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園からの発信

79(4)履修主義・修得主義等を適切に組み合わせる 3

2023/06/15

『○全ての児童生徒への基礎・基本の確実な定着への要請が強い義務教育段階においては,進級や卒業の要件としては年齢主義を基本に置きつつも,教育課程を履修したと判断するための基準については,履修主義と修得主義の考え方を適切に組み合わせ,それぞれの長所を取り入れる教育課程の在り方を目指すべきである。高等学校においては,これまでも履修の成果を確認して単位の修得を認定する制度が採られ,また原級留置の運用もなされており,修得主義・課程主義の要素がより多く取り入れられていることから,このような高等学校教育の特質を踏まえて教育課程の在り方を検討していく必要がある。』

 

既に欧州、保育の発祥地であるドイツにおいては、就学前の施設から小学校へ進級するにあたり、学年をSTAYすることもできるのです。日本では落第といった誤解も生じますが、子どもが習熟の到達度によって学校に上がることを保留することができるのです。そこには、小学校中学年8歳となったら、どういった上級学校に進むのかを判断しないといけないからなのです。学問を進める、技術を身に着ける、どういった職について社会を構築していくかを決めなければならないからこそ学校に進級するときに相当な慎重な選択をするそうです。決して落第ではなくSTAYしてとどまり、しっかりと履修修得できる準備ができるかどうかを判断するようです。だから日本においてよく言葉にする「〇歳になったのに」という年齢で子どもの習熟などを決めつけてしまう化石のような言葉が用いられるのではないでしょうか。そういった言葉がヒトの意欲をなくしてしまうことなのです。

78(4)履修主義・修得主義等を適切に組み合わせる 2

2023/06/14

『○一方で,履修主義や年齢主義は,対象とする集団に対して,ある一定の期間をかけて共通に教育を行う性格を有する。このため修得主義や課程主義のように学習の速度は問われず,ある一定の期間の中で,個々人の成長に必要な時間のかかり方を多様に許容し包含する側面がある一方で,過度の同調性や画一性をもたらすことについての指摘もある。

○我が国においては現在,制度上は原級留置が想定されているものの,運用としては基本的に年齢主義が採られている。進級や卒業の要件としての課程主義を徹底し,義務教育段階から原級留置を行うことは,児童生徒への負の影響が大きいことや保護者等の関係者の理解が得られないことから受け入れられにくいと考えられる。』

 

日本の学校教育は、開始時の時代背景から、4月から3月生まれを1学年と規定し、公教育として学年が編成され、年齢主義として、当然落第がなく、個人の修得に関係なく進められてきました。当然そうなると修得や習熟度に差が得てきたが、実はあまりそういったことへの配慮は少なかったのではないだろうか。今、子ども一人一人の人権を考慮すれならば、しっかりと習熟、修得できるよう支援することと意欲があろうとも学べる環境にない状況が生み出されたとしてもしっかりと支援する体制をもっと配慮する必要があるのではと感じます。

77(4)履修主義・修得主義等を適切に組み合わせる

2023/06/13

『○現行の日本の学校教育制度では,所定の教育課程を一定年限の間に履修することでもって足りるとする履修主義,履修した内容に照らして一定の学習の実現状況が期待される修得主義,進学・卒業要件として一定年限の在学を要する年齢主義,進学・卒業要件として一定の課程の修了を要求する課程主義の考え方がそれぞれ取り入れられている。

○修得主義や課程主義は,一定の期間における個々人の学習の状況や成果を問い,それぞれの学習状況に応じた学習内容を提供するという性格を有する。個人の学習状況に着目するため,個に応じた指導,能力別・異年齢編成に対する寛容さという特徴が指摘される一方で,個別での学習が強調された場合,多様な他者との協働を通した社会性の涵養など集団としての教育の在り方が問われる面は少なくなる。』

 

履修における結果として、当然定期テストなどはこれらも行われるのでしょう。一部の学校では試験の廃止もとりだたされていますが、どれくらいの理解があるかの指標は必要でしょう。ただし、そこには理解する側の課題もありそうです。個に応じた指導、能力別など工夫をして取り組まれるべきでもありますが、学ぶ側が学べる環境、意欲を掻き立てる工夫も必要だと感じています。もちろん学ぶという姿勢も必要です。修得することについても結果として評価されるわけで、一定期間において修得できる度合いにも個人差も出てきますよね。器用さや大人の評価での上手といった評価でも違いが出てきますよね。何れも良し悪しだけでなく、どう取り組んできたかを評価に反映することも必要なことではないのかとも感じます。

76(3)これまでの実践とICTとの最適な組合せを実現する 3

2023/06/12

『○なお,ICTはこれからの学校教育に必要不可欠なものであり,基盤的なツールとして最大限活用していく必要があるが,その活用自体が目的でないことに留意が必要である。

○AI技術が高度に発達するSociety5.0時代にこそ,教師による対面指導や子供同士による学び合い,地域社会での多様な体験活動の重要性がより一層高まっていくものであり,教師には,ICTも活用しながら,協働的な学びを実現し,多様な他者と共に問題の発見や解決に挑む資質・能力を育成することが求められる。』

 

このことはとても大切ですね。人と人の対面的な繋がりや対話による共同的な学びは、画面では伝わらないことも多くあります。最大限に活用することと、すべてを頼ってしまうこととは違うように感じています。活用自体が目的ではなく、あくまでもツール。人と人の対面による共鳴、共感でヒトは進化をしてきたことを考えると直接の対面はなくしてはならないことだと思います。

75(3)これまでの実践とICTとの最適な組合せを実現する 2

2023/06/09

『○令和時代における学校の「スタンダード」として,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善に資するよう,GIGAスクール構想により児童生徒1人1台端末環境と高速大容量の通信ネットワーク環境が実現されることを最大限生かし,端末を日常的に活用するとともに,教師が対面指導と家庭や地域社会と連携した遠隔・オンライン教育とを使いこなす(ハイブリッド化)など,これまでの実践とICTとを最適に組み合わせることで,学校教育における様々な課題を解決し,教育の質の向上につなげていくことが必要である。』

 

教育方法のハイブリット化の効果に期待し、「生徒と繋がる」ことの効果、このことでの質の向上につながることにも期待しましょう。もちろん対面もとても大切なことです。時代は学校のICT化によって大きく変わろうとしています。熊本市においては先駆的な都市ですが、こういった取り組みで効果をあげている事例等をどんどん取り入れ、更なる効果に期待しましょう。

 

 

 

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