教育振興基本計画23 2025/02/27 Ⅱ.今後の教育政策に関する基本的な方針 ① グローバル化する社会の持続的な発展に向けて学び続ける人材の育成 (マルチステージの人生を生涯にわたって学び続ける学習者の育成) ○人生100年時代は、同一年齢での単線的な学びや進路選択を前提とした人生のモデルから、一人一人の学ぶ時期や進路が複線化する人生のマルチステージモデルへと転換することが予測されている。こうした社会の構造的な変化に対応するため、学校教育における学びの多様化とともに、社会人の学び直し(リカレント教育)をはじめとする生涯学習の必要性が高まっている。 職業に直結した学びのほかにも、ライフステージの変化(例えば結婚、出産、育児、介護、病気、退職など)に応じて生じる様々な悩みの中で、「人生を豊かにするための学び」や「他者との学びあい」を身近なものとすることが重要である。また、高齢者を年齢によって画一的に捉えることなく、第二の人生を生きる個人の意欲や能力を生かすエイジフリーな社会に対応した学習機会の確保も重要であり、国や地方公共団体等は個人が生涯にわたって学習する機会を得られるよう条件を整備する必要がある。 ○生涯学習社会を実現するためには、まず、生涯にわたって学び続ける学習者としての基盤を学校教育等において培うことが重要である。初等中等教育や高等教育において、学習内容を人生や社会の在り方と結び付けて深く理解することや、興味・関心を喚起する学びを提供することなどにより、学びを習慣化し、生涯にわたって能動的に学び続けるための態度を涵養することが重要である。また、地域における社会教育を通じて、地域のつながりの中で体験的に学び、地域における様々な活動に積極的・主体的に関わる意識を高め、それを生涯にわたって実践していくことが望ましい。さらに、公開講座や文化・スポーツ活動など、大学が有する地域における学びの拠点としての機能も重要である。 ○また、生涯学習の推進に当たっては、ICTの活用などによる柔軟な学習機会の一層の充実を図る必要がある。さらに、学校教育と社会教育が連携することも重要であり、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進により、学校と地域住民が連携・協働することで、子供たちの学びの場を学校から地域社会に広げ、次世代の社会の担い手としての成長を支えていくことが求められる。