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園からの発信

教育・保育要領解説50

2024/02/26

カ 思考力の芽生え

身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる。また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気付き、自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにするようになる。

思考力の芽生えは、領域「環境」などで示されているように、周囲の環境に好奇心をもって積極的に関わりながら、新たな発見をしたり、もっと面白くなる方法を考えたりする中で育まれていく。なお、思考力の芽生えは、領域「環境」のみで育まれるのではなく、第2章に示すねらい及び内容に基づく活動全体を通して育まれることに留意する必要がある。

園児は、身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりするようになる。5歳児の後半になると、遊びや生活の中で、物の性質や仕組みなどを生かして、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、身近な環境との多様な関わりを楽しむようになる。また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気付き、自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにしようとする姿が見られるようにもなる。

例えば、数人の園児が友達と砂場でゆるやかなV字型に樋をつなげて遊んでいるときに、片方の樋の端からバケツで水を流すと、水がもう一方の樋の方に上って流れ込むことを発見する。いつもと違う水の流れ方に興味をもち、空のペットボトルをロケットに見立てて手前の樋に置き、水を流して反対側の樋から飛び出させるという遊びに発展する。なかなかうまくいかないが、「もっとたくさん水がいるんじゃない」「ああ、今度は強すぎだ」「じゃあ、少しずつ流してみる」などと友達と考えを出し合い、水の量や流す勢いを変えながら、繰り返し試す。しばらく試した後、バケツ一杯に汲んだ水を、始めはゆっくりと流し出し、半分ほど流したところで、勢いをつけて一気に全部流すとうまくいくことを発見する。ペットボトルは水の勢いに合わせて、始めはゆっくりと手前の樋から流れ出し、最後は勢いよく反対側の樋の先端から飛び出す。園児は「やったあ」「大成功」と言って喜び合い、遊びが続いていく。

 

思考力についてはSTEAM教育に取り組み、「なんでだろう」といった不思議さについて学ぶ機会を増やしています。もちろん普段の生活においても不思議さを経験し思考力を育むことにも力を入れています。そのことは探求心を育むことでもあり、日々の生活において様々な経験ができる工夫をしています。そして、一つのことについても様々な感じ方や思い、意見があること、感じることが違うことも大切にしています。そこことで新しい考えを生み出す喜び、自分の考えをよりよいものにしようとする姿などしっかりと子どもの成長を確認していきたいと考えています。園生活を通して学ぶことが大切であり、授業の一コマで行うべきことでもなく普段の生活で身近な事象に触れる機会が大切です。

 

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