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2024年 12月

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 59

2024/12/20

③幼児期の教育の質保障のために必要な人材確保・定着等

(ウ)幼児教育施設の勤務環境の改善

(外部専門職等の積極的活用)

○ 近年、貧困、虐待等の様々な家庭環境の子供や障害のある子供、外国籍等の子供など、特別な配慮や支援等を必要とする子供への対応が増加しており、幼児教育施設においては、子供に応じたきめ細やかな対応が求められている。しかし、幼児教育施設は小学校等と比較して小規模な施設であり、幼児教育施設の先生や職員のみで課題を解決することは極めて困難になってきている。また、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門職の定期的・継続的な活用も十分とは言えず、家庭環境を含む子供の多様性を受け入れて適切に対応することが難しい状況となっている。

○ このため、これからの幼児教育施設においては、心理や福祉、障害等について専門的な知見を有する者を積極的に活用し、幼児教育施設の取組内容の充実を図っていくことが重要である。具体的には、これらの者を職員として雇用することやアドバイザー等として契約すること等により、多様な人材が幼児教育施設で活躍することやそれぞれの専門性を発揮してもらうことで組織を活性化することが期待される。

○ 地方自治体においては、地域の幼児教育に関する課題へ的確に対応するため、保健、医療、福祉等の専門職をはじめとした人的体制の充実を図ることが重要である。さらに、幼児教育アドバイザーと連携して、幼児教育施設における課題やニーズに対応した専門職の派遣を積極的に行い、支援することが期待される。

 

国や自治体には専門職の配置やアドバイスを受けることのできるよう配慮いただきたいですね。今はそのような機会さえない、そもそも幼児教育を主体としたカウンセラーの存在がほとんどないのですから。充実したより質の高い保育を実施するのであれば、積極的な財政支援が必要であり、養成も必要です。そのことは質の高い幼児教育に繋がり学校との懸け橋にもつながるのですから。保育者にこれ以上の負担がかからない専門職の配置ができることがこれからの幼児教育施設に求められるのではないでしょうか。

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 58

2024/12/19

③幼児期の教育の質保障のために必要な人材確保・定着等

(ウ)幼児教育施設の勤務環境の改善

○ 幼児教育施設の先生がワーク・ライフ・バランスを実現しながら、生き生きとやりがいや充実感を持って働ける勤務環境とすることが重要である。国においては、幼児教育施設における管理職等のマネジメント能力やリーダーシップの向上等による勤務環境の改善を図るとともに、先生の働き方改革を推進することが必要である。

(管理職等のマネジメント能力・リーダーシップの向上)

○ 幼児教育施設の先生の資質・能力の向上を図り、その能力を十分に発揮できる環境を整備するためには、管理職等のマネジメント能力やリーダーシップの向上を図ることが重要である。

○ 管理職がリーダーシップを発揮し、園風土の改善に努めれば、先生の人間関係に関わる負担感を低下させ、さらにそれを通して職務満足感を引き上げる可能性、また先生の保育の質を引き上げる可能性が高いとの研究成果もあり、地方自治体においては、このような研究成果等も踏まえながら、管理職等に対する研修の充実を図ることが求められる。

○ 特に、主体的な特色ある園づくりが求められている中では、幼児教育施設の教育目標の実現に向けて、先生が一体となった組織的な運営が必要であり、ミドルリーダーや若い先生が主体性を持って活躍できる勤務環境となるよう、管理職が果たす役割は重要となっている。さらに、幼児教育施設の特質として、例えば一人の子供に対して多くの先生が関わっているなど、教育活動の成果については組織的な活動の結果として捉える必要があるという点からも、管理職の役割は重要となる。

 

この記述から読み取れるものとして、職員のワークライフバランスの実現をするには職員数を増やす必要があります。例えば職員が出産育児中の時期だけしか雇えないのが現状です。時間短縮時の対応は、不足する時間だけ働いてくれる職員を配置するだけでいいのでしょうか。そんな都合よく働いてくれる職員がいるのでしょうか。管理職としては負担軽減のためにもう一人職員を配置したいがその費用はないのです。配置基準以上の配置は各施設の努力であるのです。机上の空論、絵に描いた餅では保育現場は運営できないことを知って欲しいですね。

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 57

2024/12/18

③幼児期の教育の質保障のために必要な人材確保・定着等

(イ)幼児教育の研修の体系化

○ 幼児教育の研修には、外部研修と園内研修、さらには法定研修や幼児教育関係団体等が実施する研修など様々な研修があるが、地方自治体においては、担当部局や幼児教育関係団体等と連携を図りながら、施設類型、幼児教育施設での役割、経験年数等に応じて先生に求められるスキルや資質・能力を明確化し、関連する研修内容を体系的に整理して示すことが重要である。

○ 受講者の立場からも、限られた時間の中で効果的に研修を受けるためには、いつどのような研修が実施され、自己のキャリア形成から見た時にどのような研修に参加するのがよいかが明確であることが大切である。

○ なお、日々の教育実践や対話の中で経験知として習得する知識・技能のように、体系化が難しいものが存在することにも留意が必要である。このようなものについては、日々の勤務において管理職や先輩からの指導・助言等を通じて着実に習得できるよう、先生同士で様々なことを気軽に相談できる風通しの良い職場風土づくりや時間的余裕を確保することが望まれる。

○ また、研修の参加促進に向けては、参加対象者のみならず管理職に対しても研修の重要性を周知するとともに、働き方改革の推進による研修時間の確保、遠隔地や隙間時間に視聴できるオンライン研修の開発等を進めることが必要である。さらに、幼児教育施設や先生から希望する研修テーマ等を聞き取り、ニーズを踏まえた研修を企画することで、研修への参加を促進することも重要である。

○ なお、実際の保育を見て、気付きの点等について話し合うような研修については、オンラインでは実施しにくいものもあるため、eラーニングやオンライン研修だけでなく、対面での研修も組み合わせて実施することが必要である。

 

日々の保育が多忙化しています。役割が増えてきたこと、子どもや家庭の多様化、個々の対応、昔のような一斉画一した保育から個々の発達に応じた保育が求められる中での研修活動に割く時間が無くなってきたとは事実です。一人ですべての役割をこなしていく時代でもなく、多くの職員の相互協力によって保育は進められる出来であり、そのためには職員の配置の充実は欠かせないものです。そのことがあって初めて研修等の時間が確保されます。学校のように研修会のために休校などができないのが保育の現場なのです。保育現場の実情をしっかり踏まえての配慮をお願いしたいと思います。まずは余裕のある職員配置が可能な制度にしてもらう必要があります。もちろん子供の成長に寄り添えるこの上ない職業であることの魅力も発信していく必要があります。

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 56

2024/12/17

③幼児期の教育の質保障のために必要な人材確保・定着等

(ア)優れた幼児教育の人材確保・定着

○ 質の高い幼児教育を提供するためには、地方自治体が子供と接する者を養成する大学等(以下、「養成校」という。)と連携して、幼児教育に携わる人材の確保や資質・能力の向上に取り組むことが期待される。

○ このため、国においては処遇改善等の必要な施策を引き続き実施するとともに、地方自治体においては幼児教育関係団体や養成校と連携し、新規採用の促進、離職防止・定着促進、離職者の再就職の促進といった総合的な人材確保策を推進していくことが必要である。

○ 特に幼児教育の道を志す人材を増やすためには、養成校が中心となり、中高生の段階から幼児教育施設の現場体験や養成校の学生との交流等の取組を通じて、中高生や中学校・高等学校の先生等に対して、幼児教育施設の先生という職が子供の成長を育むという非常に重要で魅力的な職業であることを伝えていくことが重要である。また、幼児教育の実践や幼児期の子供の学びの「見える化」を通じて、先生の専門性や魅力を発信し、社会と共有することも必要である。

○ さらに、一層の専門性の向上の観点から、養成校におけるリカレント教育を通じて、先生に対して計画的に学び直しの機会を提供することも重要である。

 

この部分の記述は、養成校の役割でしょうが、保育現場の協力が大切であります。養成校においても在学期間だけではなく入る前、在学中、卒業後も保育現場と協力連携して保育者の養成と成長を支えることに協力していかねばなりません。

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 55

2024/12/16

②架け橋期の教育の質保障のために必要な人材育成等

(エ)幼保小の架け橋プログラムの推進

○ 地域においては、架け橋期の教育の充実を図るため、幼保小の先生はもとより、保護者や地域住民等の子供に関わる大人が立場の違いを越えて自分事として連携・協働し、この時期にふさわしい主体的・対話的で深い学びの実現を図り、一人一人の多様性に配慮した上で、全ての子供に学びや生活の基盤を育むことを目指し、手引きを参考にしながら、幼保小の架け橋プログラムを推進することが必要である。その際、地域の実情に応じて、特別支援学校や認可外保育施設等の参画も得ながら進めることが必要である。

○ また、本プログラムの実施に当たっては、以下のような子供の学びや生活に関することやプログラムの実施に関することについて、関係者で共通理解を図りながら進めるとともに、関係者と共に振り返りながら改善を図っていくことが重要である。

【子供の学びや生活に関すること】

・架け橋期を通じて育みたい資質・能力

・「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」

・特別な配慮を必要とする子供を含む全ての子供のウェルビーイングへの配慮

・子供の学びにおける先生や大人の役割

【プログラムの実施に関すること】

・幼保小の連携・接続により主体的・対話的で深い学びを実現すること

・設置者・施設類型・学校種を越えた対話、協働、発信を行うこと

・実質的な話し合いや実践を重視すること

・ICTやオンライン等の活用による負担軽減や時間の効率的使用を図ること

・持続的・発展的な取組とすること

・形式的な取組とならないよう、子供の姿を起点とした取組を推進すること

 

子どもが通っている就学前の施設からの聴き取り、接続のための時間を互いに持つことと共に、刷り込みや決めつけではない対応を互いにしなければなりません。ただし、保育所、幼稚園、認定こども園は教育保育の実施施設です。認可外施設等は預かり施設として位置づけられており、学校が把握しようとしている3要領に関係ない施設であることを踏まえ、違和感はあるのは実感です。しかしながらどういった施設であっても質が確保され子どもの成長を支える視点で対応できなければ参画しても難しい。逆に3施設においてはさらなる役割、質の向上が求められることを踏まえなければなりません。

 

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