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園からの発信

シリーズ幼保連携型認定こども園 20

2023/11/13

1 乳幼児期の特性

(2) 乳幼児期の発育・発達

② 発達を促すもの

乳幼児期の発達を促すために必要なこととして次のようなものが考えられる。

ア 能動性の発揮

園児は、興味や関心をもったものに対して自分から関わろうとする。したがって、このような能動性が十分に発揮されるような対象や時間、場などが用意されることが必要である。特に、そのような園児の行動や心の動きを受け止め、認めたり、励ましたりする保護者や保育教諭等の大人の存在が大切である。また、園児が積極的に周囲に目を向け、関わるようになるには、園児の心が安定していなければならない。心の安定は、周囲の保護者や保育教諭等の大人との信頼関係が築かれることによって、つくり出されるものである。

 

子どもが興味関心を持つ大人の関わりは環境を整えることです。こういった気づきをして欲しいと描くなら意図性も必要です。子どもの姿を見てプランの立て直しや展開を変えていくことも必要です。また、子どもが安心して活動するためには大人との信頼関係が必要です。安心して過ごせると子どもが感じる事がとても大切ですね。心の安定ってとても大事です。大人の概念や大人からの指示、命令ばかりでは子どもの意思は尊重されることはありません。子ども自らの意思を尊重したいですね。

 

シリーズ幼保連携型認定こども園 19

2023/11/10

1 乳幼児期の特性

(2) 乳幼児期の発育・発達

① 発達の捉え方

人は生まれながらにして、自然に成長していく力と同時に、周囲の環境に対して自分から能動的に働き掛けようとする力をもっている。自然な心身の成長に伴い、人がこのように能動性を発揮して環境と関わり合う中で、生活に必要な能力や態度などを獲得していく過程を発達と考えることができよう。

生活に必要な能力や態度などの獲得については、どちらかというと大人に教えられたとおりに園児が覚えていくという側面が強調されることもあるが、乳幼児期には、園児自身が自発的・能動的に環境と関わりながら、生活の中で状況と関連付けて身に付けていくことが重要である。したがって、生活に必要な能力や態度などの獲得のためには、遊びを中心とした生活の中で、園児が自らの生活と関連付けながら、好奇心を抱くこと、あるいは必要感をもつことが重要である。

園児の心身の諸側面は、それぞれが独立して発達するものではなく、園児が周囲の人やものと関わり、友達と体を動かして遊びを展開するなどの中で、それぞれの側面が相互に関連し合うことにより、発達が成し遂げられていくものである。

園児の発達は連続的ではあるが常に滑らかに進行するものではなく、ときには、同じ状態が続いて停滞しているように見えたり、あるときには、飛躍的に進んだりすることも見られる。

さらに、このような発達の過程の中には、ある時期には身に付けやすいが、その時期を逃すと、身に付けにくくなるものもある。したがって、どの時期に何をどのような方法で身に付けさせていくべきかという適時性を考えることは、園児の望ましい発達を促す上で、大切なことになる。ここでの適時性とは、長期的な見通しに立った緩やかなものであり、人間は生涯を通して発達し続ける存在であることから、その時期を過ぎたら、発達の可能性がないというような狭い意味のものではない。

 

子どもの成長においてどんどん進んでいくように見えるもの、ゆっくりに見えるもの、それは環境と経験に差があるからといった見方もあります。経験のないもの、したことがあるものによってその後の展開も変わるものです。だからこそどういった経験が子どものどういった成長につながるのか、また、助長することになるのか、子ども自身のものになるのかなどしっかり考え、またその時の子どもの対応をも踏まえ成長を支えていきたいですね。ですから指針では年齢区分を乳児、1歳半から3歳未満、3歳以上といった大きな括りで捉えています。0歳児、1歳児2歳児とそれぞれの姿はあるものの、年齢によって「こうしなさい!」「ああしなさい!」とは記述していません。同じ学年でも月齢は12か月も違うのですから、同じにするようにすれば月齢による差は明らかに違います。同じことを同じようにさせるには無理もあります。個々の子どもの成長をゆっくり支える視点が必要です。

 

 

シリーズ幼保連携型認定こども園 18

2023/11/09

1 乳幼児期の特性

(2) 乳幼児期の発育・発達

乳幼児期は、環境と関わり合う生活の中で自己の興味や欲求に基づく直接的・具体的な体験を通して健全な心身の発育・発達が促され、生涯にわたる人格形成の基礎が培われる重要な時期である。また、生理的、心理的な諸条件や生育環境の違いにより、園児一人一人の個人差が大きいこの時期において、園児一人一人の健やかな育ちを保障するためには、園児自らが安心して環境に関わりその活動が豊かに展開されるような環境が整えられ、愛情豊かな思慮深い保護者や保育教諭等の大人との関わり合いが十分に行われることが重要である。この関係を起点として、次第に他の園児との間でも相互に働き掛け、関わりを深め、人への信頼感と自己の主体性を培っていくのである。

そのため、保育教諭等は、園児の発達の特性と発達の過程を十分に理解し、その園児一人一人の発達の過程に応じて見通しをもって教育及び保育を行うことが求められている。

園児は、生まれながらに備わっている諸感覚を働かせながら、身の回りの環境に働き掛けていく。温かく受容し、優しく語り掛ける保育教諭等の大人に見守られながら、園児は環境に働き掛け、環境から働き掛けられる中で、発達していく。そして、その相互作用においては、園児自らが環境に働き掛ける自発的な活動や、身体感覚を伴う直接的・具体的な体験が大切である。また、特定の保育教諭等の大人との親密な関わりにおいて育まれる信頼関係が、園児が主体的に環境に関わるその基盤となる。

園児が人やものなどに触れ、興味や関心を広げていくことは、園児に様々な心情をもたらし、自ら関わろうとする意欲を促していくことになる。

また、園児は人やものなどと出会い、感覚を磨きながら多様な体験を積み重ねていくことにより、自らの生活を楽しみながら、環境と関わる姿勢や態度を身に付けていく。より豊かで多様な環境との出会いの中で、園児は、行きつ戻りつしながら様々な能力を獲得していく。こうした過程そのものが、園児の発達であるといえるであろう。

園児と生活を共にする保育教諭等は、園児に安心感や安定感を与えながら、園児の発達の特性や発達の過程に沿った適切な援助をしていかなければならない。

さらに、遊びや生活を共にする中で、園児一人一人の心身の状態を把握し、園児が自ら環境に働き掛け、感じたり、考えたり、試したり、工夫したり、繰り返したりする過程を見守り、園児と共に環境を再構成しながら共に楽しむことも大切である。

 

解説書に明記されているのです「生まれながらに備わっている諸感覚を働かせながら、身の回りの環境に働き掛けていく」としています。白紙で生まれ、すべて学んでいくという考えではないということです。備えた能力がありそれを引き出す、不要なものは捨てていくといった考え方ですね。しかも相互作用によって成長していくとしています。

子どもは教えればすぐに何でも覚えます、出来るようになります。しかしそのことだけに大人が一喜一憂するのではないですね。だが、その能力は結構早めに挫折してしまいます。子ども自らの意思で行動したからではないからです。教えられることから自ら興味を持ち学ぶことでその記憶や体験が後々役に立つのでしょう。人やものなどと出会い、感覚を磨きながら多様な体験を積み重ねていくことで様々な能力を獲得していく。これが子どもの発達であり成長だと思います。

 

シリーズ幼保連携型認定こども園 17

2023/11/08

1 乳幼児期の特性

(1) 乳幼児期の生活

③ 興味や関心

生活の場の広がりや対人関係の広がりに伴って、園児の興味や関心は生活の中で様々な対象に向けられて広がっていく。

生活の場が家庭から地域、幼保連携型認定こども園へと広がるにつれて、園児は、興味や関心を抱き、好奇心や探究心を呼び起こされるような様々な事物や現象に出会うことになる。そのようなものに対する興味や関心は、他の園児や保育教諭等と感動を共有したり、共にその対象に関わって活動を展開したりすることによって広げられ、高められていく。

また、一人では興味や関心をもたなかった対象に対しても他の園児に接することによって、あるいは、保育教諭等の援助などによって、自分もそれに興味や関心をもつようになる。このような興味や関心は、その対象と十分に関わり合い、好奇心や探究心を満足させながら、自分でよく見たり、取り扱ったりすることにより、更に高まり、思考力の基礎を培っていくことから、園児が様々な対象と十分に関わり合えるようにすることが大切である。

また、他の園児や保育教諭等と言葉により対話することがその過程を更に深めていくことにもなる。

園児は、同年代の園児の行動に影響されて行動を起こしたり、保護者や保育教諭等の親しみをもっている大人の行動を模倣し、同じようなことをやってみようとすることが多い。したがって、自然や出来事などの様々な対象へ園児の興味や関心を広げるためには、他の園児の存在や保育教諭等の言動が重要な意味をもつことになる。

 

同世代の赤ちゃんが寝返りをする姿を見て寝返りをする。ハイハイをしたらハイハイを真似る。互いに影響しあって、さらには大人の真似をする姿こそ成長のあかしです。つかまり立ちも同じですよね。なので、その時期からずーっと一緒に過ごすことで相手のことを少しずつ理解していくのでしょう。さらに同じ遊びをして共鳴し、共有することで仲間意識や友達意識が深まるように思います。そこにその子たちのゆったりとしたリズムやせわしく動いたりする動きなどの共鳴もあり、どうやらその空間で友達意識や相手を思いやる気持ちなども出てくるように感じています。それこそ集団生活でしか学べないもののように感じます。個別の対応と数名の集団を少しずつ感じる乳児期の始まりです。

シリーズ幼保連携型認定こども園 16

2023/11/07

1 乳幼児期の特性

(1) 乳幼児期の生活

② 他者との関係

乳幼児期は、家庭における保護者などとの関係だけでなく、他の園児や家族以外の人々の存在に気付き始め、次第に関わりを求めるようになってくる。初めは、保護者や保育教諭等の大人との関わりが強いものの、同年代の園児がいると、別々の活動をしながらも同じ場所で過ごすことで満足する様子が見られるが、やがて一緒に遊ぶようになることで、次第に、言葉を交わしたり、物のやり取りをしたりするなどの関わりをもつようになっていく。そして、ときには自己主張のぶつかり合いや友達と折り合いを付ける体験を重ねながら友達関係が生まれ、深まっていく。やがて、園などでの集団生活の場で共通の興味や関心をもって生活を展開する楽しさを味わうことができるようになると、更に友達関係は広がりを見せるようになっていく。このような対人関係の広がりの中で園児は互いに見たり、聞いたりしたことなどを言葉や他の様々な方法で伝え合うことによって、今までの自分のイメージにない世界に出会うことになる。

園児はこのようにして、一人で活動するよりも、何人かの友達と一緒に活動することで、生活がより豊かに楽しく展開できることを体験し、友達がいることの楽しさと大切さに気付いていくことになる。それと同時に、園児は、友達との関わりを通して様々な感情を体験していくことになる。友達と一緒に活動する楽しさや喜び、また、自己主張のぶつかり合いなどによる怒り、悲しさ、寂しさなどを味わう体験を積み重ねることによって、次第に、相手も自分も互いに違う主張や感情をもった存在であることにも気付き、その相手も一緒に楽しく遊んだり、生活したりできるよう、自分の気持ちを調整していく。

このような他者との関係の広がりはその深まりにもつながっていく。またそれらは自我の形成の過程でもある。乳幼児期には、自我が芽生え、自己を表出することが中心の生活から、他者と関わり合う生活を通して、他者の存在を意識し、自己を抑制しようとする気持ちも生まれるようになり、自我の発達の基礎が築かれていく。

 

他者との関係を生活の場で体験できるのは集団生活でしかできません。体験により気づかれるものでもあります。これは赤ちゃんの時からすでにその様子が伺えます。友達がハイハイしたら真似てみる。友達が遊んでいる遊具が気になる、欲しくなる。いやだと泣かれてしまって相手が嫌がることの礎も感じ取っていきます。そこで「駄目よ!」と叱っても子どもにとっては大声にしか聞こえません。恐怖心は芽生えるでしょう。大人に対して。遊具も同じものを与えても納得いてはくれません。あの子の持っているものが欲しくなる欲求を表現しているものと思います。それを辞めさせるには単に別々にした方がいいのか、そうすると一向に人間関係は築けなくなりますよね。個別の対応も大切にして、数名の同じ程度の発達時期の子ども達との関わりを進めるときです。

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