85 5.「令和の日本型学校教育」の構築に向けたICTの活用に関する基本的な考え方 2023/06/23 『○これまで繰り返し述べてきたように,「令和の日本型学校教育」を構築し,全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びを実現するためには,学校教育の基盤的なツールとして,ICTは必要不可欠なものである。我が国の学校教育におけるICTの活用が国際的に大きく後れをとってきた中で,GIGAスクール構想を実現し,前に述べたようにこれまでの実践とICTとを最適に組み合わせることで,これからの学校教育を大きく変化させ,様々な課題を解決し,教育の質の向上につなげていくことが必要である。その際,PDCAサイクルを意識し,効果検証・分析を適切に行うことが重要である。』 ICTは必要不可欠。そのとおりです。しかし人と人のつながり、対面での繋がりがなければ、人との関係や「友達」という存在が大きく変わり、なくなってしまうのではないかとも危惧します。仲間と共存してきた人類からすると様相が随分と変わり便利になったものの、ヒトとしての関係性は保てるのだろうかとも心配します。先日NHKで「アフターコロナ 人と会うのがつらい」として、社会ににぎわいが戻る一方、学校も会社もリモートが日常化しマスクを外したくないという人も少なくないなど、私たちのコミュニケーションの形は大きく変化してきました。そんな中、なぜか「人と接するのが不安」「対面がストレス」など、“対人不安”を感じてしまう人が若者を中心に増えていると指摘されていました。番組では最新科学で原因を探り、コミュニケーションと私たちの脳や心の知られざる関係を解明!不安を解消する鍵とは?との放送がありました。組み合わせることが大切なことではないかと感じています。
84(6)社会構造の変化の中で,持続的で魅力ある学校教育を実現する 2023/06/22 『○少子高齢化や人口減少などにより社会構造が変化する中にあって,学校教育の持続可能性を確保しながら魅力ある学校教育を実現するため,幼児教育,義務教育,高校教育,特別支援教育において,必要な制度改正や運用改善を行うことが必要である。 ○特に「団塊ジュニア世代」が65歳以上となる令和22(2040)年頃にかけて,我が国全体の人口構造は大きく変容していくと言われている。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば,今後人口減少は加速し,令和22(2040)年頃には毎年約90万人が減少する。生産年齢人口(15~64歳)の減少幅は増大する一方,高齢者人口(65歳以上)はピークを迎える43。既に多くの市町村が人口減少と高齢化に直面しているが,今後は,大都市圏を含め,全国的に進行することが予想されている。 ○このような時代の到来を見据えつつ,魅力的で質の高い学校教育を地方においても実現するため,高齢者を含む多様な地域の人材が学校教育に関わるとともに,学校の配置やその施設の維持管理,学校間の連携の在り方を検討していくことが必要である。』 住む地域による教育や子育てに差が出てきていることは明らかです。子どもの減少と高齢化や過疎化によって地域の教育や保育、子育てにおいての質の低下はあってはなりません。どこの地域、どのような地域においても学校教育や地域の子育ての低下だけは避けなければなりません。この先明らかに人口は減少していき高齢化も進むとされている中で、未来を担う子どもたちの教育の環境か奪われたりすることもあってはならないことです。 費用効果等をすぐに持ち出す方もいますが、人が少なくなれば当然のことでありますが決して子供の予算を削るべきではありません。熊本市内においても小学校の教室が足りないといった地域もあれば、多くの学校で児童生徒の数の減少、クラスの人数の減少、さらには統廃合の地域もあるのです。ここも費用対効果ではなく全体でのバランスもふまえ、地域から学校がなくなる、子どもの声がなくならないようにあらゆる支援が必要です。
83(5)感染症や災害の発生等を乗り越えて学びを保障する3 2023/06/21 『○これらの取組を円滑に進めるためには,総合教育会議等も活用して,首長部局との連携を積極的に行うとともに,教育委員会等の学校の設置者が学校における取組を後押しすることも重要である。特に,今般の新型コロナウイルス感染症対応においては,教育委員会が,学校の自主的・自立的な取組を積極的に支援するという役割を果たしていたか否かが,子供たちの学びの保障においても重要であったことを踏まえ,教育委員会が率先して課題に取り組み,学校を支援する教育委員会の在り方について検討していくことが必要である。また,今般の新型コロナウイルス感染症の発生のような危機的な状況を乗り越えるためには,特に保護者や地域と協働し,学校運営や教育行政を推し進めることが必要である。』 感染症の拡大や災害など両方を経験した熊本だからこそ、子ども達の学びをしっかり検証し見つめ必要な支援を展開して欲しいですね。さらには、各自治体の教育委員会はあくまでもその自治体の公教育の実を対象としています。だからこそ抜け落ちる私学等の児童生徒への自治体の関与についても、私学の建学の精神に遠慮することなく育ちということ、学びのことについては方法論ではなく家庭支援といったことが子どもの教育に直結していることを踏まえた支援も求められるのではないでしょうか。もちろん虐待や暴力といった命にかかわることについては自治体の子どもという立場で積極的に関与していく必要もあろうかと考えます。
82(5)感染症や災害の発生等を乗り越えて学びを保障する2 2023/06/20 『○また,やむを得ず学校の臨時休業等が行われる場合であっても,スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門スタッフや,市町村や児童相談所,警察等の関係機関との連携を図りつつ,子供たちと学校との関係を継続することで,心のケアや虐待の防止を図り,子供たちの学びを保障していくための方策を講じることが必要である。 ○さらに,感染症に対する差別や偏見,誹謗中傷等を許さないことが重要である。学校においては,誤った情報や認識や不確かな情報に惑わされることなく,正確な情報や科学的根拠に基づいた行動を行うこと,感染者,濃厚接触者等とその家族に対する誤解や偏見に基づく差別を行わないことなどの点について,しっかりと取り上げ,身に付けさせることが必要である。あわせて,保護者や地域においては,学校における感染症対策と教育活動の両立に対する理解や協力に加え,差別等を許さない地域を作ることが期待される。』 学校における学びの保障は公教育施設だけでもありません。小中学校には私学もあり、高等学校教育の半数は私学でもあります。就学前の教育保育施設においては9割が私学や社会福祉法人が担っているのです。そういった中、スクールカウンセラーやソーシャルワーカー等の専門スタッフの不足は指摘されている通りで、多様化、激増する対応で子どもや家庭を十分把握できていないこともあるようです。子どもを対象としたソーシャルワーカーは皆無に近く、こういったスタッフの充実も学校を支え、子どもを支えることになります。充実を望みます。 (江別市)
81(5)感染症や災害の発生等を乗り越えて学びを保障する 2023/06/19 『○今般の新型コロナウイルス感染症対応の経験を踏まえ,新たな感染症や災害の発生等の緊急事態であっても必要な教育活動を継続することが重要である。このため,「新しい生活様式」も踏まえ,子供一人一人の健康に対する意識を向上させるとともに,健やかに学習できるよう,トイレの乾式化・洋式化や特別教室等への空調設備の設置等の衛生環境の整備や,新しい時代の教室環境に応じた指導体制や必要な施設・設備の整備を図ることが必要である。』 教育活動を止めない。そういった動きは地震の時やコロナ禍においても言われ続けてきたことです。幸い熊本においては公教育においてはタブレットがすべての子ども達に届いており、有効活用できたことは有名な話です。他県、自治体によってはようやく整備がなされてきているのです。健康観察をタブレットを使って送信する、一方的な配信もあったが、授業がなされる。ICTの活用はコロナ化もあって一気に時代の中心といなってきました。公教育の場においても冷暖房や洋式トイレバリアフリー化も進んでいます。ハード面の環境整備も子どもの教育を支える大切なことであります。