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園からの発信

83(5)感染症や災害の発生等を乗り越えて学びを保障する3

2023/06/21

『○これらの取組を円滑に進めるためには,総合教育会議等も活用して,首長部局との連携を積極的に行うとともに,教育委員会等の学校の設置者が学校における取組を後押しすることも重要である。特に,今般の新型コロナウイルス感染症対応においては,教育委員会が,学校の自主的・自立的な取組を積極的に支援するという役割を果たしていたか否かが,子供たちの学びの保障においても重要であったことを踏まえ,教育委員会が率先して課題に取り組み,学校を支援する教育委員会の在り方について検討していくことが必要である。また,今般の新型コロナウイルス感染症の発生のような危機的な状況を乗り越えるためには,特に保護者や地域と協働し,学校運営や教育行政を推し進めることが必要である。』

 

感染症の拡大や災害など両方を経験した熊本だからこそ、子ども達の学びをしっかり検証し見つめ必要な支援を展開して欲しいですね。さらには、各自治体の教育委員会はあくまでもその自治体の公教育の実を対象としています。だからこそ抜け落ちる私学等の児童生徒への自治体の関与についても、私学の建学の精神に遠慮することなく育ちということ、学びのことについては方法論ではなく家庭支援といったことが子どもの教育に直結していることを踏まえた支援も求められるのではないでしょうか。もちろん虐待や暴力といった命にかかわることについては自治体の子どもという立場で積極的に関与していく必要もあろうかと考えます。

82(5)感染症や災害の発生等を乗り越えて学びを保障する2

2023/06/20

『○また,やむを得ず学校の臨時休業等が行われる場合であっても,スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門スタッフや,市町村や児童相談所,警察等の関係機関との連携を図りつつ,子供たちと学校との関係を継続することで,心のケアや虐待の防止を図り,子供たちの学びを保障していくための方策を講じることが必要である。

○さらに,感染症に対する差別や偏見,誹謗中傷等を許さないことが重要である。学校においては,誤った情報や認識や不確かな情報に惑わされることなく,正確な情報や科学的根拠に基づいた行動を行うこと,感染者,濃厚接触者等とその家族に対する誤解や偏見に基づく差別を行わないことなどの点について,しっかりと取り上げ,身に付けさせることが必要である。あわせて,保護者や地域においては,学校における感染症対策と教育活動の両立に対する理解や協力に加え,差別等を許さない地域を作ることが期待される。』

 

学校における学びの保障は公教育施設だけでもありません。小中学校には私学もあり、高等学校教育の半数は私学でもあります。就学前の教育保育施設においては9割が私学や社会福祉法人が担っているのです。そういった中、スクールカウンセラーやソーシャルワーカー等の専門スタッフの不足は指摘されている通りで、多様化、激増する対応で子どもや家庭を十分把握できていないこともあるようです。子どもを対象としたソーシャルワーカーは皆無に近く、こういったスタッフの充実も学校を支え、子どもを支えることになります。充実を望みます。

 

(江別市)

 

81(5)感染症や災害の発生等を乗り越えて学びを保障する

2023/06/19

『○今般の新型コロナウイルス感染症対応の経験を踏まえ,新たな感染症や災害の発生等の緊急事態であっても必要な教育活動を継続することが重要である。このため,「新しい生活様式」も踏まえ,子供一人一人の健康に対する意識を向上させるとともに,健やかに学習できるよう,トイレの乾式化・洋式化や特別教室等への空調設備の設置等の衛生環境の整備や,新しい時代の教室環境に応じた指導体制や必要な施設・設備の整備を図ることが必要である。』

 

教育活動を止めない。そういった動きは地震の時やコロナ禍においても言われ続けてきたことです。幸い熊本においては公教育においてはタブレットがすべての子ども達に届いており、有効活用できたことは有名な話です。他県、自治体によってはようやく整備がなされてきているのです。健康観察をタブレットを使って送信する、一方的な配信もあったが、授業がなされる。ICTの活用はコロナ化もあって一気に時代の中心といなってきました。公教育の場においても冷暖房や洋式トイレバリアフリー化も進んでいます。ハード面の環境整備も子どもの教育を支える大切なことであります。

80(4)履修主義・修得主義等を適切に組み合わせる 4

2023/06/16

『○「個別最適な学び」及び「協働的な学び」との関係では,

・個々人の学習の状況や成果を重視する修得主義の考え方を生かし,「指導の個別化」により個々の児童生徒の特性や学習進度等を丁寧に見取り,その状況に応じた指導方法の工夫や教材の提供等を行うことで,全ての児童生徒の資質・能力を確実に育成すること,

・修得主義の考え方と一定の期間の中で多様な成長を許容する履修主義の考え方を組み合わせ,「学習の個性化」により児童生徒の興味・関心等を生かした探究的な学習等を充実すること,

・一定の期間をかけて集団に対して教育を行う履修主義の考え方を生かし,「協働的な学び」により児童生徒の個性を生かしながら社会性を育む教育を充実すること

が期待される。

○その際,これまで以上に多様性を尊重し,ICT等も活用しつつカリキュラム・マネジメントを充実させ,発達の段階に応じて,全ての子供たちの可能性を引き出す「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実していくことが重要である。』

 

小学校、中学校でもすでに習熟度別の授業が行われています。子どもの進捗状況、習熟度に合わせた授業が行われているのです。一人一人に合わせた支援となっているものの、やはり勘違いをしてレベルの高いクラスで学ばせたいといった大人の声もあるでしょう。これら取り組みはすべての子どもたち一人ひとりに寄り添ったことだと思いますが、学ぶ側、教える側の双方の過誤がないようにしなければなりません。教科によってはゆっくりだとか、どんどん進むだけの力がついているとか、生活や教科すべて個別に多様なのです。集団を前提に習熟度別や順番に交代で行う教育方法が今や当たり前で、一つの学年で同じように同じことをしては伸ばすこともフォローすることもできないことが明らかなわけで、教育方法の変革にも早く気づき対応することが大切です。

79(4)履修主義・修得主義等を適切に組み合わせる 3

2023/06/15

『○全ての児童生徒への基礎・基本の確実な定着への要請が強い義務教育段階においては,進級や卒業の要件としては年齢主義を基本に置きつつも,教育課程を履修したと判断するための基準については,履修主義と修得主義の考え方を適切に組み合わせ,それぞれの長所を取り入れる教育課程の在り方を目指すべきである。高等学校においては,これまでも履修の成果を確認して単位の修得を認定する制度が採られ,また原級留置の運用もなされており,修得主義・課程主義の要素がより多く取り入れられていることから,このような高等学校教育の特質を踏まえて教育課程の在り方を検討していく必要がある。』

 

既に欧州、保育の発祥地であるドイツにおいては、就学前の施設から小学校へ進級するにあたり、学年をSTAYすることもできるのです。日本では落第といった誤解も生じますが、子どもが習熟の到達度によって学校に上がることを保留することができるのです。そこには、小学校中学年8歳となったら、どういった上級学校に進むのかを判断しないといけないからなのです。学問を進める、技術を身に着ける、どういった職について社会を構築していくかを決めなければならないからこそ学校に進級するときに相当な慎重な選択をするそうです。決して落第ではなくSTAYしてとどまり、しっかりと履修修得できる準備ができるかどうかを判断するようです。だから日本においてよく言葉にする「〇歳になったのに」という年齢で子どもの習熟などを決めつけてしまう化石のような言葉が用いられるのではないでしょうか。そういった言葉がヒトの意欲をなくしてしまうことなのです。

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