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園からの発信

Ⅱ 令和の日本型学校教育 2

2023/07/05

1.幼児教育の質の向上について

(2)幼児教育の内容・方法の改善・充実

①幼稚園教育要領等の理解推進・改善

○幼児教育は,生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な役割を担っており,幼稚園教育要領等に基づき,各園の創意工夫を生かした質の高い教育の実践が求められている。

○そのためには,新幼稚園教育要領等の趣旨や内容について,関係者の理解を深め,新幼稚園教育要領等の実施状況や成果等の把握,調査研究や好事例等の情報提供を通じて,幼児教育施設における教育内容や指導方法の改善及び充実を図る必要がある。

○また,幼児教育施設では,環境を通して行う教育を基本としていることから,環境が子供の発達にとってどのような意味があるのかといった環境の教育的価値について研究を積み重ねていくことが重要である。

 

公文書ってとても難しいですね。幼稚園教育要領の理解推進・改善とあるのは、幼児教育を行っている幼保連携型認定こども園教育保育要領も含むことを示しています。整合性を取っている保育所保育指針も含むことも示していることとなります。所管が違うのでこのような表現になるのでしょう。ただし、これが、やはり満3歳児からとしてとることなのか、その礎となる3歳未満児の保育こそ大切であり、3歳以上児でいろいろと能力を発揮するには、基礎を育む0~2歳の時期の養護と教育・保育を伴う保育がとても大切なのです。大切にされ尊重されることが重要です。

環境においても物的環境、人的環境を考える必要があります。突然集団生活を始めると、子どもにとっては相当なストレスになるのです。3歳未満児で小さな集団の経験があるかどうか、友達との関わりがどの程度深まっているかによって違いが出てきます。もちろん施設に通っていなくとも支援センターや周りの兄弟児など子ども同士での関係性の礎は、経験があるかないかによって違いは出てくると感じています。環境設定についても人的環境において、初めから大きな集団だけではなく、グループや異年齢での人的環境を組み合わせて取り組むことで個々の活動の支援となることが示唆されていることから、活動に応じた人的環境などの工夫が必要なのです。

 

Ⅱ 令和の日本型学校教育 1

2023/07/04

随分と長い連載ですが教育保育について園からの発信を続けさせてください。文科省に対する中央教育審議会(中教審)からの答申書についての連載です。このことを基にこれからの日本の教育の基軸となります。公教育だけでなく幼児教育にも言及してあり、就学前の保育施設においても理解すべき内容なのです。学びつつ実践に結び付けていきたいと考えています。

第Ⅱ部 各論

1.幼児教育の質の向上について

(1)基本的な考え方

○幼児教育は,生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものである。また,学校教育の始まりとして幼稚園では,義務教育及びその後の教育の基礎を培うことを目的としている。

○しかし,急速な少子化の進行,家庭及び地域を取り巻く状況の変化等が複合的に絡み合い,幼児の生活体験が不足しているといった課題も見られる。幼稚園,保育所,認定こども園といった各幼児教育施設においては,集団活動を通して,家庭や地域では体験し難い,社会・文化自然等に触れる中で,幼児期に育みたい資質・能力を育成する幼児教育の実践の質の向上に一層取り組んでいく必要がある。

○とりわけ,新型コロナウイルス感染症への対応をとりつつ,子供の健やかな育ちをいかに守り支えていくかが今日の課題となっており,こうした課題にも的確に対応するため,教育環境の整備も含めた幼児教育の内容・方法の改善・充実や,幼児教育を担う人材の確保・資質及び専門性の向上,幼児教育を推進するための体制の構築等の取組を進めることが必要である。

 

 幼児教育の質の向上については,文部科学省において設けられた「幼児教育の実践の質向上に関する検討会」にて取りまとめられています。文科省の管轄においては学校教育、幼児教育は満3歳からとされていることが変わりません。子どもの教育とは生まれた時から、さらには胎児のときから「おなか」を通して響いていることから、今では生まれる前からの教育と捉えることもできます。教え込む教育を3歳からとしていた時代から本来は変わらなければならない捉え方なのでしょう。保育所、幼稚園、認定こども園の教育は整合性を取っていることを鑑みるならば、学校教育で取り組もうとしている答申を学ぶ必要があります。

 これからの教育保育の根幹です。文科省が提示をして、すべての学校教育にて取り組むべき考え方です。教育にかかわるもの、保護者もしっかり把握していかなければならないことかと感じています。昭和の時代のように学校にお任せしますではなく、子どもを人として一人の人間として尊重し、寄り添い、支える立場であります。

 

91 (3)ICT環境整備の在り方

2023/07/03

○GIGAスクール構想により配備される1人1台の端末は,シンプルかつ安価なものであり,この端末からネットワークを通じてクラウドにアクセスし,クラウド上のデータ,各種サービスを活用することを前提としている。このため,学校内のみならず学校外とつなぐネットワークが高速大容量であること,地方公共団体等の学校の設置者が整備する教育情報セキュリティポリシー等において,クラウドの活用を禁止せず,必要なセキュリティ対策を講じた上でその活用を進めることが必要である。

○また,小学校,中学校段階のみならず,多様な実態を踏まえつつ高等学校段階においても1人1台端末環境を実現するとともに,各学校段階において,端末の家庭への持ち帰りを可能とすることが望まれる。さらに,数年後に迎える端末の更新については,出来るだけ早急に関係者間で丁寧な検討を行っていくことが必要である。

○さらに,デジタル教科書・教材等の普及促進や,学習履歴(スタディ・ログ)や学校健康診断情報等の教育データを蓄積・分析・利活用できる環境の整備,ICTを活用した学びを充実するためのICT人材の確保,ICTで校務を効率化することによる学校の働き方改革の実現などが重要である。

 

時代に合わせて活用できるものはどんどんと活用していく必要があります。しかし特にICT化によって大人も子どももあらゆる情報を手に入れるツールがあるわけで、さらには発信することもできる。「モラル」、規律の損失、倫理観の欠如で裁判にもなっています。人を陥れたり、批判したり、道徳心や倫理観も早急に改善警告していく必要もあろうかと感じます。誰もが発信できる。特に匿名での投稿など法的整備も必要であり、児童生徒が犯罪に巻き込まれることも起きています。ネットに挙げると消えることはない、SNSも同じで、発信してしまうと消そうと思っても消せないことも多く、最終的には自らを苦しめることにもつながります。そのことを児童生徒、保護者も今一度危機感を持つ必要がありますね。

 

90 (2)ICTの活用に向けた教師の資質・能力の向上 2

2023/06/30

○また,新学習指導要領において示された資質・能力の3つの柱を一体的に育成し,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善に資する,我が国ならではのICTの活用モデルを確立していくために,教師は,授業研究の積み重ねにより,「子供はいかに学ぶか」「どう支援するか」を問い直していくとともに,教員養成大学・学部や教職大学院,国立大学附属学校は,このような不断の授業改善に取り組む教師のネットワークの中核としての役割を果たしていくことが求められる。

 

昔ながらに教科を教えこむ、一方的な講義的なことが現代の授業ではなくなってきた。ICTも活用する授業に改善する。だからこそ今の教員へのなり手がない。さらに中学校教員においては部活動の指導もある。好きでも相当な時間が取られることから指導者の外部委託、授業の準備がICT化によって複雑化して改善されないこと。若手やベテランにとってもおそらく負担が増えてきたうえに児童生徒の個別多様化への対応。なり手不足の要因かもしれません。

就学前の施設においても同様なこともあります。ただ預かればいいと私たちは思ってはいません。小学校へ行っても困らないよう生活を整え、基本的生活の確立、様々な活動を通して学校生活において困らないようにするためには学校現場の推移をしっかりと捉えた教育・保育が必要です。もちろんそこには個別に寄り添う姿勢で取り組みたいと考えています。人の数も必要ですがそれぞれ得意な専門性で対応することがこれからの時代大切であると思います。

 

89 (2)ICTの活用に向けた教師の資質・能力の向上

2023/06/29

○児童生徒が1人1台端末を使用し,いつでもクラウドにアクセスできる時代を迎える中で,上記(1)で述べたように,学校教育の質の向上に向けてICTを活用するためには,養成・研修全体を通じ,教師が必要な資質・能力を身に付けられる環境を実現することが必要である。

○このためには,大学における教員養成段階において,学生が1人1台端末を持っていることを前提とした教育を実現しつつ,児童生徒にプログラミング的思考,情報モラル等に関する資質・能力も含む情報活用能力を身に付けさせるためのICT活用指導力を養成することや,学習履歴(スタディ・ログ)の利活用などの教師のデータリテラシーの向上に向けた教育などの充実を図っていくことが求められる。このため,教員養成大学・学部や教職大学院は,学校教育におけるICTを効果的に活用した指導のノウハウをいち早く収集・分析しつつ,新たな時代に対応した教員養成モデルを構築するなど,Society5.0時代の教師の養成を先導する役割を果たすことが期待される。さらに現職の教師に対しては,国によるコンテンツ提供や都道府県等における研修の更なる充実等により,ICT活用指導力の一層の向上を図ることが急務である。

 

時代の変化の応じ教員の取得すべき事項は増えるばかりでありますが、これからを担う子ども達には必要なことであり、大人、保護者、教員が育った時代と現代は大きく異なること、学び方にも大きな変化であることを念頭に時代に合わせた教育方法が必要です。

ただ単に教科を教え込むだけであるなら、ネット配信で国中すべての同じ学年に配信すればいいだけです。そのほうが地域による学力差はなくなるはずです。しかし格差がなくならないのは受け手側の児童生徒の多様化や置かれている状況が多様だからではないでしょうか。いくらICTが進展しても受け手側にどれほど寄り添うことができるかが課題のように思います。一人一人個別に向き合うことができるか、そこに注力するためには様々な職種の学校スタッフや地域社会が必要なのではないでしょうか。教員、担任だけに資質・能力の向上の負担をかけても子どもにとってすべてではないと考えます。管理職の旗振りのもと学校全体で取り組む姿勢が必要と受け止めます。

 

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