MENU CLOSE
TEL

2024年 7月

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン5

2024/07/24

1.はじめの100か月の育ちビジョンを策定する目的と意義

・生涯にわたる身体的・精神的・社会的ウェルビーイングの向上

(身体的・精神的・社会的な全ての面を一体的に捉える)

〇本ビジョンにおいて、ウェルビーイングは、身体的・精神的・社会的な全ての面を一体的に捉えた観点(バイオサイコソーシャルの観点)での幸福を指す概念であり、換言すれば、こどもの持つ身体と心、周囲を取り巻く身近な環境や社会的状況、より広い環境としての社会(以下「環境(社会)」という。)を一体的に捉えたものである。また、ウェルビーイングの向上を、生涯にわたり実現することが、こどもの最善の利益を考慮していく上で重要である。なお、身体と心の側面のみならず、環境(社会)についても、こども一人一人多様であるといった視点に留意する必要がある。

 

「幸福を指す概念」としてのウェルビーイング。ウェルビーイングの向上を、生涯にわたり実現することが、こどもの最善の利益を考慮していく上で重要である。身体と心の側面のみならず、環境(社会)についても、こども一人一人多様であるといった視点に留意する必要がある。このことこそ子ども一人一人を大切にするということです。子どもを取り巻く環境がどのような環境にあろうとも大切にし、しかも生涯にわたって実現されることとしており、大人や社会から大切にされないということがあってはならぬということだと解釈しています。保育・教育を含めた適切な育ちの保障が大切です。

<朝日新聞>

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン4

2024/07/23

1.はじめの100か月の育ちビジョンを策定する目的と意義

・生涯にわたる身体的・精神的・社会的ウェルビーイングの向上

(「ウェルビーイング」の基本的な考え方)

○本ビジョンにおいては、全ての人で支えるべき「こどもの育ちの質」について、こども基本法の目指す、こどもの生涯にわたる幸福、すなわちウェルビーイングの考え方を踏まえて整理した。この「ウェルビーイング」は、身体的・精神的・社会的(バイオサイコソーシャル)に幸せな状態にあることを指す。また、ウェルビーイングは、包括的な幸福として、短期的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義など生涯にわたる持続的な幸福を含む。このようなウェルビーイングの向上を、権利行使の主体としてのこども自身が、主体的に実現していく視点が重要である。

○なお、ウェルビーイングは、生涯にわたる全ての時期を通じて高めることが重要であり、こどもとともに育つおとなにとっても重要なものである。こどももおとなも含め、一人一人多様な個人のウェルビーイングの集合として、社会全体のウェルビーイング向上の実現を同時に目指すことが必要である。

 

「ウェルビーイング」は、身体的・精神的・社会的に幸せな状態にあることを指す。また、包括的な幸福として、短期的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義など生涯にわたる持続的な幸福としており、ウェルビーイングの向上を、権利行使の主体としてのこども自身が、主体的に実現していく視点が重要である。と示しました。「ウェルビーイング」という言葉はこれまで福祉の現場では叫ばれてきましたが、ようやく社会に向けて提示されだしました。遅ればせながら日本においても実現する社会を構築していく必要がありますね。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン3

2024/07/22

はじめに3

○本ビジョンに基づき、このような社会への変革を着実に実現していくことにより、「こどもの誕生前から幼児期までの育ち」が一層大事にされるとともに、保護者・養育者、保育者、子育て支援者等が、社会からその尊い役割を応援され、安心してこどもの笑顔や成長を喜び合うことができる社会を、全ての人とともにつくっていくことが政府の責務である。

○本ビジョンに基づく社会全体の認識共有と、政府全体の取組を、こども施策の基本的な方針や重要事項等について定める「こども大綱」や次元の異なる少子化対策の実現に向けた「こども未来戦略」等と整合的に進めることにより、「こどもまんなか社会」の実現を強力に牽引する。

 

大人や社会がこの考えを根底に持つように周知啓発活動を積極的に展開していただきたいですね。そしてこの大綱やこどもまんなか社会に必要な財源にも大きく期待します。たとえば、子育てに経済負担がない社会、保育教育に費用が掛からない、充実した保育教育環境、仕事と育児の両立においても時間の制限であったり、仕事のキャリアが失われないようにすることなどこれまで取り組めなかったことから踏み出し、多くの取り組みにも期待したいです。もちろんその財源確保にもしっかり取り組んで欲しいと願います。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン2

2024/07/19

はじめに2

○そのため、こども家庭審議会において、内閣総理大臣からの諮問を受け、「幼児期までのこどもの育ち部会」において議論を行い、「幼児期までのこどもの育ち」に着目し、全ての人と共有したい理念や基本的な考え方が整理され、令和5年12月1日に答申がとりまとめられた。この答申を踏まえ、今般、政府において、社会全体の認識共有を図りつつ、政府全体の取組を強力に推進するための羅針盤として、「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン(はじめの100か月の育ちビジョン)」(以下「本ビジョン」という。)を策定することとした。本ビジョンは、人生の基盤的時期を過ごす乳幼児を含めた全世代の全ての人による、以下のような社会の実現を目指すものである。

・乳幼児を含めた全てのこどもが誰一人取り残されずに、権利主体として、命と尊厳と権利を守られる社会

・乳幼児の思いや願いが受け止められ、社会への参画が応援される社会

・乳幼児と保護者・養育者が安定した「アタッチメント(愛着)」を形成できる社会

・人や場との出会いを通して、豊かな「遊びと体験」が保障される社会

・保護者・養育者になる前から切れ目なく、様々な人や機会に支えられ、こどもとともに育ち、成長が支援・応援される社会

・各分野や立場を超えた認識共有により、乳幼児に関わる人が緊密に連携し、切れ目のない「面」での支援が実現できている社会

・乳幼児と全ての人がともに育ち合う好循環が続いていく社会

 

福祉の先進国である北欧においては、この「乳幼児を含めた全てのこどもが誰一人取り残されずに、権利主体として、命と尊厳と権利を守られる社会。乳幼児の思いや願いが受け止められ、社会への参画。」という言葉が根底にあります。すでにもう何十年も前からの理念の根底としていました。少子化に歯止めがかからない状況下でようやくこういった「誰一人取り残さない」「子どもの社会参画」となりました。ようやくです。

 

シリーズ6 はじめの100か月の育ちビジョン1

2024/07/18

はじめに

○こどもは、生まれながらにして権利の主体であり、その固有の権利が保障されなければならない。

○令和4年6月には、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、こども基本法(令和4年法律第77号)が与野党を超えた賛同を得て成立し、翌年4月に施行された。こども基本法の制定は、我が国が、権利主体としてのこどもの最善の利益を常に第一に考え、こどもに関する取組・政策を社会のまんなかに据えていく「こどもまんなか社会」の実現を目指すという、大きな価値転換である。

○特に「こどもの誕生前から幼児期まで」は、人の生涯にわたるウェルビーイングの基盤となる最も重要な時期である。全世代の全ての人でこの時期からこどものウェルビーイング向上を支えていくことができれば、「こどもまんなか社会」の実現へ社会は大きく前進する。これは社会全体の責任であり、全ての人のウェルビーイング向上につながる。

○しかし、我が国の状況を見ると、必ずしも全ての乳幼児の権利や尊厳が保障できている現状にはない。また、今の親世代の幼児期までの育ちと比べ、家庭や地域の状況など社会情勢が変化している中で、全ての乳幼児のウェルビーイング向上を、心身の状況や置かれた環境に十分留意しつつ、ひとしく、その一人一人それぞれにとって切れ目なく、支えることができているだろうか。こども基本法及び児童福祉法(昭和22年法律第164号)にも掲げられたこれらの権利を生まれた時から保障し、「こどもまんなか社会」を実現するための取組は途上にある。

 

遅れていた価値概念の転換をようやく図ると明記したものです。子どもは大人に従うものでもなく権利の主体である。とても重要なことです。さらの「こどもまんなか社会」をしっかり踏まえていく必要がありますね。「こどもは、生まれながらにして権利の主体であり、その固有の権利が保障されなければならない。」、「我が国の状況を見ると、必ずしも全ての乳幼児の権利や尊厳が保障できている現状にはない。また、今の親世代の幼児期までの育ちと比べ、家庭や地域の状況など社会情勢が変化している中で、全ての乳幼児のウェルビーイング向上を、心身の状況や置かれた環境に十分留意しつつ、ひとしく、その一人一人それぞれにとって切れ目なく、支えることができているだろうか。」しかりと受け止め、対処していく必要があります。ようやく、こういった言葉が国の文章として明記されました。

 

top