59 「令和の日本型学校教育」の姿 15 2023/05/18 『特別支援教育 ○ 幼児教育,義務教育,高等学校教育の全ての教育段階において,障害者の権利に関する条約に基づくインクルーシブ教育システムの理念を構築することを旨として行われ,また,障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)や,今般の高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)の改正も踏まえ,全ての子供たちが適切な教育を受けられる環境を整備することが重要である。 ○ こうした重要性に鑑み,障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に教育を受けられる条件整備が行われており,また,障害のある子供の自立と社会参加を見据え,一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できるよう,通常の学級,通級による指導,特別支援学級,特別支援学校といった,連続性のある多様な学びの場の一層の充実・整備がなされている。 ⑤各学校段階を通じた学び ○ 幼児教育から小学校,中学校,高等学校,大学・社会といった段階を通じ,一貫して,自らの将来を見通し,社会の変化を踏まえながら,自己のキャリア形成と関連付けて学び続けている。』 インクルーシブ教育システム(inclusive education system)とは、人間の多様性の尊重等を強化し、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能にするという目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みです。そこでは、障害のある者が一般的な教育制度(general education system)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」(reasonable accomodation)が提供されること等が必要とされています。 また、報告では、インクルーシブ教育システムにおいては、同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要である、小・中学校における通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある「多様な学びの場」を用意しておくことが必要である、とされています。