共感を暴走させたのは“言葉”3 2023/02/24 『一方で、言葉には集団の共感を暴走させてしまう、負の側面も出てきたんですね。例えば、同じ人間の仲間だけれども「あいつは豚のように卑しい」とか「あいつはオオカミのように陰険だ」と言う。本来、豚と人間は違いますよね。でも「豚のような」と言ったときに、人間の中に豚のイメージが重ね合わされて汚く見える。そういう力を持っているわけです。本当は敵ではない相手を敵視するような誘導の仕方が可能になったと思います。』 言葉の発展による負の側面。そこにはヒトの脳、心の中でのイメージや良心だけでなく、意図的な心をも持つように進化してきたことも想像できます。言葉によって共感を高めたり、反面、相手を敵視する心を言葉によって表すことが出来るように進化してきたことが伺えます。ヒトの心の進化ともいえるかと思います。 ところが最近の脳の研究によるとありえないようなウソをつき、そのウソがバレても平然としているヒトもいる。犯罪などで捕まっても反省の色を見せない。それなのに外見は魅力的で社交性も十分。面白くて一緒に居たいと思わせる人なのに、関わった人は皆騙されて、不幸になってしまう。共感性が低く、飢餓に苦しむ人などの悲惨な画像を見せても、感情を司る脳の部位が活性化しないそうです。そういった脳を持つ一方で、相手の目つきや表情から状況を把握する能力には長けているのだとか。相手の喜ぶことを行って巧みに心理を操ったり、逆に相手の弱みを見つけて揺さぶりをかけることが得意で、プレゼン能力は非常に高いそうです。しかし、経営管理やチームでの作業は苦手だというケースもあるようです。脳と心の関係については深いですね。