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2024年 1月

教育・保育要領解説29

2024/01/24

( 6 ) 在園期間全体を通して行う教育及び保育 2

園児は、家庭、地域社会、幼保連携型認定こども園という一連の流れの中で生活している。特に子育てについては、子ども・子育て支援法(平成24 年法律第65 号)で示されているとおり、父母その他保護者が第一義的責任を有している。園児が望ましい発達を遂げていくためには、家庭との連携を十分図って個々の園児に対する理解を深めるとともに、幼保連携型認定こども園での生活の様子について家庭に伝えていくなど、幼保連携型認定こども園と家庭が互いに園児の望ましい発達を促すために、思っていることを伝え合い考え合うことが大切である。

 

「子育ての第一義的責任は保護者にある」定義されたことでよく使われるようにもなりました。しかし、家庭だけでは子どもの育ちには限界もあります。保護者も就労をされる家庭がほとんどです。だからこそ就労に関係なく利用できる保育施設が必要なのです。国民の義務として「教育」「勤労」「納税」。国民の権利として「生存権(健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)」「教育権(教育を受ける権利)」「参政権(政治に参加する権利)」があります。保育施設における教育も、子どもに教育を受けさせる保護者の義務であり、子どもは教育を受け学ぶ権利もあるとすることから、質の高い教育保育を常に意識する必要があると考えます。

出典;NHK

 

教育・保育要領解説28

2024/01/23

( 6 ) 在園期間全体を通して行う教育及び保育

幼保連携型認定こども園には、0歳から小学校就学前までの園児が在園する。保護者の就労その他の家族の生活形態等を反映した状況により、園児一人一人の入園時期や在園時間等は異なるが、それらの違いにかかわらず、どの園児にも平等に、幼保連携型認定こども園の教育及び保育が行われる必要がある。教育及び保育は、園児が登園してから降園するまでの一日を通して行われ、また、入園してから修了するまでの在園期間全体を通して行われる。そのことにより、園児一人一人の発達や学びの連続性を押さえた育ちを確保することができる。そのためには、教育・保育要領第1章の第3に示す幼保連携型認定こども園として特に配慮すべき事項を十分に踏まえた上で、教育及び保育を行う必要がある。

 

もともと認定こども園の役割として、保護者の就労等に関わりなく、教育保育を行う施設であることから、多岐、多様にわたる家庭の環境に関わりなく、同じ施設で教育保育を受けることができることが特徴であり役割です。さらに保育時間においても短時間であったり、標準時間であったり利用の時間にも幅があります。その中で子ども達の成長、発達を支援していくことは時間だけを単純に比較してしまうと できたり、できない活動もあろうかと思いますが、保護者の理解を頂き、どの子も同じ体験や経験ができるよう配慮した時間設定や内容にしていく必要があります。どの子にも同じような体験を念頭にカリキュラムの構成に難しさはあるものの実践していく必要があります。

 

教育・保育要領解説27

2024/01/22

② 園児の活動が精選されるような環境の構成

園児が積極的に環境に関わり、活動を展開する場合、その活動は多様な仕方で展開される。この多様な仕方でという意味は、様々な形態の活動が行われることであり、一つの活動が変容し、新たな発展をしていくことでもある。園児一人一人の興味や関心を大切にして指導するためには、様々な形態の活動が行われることも重要である。しかし、同時に園児が活動に没頭し、遊び、充実感や満足感を味わっていくことが重視されなければならない。活動を豊かにすることは、いろいろなことをできるようにすることと同じではない。重要なのは、活動の過程で園児自身がどれだけ遊び、充実感や満足感を得ているかであり、活動の結果どれだけのことができるようになったか、何ができたかだけを捉えてはならない。なぜなら、活動の過程が意欲や態度を育み、生きる力の基礎を培っていくからである

そのためには、一つの活動に没頭して取り組むことができることも大切である。いろいろな活動を次から次へと行っているのでは、多少の楽しさはあったとしても充実感や満足感を覚えることはできない。それゆえ、保育教諭等は園児が本当にやりたいと思い、専念できる活動を見付けていくことができるように、つまり、いろいろあり得る活動の中から興味や関心のある活動を選び取っていくことができるように、しかも、その活動の中で発達にとって大切な体験が豊かに得られるように環境を構成することが必要である。このような環境の構成は、保育教諭等の行動としてみれば、新しい事物を出したり、関わりを増やしたりしていくことだけではない。反対に、その活動にとって不要なものや関わりを整理し、取り去ったり、しばらくはそのままにして見守ったりしていくことも必要となる。

園児の活動が精選される環境を構成するには、園児の興味や関心の在り方、環境への関わり方、発達の実情などを理解することが前提である。その上で園児が興味や関心のある活動にじっくり取り組むことができるだけの時間、空間、遊具などの確保が重要である。さらに、保育教諭等自身が活動に参加するなど、興味や関心を共有して活動への取組を深める指導が重要になる。

このように、活動を充実することは、園児がいろいろな活動を行うことや取り組もうとしている活動を早く完了させることではない。園児が活動に没頭する中で思考を巡らし、心を動かしながら豊かな体験をしていくことである。そして、保育教諭等は、このような活動がより豊かに行われるように、園児と活動を共にしながら環境の構成を工夫する必要がある。

 

解説のとおり、園児自身がどれだけ充実感や満足感を得たかが大切で、何ができたと結果を評価するものではない。大切なのは、課程であることなのです。結果に拘ることもあるでしょうが、活動においてのプロセス、そこで子どもが取得する意欲や態度が生きる力の基礎を培うことをしっかり理解することが大切です。

 

教育・保育要領解説26

2024/01/19

① 園児の主体的な活動と環境の構成 3

このように、園児の主体的な活動のための環境を構成することは、一言でいえば、園児を理解することにより可能となる。その時期の園児の環境の受け止め方や環境への関わり方、興味や関心の在り方や方向、一日の生活の送り方などを理解し、そこから園児一人一人にとって必要な経験を考え、適切な環境を構成するのである。ここで念頭に置かなければならないことは、保育教諭等自身が重要な環境の一つであることである。乳幼児期には、一緒に生活している大人の影響を特に強く受ける。先に述べたように、保育教諭等の身の置き方や行動、言葉、心情、態度など存在そのものが園児の行動や心情に大きな影響を与えている。したがって、保育教諭等は自分も園児にとって環境の非常に重要な一部となっていることを認識して環境の構成を考える必要がある。

このようにしてあらかじめ構成された環境の下で、園児は主体的に環境と関わり、活動を展開する。主体的に関わるとは、園児なりに思いや願いをもち続け、関わっていくことである。園児の興味や関心は次々と変化したり、あるいは深まったり、発展していく。それに伴って環境の条件も変わらざるを得ない。それゆえ、環境が最初に構成されたまま固定されていては、園児の主体的な活動が十分に展開されなくなり、経験も豊かなものとはならない。したがって、構成された環境はこのような意味では暫定的な環境と考えるべきであり、保育教諭等は園児の活動の流れや心の動きに即して、常に適切なものとなるように、環境を再構成していかなければならないのである。

 

できるようになったら次にまた新しいものに挑戦したい思いや発展的な遊びにするためには更なる環境整備も必要です。年中季節が変わろうがそのままの環境では子どもの発達を促すことさえできないことになります。また無機質で何もないといった空間では子どもの発達は期待できないかもしれません。子どもの興味関心や発達を促すための仕掛けも必要です。また、最初から完璧に設定できるものでもありません。日々過ごす中で敏感になって環境を整えることが大切であると思います。

教育・保育要領解説25

2024/01/18

① 園児の主体的な活動と環境の構成 2

園児が主体的に活動できる環境を構成するためには、園児の周りにある様々な事物、生き物、他者、自然事象・社会事象などが園児一人一人にどのように受け止められ、いかなる意味をもつのかを保育教諭等自身がよく理解する必要がある。環境を構成するためには、遊具や用具、素材など様々な要素が、遊びを通して園児の発達にどう影響するかを考える必要もある。また、遊びの中での事物や事象との関わりが、発達の過程でどのような違いとなって表れるかを知らなければならない。例えば、砂と土では、それぞれ固有の性質があり、そこから引き出される遊びの展開には違いが見られる。また、砂で遊ぶときにも発達の過程によって関わりは異なってくる。同じ事物でも園児の発達によって関わり方は異なり、また、同じ場であっても、園児のそのときの状況によって異なる。砂場が一人で安心していられることを求める場であったり、いろいろな型に詰めて形を作ることができるという砂のもつ面白さにひかれる場であったり、また、友達と一緒にトンネルを掘ることを楽しむ場であったりする。園児の行動や心情によって、同じ場や素材でもそこで園児が経験するものは違っている。したがって、保育教諭等の援助もそれぞれにふさわしいものに変えなければならない。園児の興味や関心に即しながらも、その時期にその園児の中にどのような育ちを期待したいか、そのために必要な経験は何かを考え、その経験が可能となるように環境を構成していくことが大切である。

 

園児の主体性を育むために目の前の子どもを理解し、その時期に必要な環境を整備する、準備することで子どもがそのことに関わりやすくしてくことも必要です。ふさわしい援助が適切に行われるよう一人一人を理解して環境構成を行いたいと思います。

 

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