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園からの発信

子どもの成長46

2026/05/18

食事にかかる時間と食事の形態の関連を検証

研究の背景:肥満者の食事時間の短さや栄養の偏りという問題

肥満者への栄養指導では、摂取エネルギーの制限が重要。しかし、肥満者は超加工食品といわれるファストフードを食べる機会が多い傾向にあることも知られている。ファストフードは高脂質・高炭水化物食であり、満腹感を得られにくい食事とされている。さらに片手で手軽に食べられるため、弁当のように箸を使って食べる食事に比べて、食事時間が短くなる傾向がある。

肥満者は食事時間を長く取るように指導されるが、栄養価の面からも、食事時間の面からも、ファストフードの摂取はより肥満になりやすいのではという仮説が立てられた。

研究手法:ピザとハンバーグ弁当の比較、野菜の摂取順序を変えた比較

食後の血糖値上昇を抑える目的で、「野菜を先に食べる」食事法が推奨されている。そこで、野菜を先に食べた場合と、野菜を後に食べた場合で食事時間にどのような影響があるのかについて調べた。

本研究では、参加者41名(男性18名、女性23名)に、ピザおよびハンバーグ弁当(ハンバーグ、ご飯、ブロッコリー)を4週間ごとに食べてもらい、食事時間、咀嚼回数、一口回数、咀嚼テンポを測定した。野菜を食べる順番による食事時間への影響を検討するため、(1)ブロッコリーを最初に食べた後に他の食品を摂取する場合、(2)他の食品を食べ終えた後にブロッコリーを摂取する場合――の2通りの条件で実施した。

普段の食習慣について、食品摂取頻度質問票(BDHQ)で評価した。食事時間は性別による差が明らかなため、男女別に解析した。

図1 実験の流れ

研究成果:ピザとハンバーグ弁当は食事時間に有意差、野菜の摂取順序は影響なし

ピザと比較すると、弁当(野菜を最初または最後に食べた場合)のほうが、食事時間(秒)が長くなった。ピザと弁当(野菜を最初に食べた場合)の平均差は-182秒、ピザと弁当(野菜を最後に食べた場合)の平均差は-216.0秒。詳しくは、ピザ-弁当(野菜を最初に食べた場合)は-182秒(-245.6~-118.9)、ピザ-弁当(野菜を最後に食べた場合)は-216.0秒(-273.3~-158.7)でいずれも有意(ともにp<0.0001)。

一方、野菜の摂取順序に関しては、食事時間(秒)の差がみられなかった(p=0.14)。これらの結果は、咀嚼回数および咀嚼テンポについても、性別にかかわらず、ピザと弁当、食べる順番について同様の傾向がみられた。

図2 食事の形態が食事時間に与える影響

ピザに比べ、弁当(野菜先)、弁当(野菜後)では、食事時間、咀嚼回数、咀嚼テンポは増加した。しかし、弁当(野菜先)と弁当(野菜後)では有意差を認めなかった

(出典:藤田医科大学)

多変量解析の結果、食事時間は、咀嚼回数、咀嚼回数、食事の種類と正の相関があり、年齢、性別とは負の相関があった。BMIは食事時間と関連しなかった。

表1 食事時間に影響を与える要因の多変量解析

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