Ⅱ 令和の日本型学校教育 1 2023/07/04 随分と長い連載ですが教育保育について園からの発信を続けさせてください。文科省に対する中央教育審議会(中教審)からの答申書についての連載です。このことを基にこれからの日本の教育の基軸となります。公教育だけでなく幼児教育にも言及してあり、就学前の保育施設においても理解すべき内容なのです。学びつつ実践に結び付けていきたいと考えています。 第Ⅱ部 各論 1.幼児教育の質の向上について (1)基本的な考え方 ○幼児教育は,生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものである。また,学校教育の始まりとして幼稚園では,義務教育及びその後の教育の基礎を培うことを目的としている。 ○しかし,急速な少子化の進行,家庭及び地域を取り巻く状況の変化等が複合的に絡み合い,幼児の生活体験が不足しているといった課題も見られる。幼稚園,保育所,認定こども園といった各幼児教育施設においては,集団活動を通して,家庭や地域では体験し難い,社会・文化自然等に触れる中で,幼児期に育みたい資質・能力を育成する幼児教育の実践の質の向上に一層取り組んでいく必要がある。 ○とりわけ,新型コロナウイルス感染症への対応をとりつつ,子供の健やかな育ちをいかに守り支えていくかが今日の課題となっており,こうした課題にも的確に対応するため,教育環境の整備も含めた幼児教育の内容・方法の改善・充実や,幼児教育を担う人材の確保・資質及び専門性の向上,幼児教育を推進するための体制の構築等の取組を進めることが必要である。 幼児教育の質の向上については,文部科学省において設けられた「幼児教育の実践の質向上に関する検討会」にて取りまとめられています。文科省の管轄においては学校教育、幼児教育は満3歳からとされていることが変わりません。子どもの教育とは生まれた時から、さらには胎児のときから「おなか」を通して響いていることから、今では生まれる前からの教育と捉えることもできます。教え込む教育を3歳からとしていた時代から本来は変わらなければならない捉え方なのでしょう。保育所、幼稚園、認定こども園の教育は整合性を取っていることを鑑みるならば、学校教育で取り組もうとしている答申を学ぶ必要があります。 これからの教育保育の根幹です。文科省が提示をして、すべての学校教育にて取り組むべき考え方です。教育にかかわるもの、保護者もしっかり把握していかなければならないことかと感じています。昭和の時代のように学校にお任せしますではなく、子どもを人として一人の人間として尊重し、寄り添い、支える立場であります。