幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 31 2024/11/12 (2)目指す方向性 ①幼児教育の特性に関する認識の共有 ○ 幼児期は身体と感覚・感性を通じた体験が必要な時期であることや、幼児教育はいわゆる早期教育や小学校教育の前倒しではなく、子供が主体的な遊びの中で試行錯誤し考えたり、先生の関わりや環境の構成を工夫したりすることにより、「主体的・対話的で深い学び」を実現していることなど、遊びを通して学ぶという幼児教育の特性について、様々な研究や実践の成果に基づく知見を活用して幅広く伝えながら、社会や小学校等と共通認識を図っていくことが重要である。 ○ 例えば、いわゆる認知能力と非認知能力は相互に関連し、支え合って育っていくと言われている。子供の体験の幅を広げ、質を深めるための関わりや環境の構成に取り組むことが求められ、その際、言語や数量等との出会い、人やものとの関わりなどの中で感じたこと等も、子供にとっては貴重な体験であるということを認識することが大切である。 ○ また、教育が有する文化の伝達・継承機能を意識することが大切である。日常生活や自然の移り変わりに根差した言葉遊びなどを通 して、楽しみながら豊かな言葉や表現に触れる機会を つくるなどの配慮が重要となる。 例えば、 絵本や物語の読み聞かせなどを通して言葉に親しむことや、 子供が興味を持つような言葉の響き・リズムの面白さや身体を使った表現との組合せなどを生かした工夫をしつつ、日本語の伝統にある名文等の豊かな文章や表現の響きに親しむようにすることは、楽しい言葉や美しい言葉との出会いを通して言葉の感覚を身に 付けることにつながっていくと考えられる 。 幼児教育の特性に関する認識の共有こそ長年の懸念なのです。保育園イコール預かるところ。3歳からは幼稚園で学校教育。保育所からの入学者と幼稚園からの入園で違いがあるのでしょうか。今や3療育と言って幼稚園、保育園、認定こども園と就学前の教育保育については整合性を取り、取り組まれています。小学校の前倒し教育よりも非認知能力の芽生えこそ大事なのです。さらに就学前の保育においては履修主義とか修得主義の何かができるのはなく、できること知っていることをどう生かし、協働して展開することができるかにつなげるかが大切です。机に座って学ぶといった体系ではなく、遊びを通して学ぶ礎が大切であり、傍目には遊んでいるとしかとらわれていないことを保育の実践においても、まとめて社会に周知していくことも大切です。さらに「日本語の伝統にある名文等の豊かな文章や表現の響きに親しむようにすることは、楽しい言葉や美しい言葉との出会いを通して言葉の感覚を身に 付けることにつながっていく」とした表現当たり前のようで今一度見直したいことです。正しい言葉を使う、言葉で表現することの大切さ、友達言葉や極端な表現ではなく美しい言葉の礎となる体験も大切です。