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園からの発信

Ⅱ 令和の日本型学校教育 35

2023/08/23

2.9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について

(4)義務教育を全ての児童生徒等に実質的に保障するための方策

②義務教育未修了の学齢を経過した者等への対応

○義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(教育機会確保法)第14条が規定するように,学齢経過者の中に義務教育の機会の提供を希望する者が多くいることを踏まえ,夜間中学については,教育のセーフティネットとして質・量共に充実していく必要がある。

○このため,全ての都道府県に少なくとも一つの夜間中学が設置されるよう,また,人口規模や都市機能に鑑み,全ての指定都市において夜間中学が設置されるよう促進することが重要である。

○また,多様な生徒に対応する夜間中学の実態を踏まえ,教員(養護教諭を含む)に加えて日本語指導補助者,母語支援員,スクールカウンセラー等の専門人材の配置を促進し,「チームとしての学校」を推進することにより,学校の指導・事務体制の効果的な強化・充実を進めることで,夜間中学の教育活動の充実や受け入れる生徒の拡大を図ることが必要である。

中学までの義務教育を修了していない人の数は国内で90万人近くに上ることが、2020年国勢調査(就業状態等基本集計)で分かった。このうち最終卒業学校が小学校の人が80万4293人で、小学校にも中学校にも在学したことがないなどの未就学者が9万4455人だった。「最終卒業学校が小学校」の調査項目は今回が初めてで、義務教育未修了者の実態がより詳しく明らかになった。文科省はこの調査結果を受け、都道府県教委、政令市教委に対して夜間中学の設置・充実に向けた取り組みの推進を図るよう求めた事務連絡(依頼)を発出した。

 

データによるとそのうち15~19歳が1,760人、20~24歳が2,632人。70歳代以上が96%を占めるそうです。戦中戦後の混乱期に相当数の若者が就学できなかった方々の理由と若者の未就学の理由には、不登校の問題が影響していると思われます。特に中学になっての不登校が増えるように思います。義務教育における小学校との違い、対応に違いの要因のあると感じます。小1プロブレム、中一ギャップ。対応や寄り添い方に違いもあるのではないでしょうか。さらには高校においても義務教育ではないがために起こる課題もあるのではと推察します。しかし今の時代です、多くが高校に進学し、さらに大学や専門学校に進学いていること、国も高校、大学進学に対しての奨学金や授業料の減免や無償化を始めています。それこそ学ぼうとすることに支援がある。意欲があれば、学び続けられる社会が必要です。戦中戦後学びたくても学べず、食べるためには働くしかなかった時代とは違います。

Ⅱ 令和の日本型学校教育 34

2023/08/22

2.9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について

(4)義務教育を全ての児童生徒等に実質的に保障するための方策

①不登校児童生徒への対応

○小中学校における不登校児童生徒数は平成24(2012)年度以降増加の一途を辿っており,令和元(2019)年度には181,272人,このうち90日以上欠席している児童生徒数は100,857人と不登校児童生徒数の約56%を占めるに至っている。

○不登校を減らすためには,学校が児童生徒にとって安心感,充実感が得られる活動の場となり,いじめや暴力行為,体罰等を許さず,学習指導の充実により学習内容を確実に身に付けることができるなど,児童生徒が安心して教育を受けられる魅力あるものとなることが必要である。

○また,現に不登校となっている児童生徒に対しては,個々の状況に応じた適切な支援を行うことにより,学習環境の確保を図ることも必要である。

○このため,スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの配置時間等の充実による相談体制の整備,アウトリーチ型支援の実施を含む不登校支援の中核となる教育支援センターの機能強化,不登校特例校の設置促進,公と民との連携による施設の設置・運営など教育委員会・学校と多様な教育機会を提供しているフリースクール等の民間の団体とが連携し,相互に協力・補完し合いながら不登校児童生徒に対する支援を行う取組の充実,自宅等でのICTの活用等多様な教育機会の確保など,子供たちが学校で安心して教育が受けられるよう,学校内外において,個々の状況に応じた段階的な支援策を講じるとともに,更に効果的な対策を講じるため,スクリーニングの実施による児童生徒の支援ニーズの早期把握や校内の別室における相談・指導体制の充実等の調査研究を進めていくことが必要である。

 

義務教育学校において不登校、保健室登校などその増加は驚く数です。しかも90日以上の長期欠席。その中は「学びたい」という児童生徒もいます。児童生徒が安心して教育を受けられる魅力あるものとは、個々に違うはずです。児童生徒の置かれている環境によって千差万別であります。過去の事例は通用しないこともあるのです。また、どこにこだわっているのかさえ把握もできなければ解決にはつながりません。そこに誰がどのようにかかわるのか。相談体制は必置ですが、どこまで理解することができるかによります。最悪なのは児童生徒の心に寄り添うことが第一なのですが、安易にフリースクールの紹介、自らの手から離れて欲しいような対応は、そもそもの信頼関係など結べません。排他的な対応など言語道断です。逆によくある「適切に対応しています。」これも言い訳にしか聞こえませんよね。一体何をしたのかさえ不明な対応。具体的な進捗や状況を見ながらのきめ細やかな対応が必要です。学ぶ権利を保障するためにICT化などの推進やもちろん寄り添うこと、フォローが大切なのです。人間味のある対応を期待したいですね。

 

Ⅱ 令和の日本型学校教育 33

2023/08/21

2.9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について

(3)義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方

②義務教育9年間を見通した教師の養成等の在り方

○また,一定の勤務経験を有する教師は一定の講習を受講することで他の学校種の教諭の免許状を取得することが可能だが,中学校教諭の免許状を保有する者が小学校で専科教員として勤務した場合の経験年数は,現状ではこの勤務年数として算定されていない。

○このため,中学校教諭の免許状を保有する者が小学校教諭の免許状を取得しやすくなるよう,小学校で専科教員として勤務した場合の経験年数を算定できるよう要件を弾力化する必要がある。

 

審議会が指摘している項目ですので、早急に改善されることが必要ですね。似たような話で、以前は保育園で働く職員の経験年数においても、幼稚園での勤務は含まないとされていましたが、今では教育機関での経験として経験に含まれるようになりました。幼稚園が保育園の勤務期間算定するかどうかは定かではありませんが、認定こども園では保育士資格と幼稚園教諭資格の両方の資格が必要とされ、経験は合算することができます。専科だけでは経験にならないって不思議なことですね。

 

 

Ⅱ 令和の日本型学校教育 32

2023/08/18

2.9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について

(3)義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方

②義務教育9年間を見通した教師の養成等の在り方

○現行制度においても,大学で最初に取得した教諭の免許状を基礎として,勤務経験と講習の受講の組み合わせによって他の学校種の教諭の免許状を取得することや,中学校教諭の免許状を保有する教員が小学校で当該免許状の教科を教えることが可能となるなど,教員免許状に係る学校間の垣根は低くなってきている。

○教科担任制の導入なども踏まえ,教師には,一層,学校段階間の接続を見通して指導する力や,教科等横断的な視点で学習内容を組み立てる力など,総合的な指導力を教職生涯を通じて身に付けることが求められる。このため,教員養成段階では,小学校教諭の免許状と中学校教諭の免許状の両方の教職課程を修了し,両方の免許状を取得することが望ましいが,2つの教職課程を同時に学生に求めることは学習範囲も広範にわたり,負担が大きい。

○このため,従来,小学校と中学校の教職課程それぞれに開設を求めていた授業科目を共通に開設できる特例を設けることにより,学生が小学校と中学校の教諭の免許状を取得しやすい環境を整備する必要がある。

 

教員資格取得ってとても大変なのですね。更に教育実習はとても大変だといった報道もあります。高い志と明確な目標、使命感など敬服します。そのうえで現場に出て多様化する児童生徒や家庭環境への対応など日々の授業のみならず、多くの課題を解決していかなければならない教職員です。負担は何なのか、負担をなくすには何が必要なのか現場の実情を把握しての対応を望みたいですね。

 

Ⅱ 令和の日本型学校教育 31

2023/08/17

2.9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について

(3)義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方

①小学校高学年からの教科担任制の導入

○新たに専科指導の対象とすべき教科については,既存の教職員定数において,学校規模に応じて音楽,図画工作,家庭,体育を中心とした専科指導を実施することが考慮されていることや,地域の実情に応じて多様な実践が行われている現状を踏まえ,これらの点に引き続き配慮することに加えて,系統的な学びの重要性,教科指導の専門性といった観点から検討する必要がある。その上で,グローバル化の進展やSTEAM教育の充実・強化に向けた社会的要請の高まりを踏まえれば,例えば,外国語・理科・算数を対象とすることが考えられる。当該教科の専科指導の専門性の担保方策や専門性を有する人材確保方策と併せ,教科担任制の導入に必要な教員定数の確保に向けた検討を進める必要がある。

 

学校規模によって教職員配置が違うのですね。小さな規模ほど多く人の配置がない。大規模だと教科担任と学級担任の配置に加え、他職員の配置もできる。これは就学前施設でも同じなのです。小規模だからより身近に教員と児童生徒の距離が近まるものの、学習教科の専門性を問われると教員の負担につながる。逆に大規模だと一人一人の生活面や福祉的要素にどこまで関係性を気付けるかといったこともあろうかと思います。どの地域、児童生徒の数に関係なく、繰り返しますが、視点は寄り添う支援ができるかが大切ではないだろうかと感じます。

 

 

 

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