暴走をもたらした「共感」5 2023/02/15 『アフリカに狩猟採集生活を現代でも続けている人たちがいます。「ハッザ」と呼ばれる人たちです。この人たちは獲物をしとめるときに、ルールを持っているのです。もちろん獲物の取り方は現代の人たちですから、昔とは違います。でも獲物を取ってきたときに、それをしとめたハンターが独占するのではなくて、細かく切り分けて、ハンティングに参加した人あるいはキャンプで待っている人たちにも、ことごとく行き届くように分配するのです。徹底的に肉を分かち合う、そういう精神に満ちあふれています。こういった徹底的な分配を通じた平等性。能力がある人だけが利益を得るのではない、みんなで平等に食べ物を分かち合いましょうというルール。その中で、自分たちは一緒なんだ、という共感力を高めて、集団の結束力を強化したんだと思うのです。』 原始的な生活とはいえ、共有する、徹底的に分かち合う精神、共感力のうえに集団の結束が生まれています。家庭内、さらにはクラスや部活動など共感力を高めるには、共鳴、共有すること、食料や物だけでなく、考えに共鳴し、共感力を高めることが一体感につながり、そのことが集団の結束力をはぐくみ、強化に結びつくと感じます。