教育・保育要領解説1 2023/12/08 第1章総則 保連携型認定こども園は小学校就学の始期に達するまでの子どもを入園させて教育及び保育を行う学校及び児童福祉施設である。幼保連携型認定こども園は、認定こども園法第2条及び第9条によって幼保連携型認定こども園における教育及び保育の目的及び目標が示されている。教育・保育要領は、認定こども園法第10 条に基づき、これら目的及び目標の実現に向けて、幼保連携型認定こども園の教育課程その他の教育及び保育の内容の基準を示すものである。 教育・保育要領第1章総則では、教育・保育要領を貫く基本的な考え方を示している。これを踏まえ、第2章以下が展開され、各章が関連し合い、全体として、一貫性をもち、教育及び保育の質の向上に資するという構成を成している。 各幼保連携型認定こども園においては、教育・保育要領に示されていることを基として、園児一人一人の資質・能力を育んでいくよう、乳幼児期にふさわしい教育及び保育の展開を目指す幼保連携型認定こども園における教育及び保育の在り方を理解し、園児の心身の発達、幼保連携型認定こども園や地域の実態に即し、組織的かつ計画的に「教育及び保育の内容並びに子育ての支援等に関する全体的な計画」を作成するとともに、家庭や地域社会と協力して、教育及び保育活動の更なる充実を図っていくことや、小学校以降の教育や生涯にわたる学習とのつながりを見通しながら、園児の自発的な活動としての遊びを通しての総合的な指導を行うことが大切である。 そのままズバリです。今の保育の取り組みの根幹であり、基準です。
新たなシリーズ 2023/12/07 ロングバージョンとなりますが、具体的に幼保連携型認定こども園における教育保育要領解説書の解説文を記載し、今の保育について連載していきます。基本的に解説文を記載するために大きなフレームが薄くなることもあろうかと思いますがお付き合いください。これまでのシリーズで改訂にあたっての留意点を記載してきましたので重なる部分もあるかと思います。専門的な表現や細かな表現もありますが、保育についての保育者に対しての解説書でありますが、保護者との共有も図る必要があろうかと思いますのでここに掲載をします。
シリーズ幼保連携型認定こども園 36 2023/12/06 3 幼保連携型認定こども園の役割 3 幼保連携型認定こども園における教育及び保育は、その後の学校教育全体の生活や学習の基盤を培う役割も担っている。この基盤を培うとは、小学校以降の子どもの発達を見通した上で、幼保連携型認定こども園の教育及び保育において育みたい資質・能力である「知識及び技能の基礎」「思考力・判断力・表現力等の基礎」そして「学びに向かう力・人間性等」を乳幼児期にふさわしい生活を通してしっかり育むことである。そのことが小学校以降の生活や学習においても重要な自ら学ぶ意欲や自ら学ぶ力を養い、子ども一人一人の資質・能力を育成することにつながっていくのである。 また、地域の人々が園児の成長に関心を抱くことは、家庭と幼保連携型認定こども園以外の場が園児の成長に関与することとなり、園児の発達を促す機会を増やすことになる。さらに、幼保連携型認定こども園が家庭と協力して教育及び保育を進めることにより、保護者が家庭とは異なる視点から園児への関わりを幼保連携型認定こども園において見ることができ、視野を広げるようになるなど保護者の変容も期待できる。 このようなことから、幼保連携型認定こども園は、乳幼児期の教育及び保育の中心的な役割を家庭や地域との関係において果たすことも期待される。 学校教育全体の生活や学習の基盤を培う役割という記述から、答えを出すことではなく、「なんでだろう」「不思議だね」といったことであり、そのことを表現できる言葉を発するとか想像するといったことが大切なように思えます。そのことが学びに向かう力のように思います。
シリーズ幼保連携型認定こども園 35 2023/12/05 3 幼保連携型認定こども園の役割 2 幼児期の教育及び保育は、大きくは家庭とそれ以外の施設等で行われ、両者は連携し、連動して子ども一人一人の育ちを促すことが大切である。元来、家庭とそれ以外の施設等においては、環境や人間関係の有り様に応じてそれぞれの果たすべき役割は異なる。家庭は、愛情としつけを通して乳幼児の成長の最も基礎となる心の基盤を形成する場である。家庭以外の施設等は、家庭において保育を受けることが困難な場合に、保護者以外の大人に支えられながら、家庭に代わって保育する場であったり、家庭では体験できない社会・文化・自然などに触れ、乳幼児期なりの世界の豊かさに出会う場であったりする。さらに、地域は様々な人々との交流の機会を通して豊かな体験が得られる場である。 幼保連携型認定こども園には、このように家庭や地域とは異なる独自の働きがあり、ここに教育及び保育の内容を豊かにするに当たっての視点がある。すなわち、幼保連携型認定こども園では、園児の自発的な活動としての遊びを十分に確保することが何よりも必要である。それは、遊びにおいて園児の主体的な力が発揮され、生きる力の基礎ともいうべき生きる喜びを味わうことが大切だからである。園児は遊びの中で能動的に対象に関わり、自己を表出する。そこから、外の世界に対する好奇心が育まれ、探索し、物事について思考し、知識を蓄えるための基礎が形成される。また、人やものとの関わりにおける自己表出を通して自我を形成するとともに、自分を取り巻く社会への感覚を養う。このようなことが幼保連携型認定こども園における教育及び保育の広い意味での役割ということができる。 就学前の施設として利用者である保護者と子どもと家庭での役割保育施設での役割をしっかりと認識して分担でもなく、共有しながら、互いに理解して活動に取り組みたく思います。さらに、子どもの自発的な活動を促す仕掛けも大切であり、あくまでもそのことは知識を蓄える基礎であり答えを指すことや結果を求めることでもないと考えられます。体操や跳び箱を何段飛んだとか計算ができるといったことを求めるものではないと受け止めています。あくまでもその礎となるような活動が求められています。
シリーズ幼保連携型認定こども園 34 2023/12/04 3 幼保連携型認定こども園の役割 乳幼児期の教育及び保育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な役割を担っているものであることを踏まえ、子ども・子育て支援に係る制度において、発達に応じた保護者の適切な関わりや、質の高い教育及び保育並びに子育ての支援の安定的な提供を通じ、その間の子どもの健やかな発達を保障することを目指して行われるものである。 また、乳児期における愛着形成を基礎とした情緒の安定や他者への信頼感の醸成、幼児期における他者との関わりや基本的な生きる力の獲得及び学童期における心身の健全な発達を通じて、園児一人一人がかけがえのない個性ある存在として認められるとともに、自己肯定感をもって育まれることが可能となる環境を整備することが、社会全体の責任である。さらに、子どもの最善の利益を第一に考える社会を目指すことを基本に、子どもが虐待、酷使、放任その他不当な取扱いから守られ、健やかな成長が図られる安全で安心な環境を整備することが必要である。幼保連携型認定こども園は、認定こども園法第2条第7項により、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとしての満3歳以上の子どもに対する教育並びに保育を必要とする子どもに対する保育を一体的に行い、これらの子どもの健やかな成長が図られるよう適当な環境を与えて、その心身の発達を助長するとともに、保護者に対する子育ての支援を行うことを目的として設置される施設である。すなわち、幼保連携型認定こども園においては、保護者の就労状況等により入園時期や在園時間の異なる子どもを受け入れる施設として、この時期の子どもに健やかな成長が図られるような適当な環境を整えることを意識しながら教育及び保育に当たらなければならない。加えて、幼保連携型認定こども園に在籍する園児の家庭のみならず、在宅の子育て家庭を含む全ての家庭及び子どもを対象にして、地域のニーズに応じた多様かつ総合的な子育ての支援を質・量両面にわたり充実させることが必要である。 まずもって乳幼児期の愛着関係が子どもの成長において大切であるということは言うまでもありません。そして大切に育てられている時間こそ自己肯定感にもつながると考えます。養育者の都合ばかりで子どもにとって本当に安心安全なのかも大切な要素です。「大切に育てられる」、社会全体としてしっかりと認識したいものです。