幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 77 2025/01/23 さらに、幼児教育施設は幼稚園、保育所、認定こども園に分かれ、私立が多数を占めているが、全ての子供に質の高い教育を確保する観点からは、設置者や施設類型を問わず、どの施設においても小学校との連携・協働を進める必要がある。 全ての幼児教育施設及び小学校において架け橋期の教育の充実に向けて連携・協働を進めていくことを強く期待する。また、教育を所管する文部科学省においては、こども家庭庁をはじめとする関係省庁と連携を図りながら、各地方自治体の教育委員会や首長部局、幼児教育施設及び小学校関係者に対して、架け橋期の重要性や幼保小連携の意義などについて指導助言等を行い、幼保小の連携・協働を促進することを求めたい。 現場の今を知る方からすれば、連携が取れていないが、学校側からするとすべてを受け入れているといったことなのでしょう。しかしこれまでの対応では対応できないことも明らかなことでありますから、公私立の垣根を超えた連携・協働のほか手立てはないように感じています。国が期待することに互いの現場が応えて実践していくことで子ども達の将来につながると感じました。 77回シリーズでお届けしました。ありがとうございました。
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 76 2025/01/22 これらの状況を踏まえ、本審議まとめにおいては、架け橋期の教育の充実を図るため、子供に関わる多くの関係者が立場を越えて幼保小の架け橋プログラムに取り組むことが重要であることを提言している。具体的には、架け橋期のカリキュラムの作成やそれに基づく評価、合同研修を通じた幼保小の教育内容・指導方法の相互理解、家庭や地域の参画、地方自治体の推進体制の構築など、様々な取組について提言している。 そのような中、幼保小の架け橋プログラムを進めるに当たって、関係者の間で最も意識してもらいたいことは、0歳から18歳の学びは連続しているということである。将来、大人になったときに変化の激しい時代を生き抜かなければならない子供のため、一人一人に高い資質・能力をしっかりと育成し、それぞれのウェルビーイングを実現していくことが私たち大人に課せられた使命である。また、そのためには、幼児教育と小学校教育が、それぞれの教育の充実を図るに当たり、幼児教育施設は小学校以降の教育を見据えて小学校以降の学習や生活の基盤の育成を行うとともに、小学校においては幼児期に育まれた資質・能力を踏まえて教育活動を実施することが重要である。 「0歳から18歳の学びは連続している」。大人になったときに変化の激しい時代を生き抜かなければならない子供のため、一人一人に高い資質・能力をしっかりと育成し、それぞれのウェルビーイングを実現していくことが私たち大人に課せられた使命である。このことに尽きるのですが、やはり問題となるのが、大人の受け止めが浅く、教育者、保育者共に過去の実績にこだわることによって、子どもを救えない事例もたくさんあります。厳しく育てないと社会に出て苦労をする!根強い考え方です。しかし現代においては化石化した考えでもあるのです。一斉画一的に同じ行動を目指したり期待すべき時代でもないはずです。子どもにとって何が安心かを考える必要がありますね。 朝日新聞デジタル
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 75 2025/01/21 架け橋期の教育の充実に関しては、3要領・指針や小学校学習指導要領において、幼保小の円滑な接続により子供の学びの連続性を確保することや、小学校の生活科の創設やスタートカリキュラムの編成・実施により、幼児期において遊びを通して育まれてきた資質・能力を小学校の各教科等における学習に円滑に接続すること等が求められてきているものの、様々な課題が生じており、これらの趣旨を一層実現していくことが求められている。 また、小中学校における不登校の子供の数が調査開始以降最多となり、自殺した子供の数も増加傾向にある中、小学校低学年の不登校の子供への支援については、幼児教育施設・小学校・家庭が連携し、学びの成果や支援をつなげていく必要があるとの報告もあり、架け橋期の教育の充実を通して、小学校入学当初の子供が、小学校での学習や生活を楽しいと感じ、小学校を自分の居場所として認識できるようにしていくことも重要である。 多様化している中で、個々に寄り添うことができないのが現状ではないでしょうか。未だにこうあるべきとか「べき」と言う言葉に象徴される大人の解釈によって子ども理解ができていないように映ります。それぞれの子を尊重しているだろうか、気持ちに寄り添うことができているだろうか。小中高に進級するたびに配慮に欠ける行為も取りだたされてされます。大人の解釈も時代とともに進歩しなければ子どもの命をなくすことになります。
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 74 2025/01/20 おわりに 我が国においても、各学校段階の教育の質の確保に必要な制度上の仕組みについては、一定程度の整備がなされ、幼保小、小中、中高などの学校段階等間の接続が重視されるようになった。3要領・指針や小・中・高等学校の学習指導要領等では、学校段階等間の円滑な接続を重視する改訂・改定が行われ、地方自治体・幼児教育施設・学校において、それぞれ改善が進められてきた。 特に幼児教育と小学校教育においては、子供の発達の段階に起因する教育内容や指導方法等をはじめ、義務教育であるか否か、公・私立の多寡、地方自治体の担当部局、関係法令等の様々な違いを有しており、円滑な接続を図ることは決して容易ではないが、幼児教育関係者や小学校教育関係者等の努力により、接続の改善が進められてきたところである。 そのような中、今般、特に5歳児から小学校1年生までの2年間を「架け橋期」と称し、この2年間に焦点を当てているのは、子供の生涯にわたる学びや生活の基盤をつくるためには、架け橋期の教育を一層充実していくことが必要と考えるからである。 架け橋に大切なものは、互いの文化を理解し、尊重し、交流し、学習していくことによって繋がるものだと思います。その上で充実がなされるものと感じます。互いを知ることが大切です。机上では得られない子どもの実際の姿を見て進めて欲しいものです。
幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 73 2025/01/17 ②幼児期の教育に関する調査研究 (ウ)幼児教育の質の評価に関する手法開発及び実証研究の推進 ○ 現在、NIERセンターにおいて、ECERSやSSTEW等を参考にしながら、日本の文化的な背景等を踏まえつつ、幼児教育におけるプロセスの質評価とその活用の在り方について研究が進められているところである。幼児教育施設における実証や国内外の研究者からの意見等を踏まえながら、日本独自の質評価指標の開発や園内研修等において活用しやすい質評価指標の開発を進めることが求められる。 ○ あわせて、幼児教育施設に対しては、評価についてはその結果のみに着目するのではなく、結果の根拠や背景を話し合うことにより、幼児教育施設の課題を発見し教育の改善に生かす手段として活用していくものであることを周知し、各園が創意工夫を行いながら、自らそれらの指標を教育実践の改善等に向けて使えるようにしていくことが重要である。 ○ また、このような取組を進めながら、第三者評価を含め、指導の改善による幼児教育の質の向上に向けたPDCAサイクルに寄与する評価の在り方について、検討することが重要である。 余談にはなりますが、文化とは、「人間の生活様式の全体。人類がみずからの手で築き上げてきた有形・無形の成果の総体。それぞれの民族・地域・社会に固有の文化があり、学習によって伝習されるとともに、相互の交流によって発展してきた。」とされます。人一人では文化は生まれない。文化は人々の交流によって生まれ、築きあげられたと感じます。ヒトの関わりがなければ生じないものかもしれません。古代史等で優れた文化をもった地域など紹介されることがあります。学習によって伝習、発展してきたものと言われると納得がいきますね。