄養価、食事時間、咀嚼回数の増加の点で優れていることが重要。BMIと食事時間に関連がないことは、肥満の人が選ぶ食事自体が早食いにつながっている可能性を示唆している。 今後の研究では、肥満者の日常生活における食事時間や内容についても検証する必要がある。肥満予防のために「ゆっくり食べる」には、一口を小さくしてよく噛んで食べるだけでなく、選ぶ食品にも気を配る必要がある。また、本研究では検討しなかった心理的側面や環境の改善も考慮すべき。例えば、職員食堂でリラックスできる音楽を流すことで、咀嚼テンポや咀嚼回数の増加、心のリラックスによる食事時間の延長が期待できるかもしれない。 最後に、食事時間に影響を与える要因を明らかにすることは、肥満指導だけでなく栄養不良への指導にも応用できる。食欲不振者にとっては、栄養価の多様なファストフードは、満腹感を感じる前に栄養素を摂取することに役立つかもしれない。実際、ビタミンやその他の栄養素を補充した高エネルギー半消化性製剤は、医療現場で低栄養者に対してすでに使用されている。食事時間に影響を与える要因がより多く発見されれば、肥満や栄養失調の人に対して、より個別化された栄養指導を行うことが可能になると考えられる。 得られた研究成果の社会への還元:よく噛んで食べる生活習慣予防 かつて、給食は先割れスプーンとコッペパンが主流だったが、今の小学校では箸を使うようになっている。今回の研究成果はそういった給食での取り組みが生活習慣病の予防につながることを示唆する結果。給食の時間にゆったりした音楽を流して、一口を小さくしてよく噛んで食べることを併用すれば、さらに健康に良い可能性がある。著者らは、「ゆっくり食べる子どもを先生も温かい目で見守ってほしいと思う」とコメントしている。