こども大綱32 2024/04/24 (6)児童虐待防止対策と社会的養護の推進及びヤングケアラーへの支援 (児童虐待防止対策等の更なる強化) 児童虐待は、こどもの心身に深い傷を残し、成長した後においても様々な生きづらさにつながり得るものであり、どのような背景や思想信条があっても許されるものではない。一方で、虐待に至った親にも自らの被虐待経験や、貧困、疾病、障害等の様々な困難が背景にある場合が多いという現実もあり、子から親になった養育者自身が置かれている困難に対する支援を社会全体で提供することにより、どのような困難があってもこどもへの虐待につながらないようにしていく必要がある。虐待相談対応件数の増加など、子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化してきている状況等を踏まえ、子育てに困難を抱える世帯に対する包括的な支援体制の強化を行う。 虐待は決して許されるものではないが、あらゆる子育て当事者が無縁ではないという認識の下、不適切な養育につながる可能性のある家族の支援ニーズをキャッチし、こどもや家庭の声を、当事者の文脈を尊重して受け止め、子育ての困難や不安を分かち合うことで、子育てに困難を感じる家庭、こどものSOSをできる限り早期に把握し、具体的な支援を行う必要がある。このため、こども家庭センターの設置や訪問家事支援等の家庭支援、こどもや親子の居場所支援の推進等を行うとともに、市町村の支援の中心となるこども家庭センターが、地域の保育所、学校などや支援の担い手である民間団体を含め、要保護児童対策地域協議会などの地域のネットワークと一体となって継続的に支え、虐待予防の取組を強化する。 また、虐待による死亡事例(心中以外)の約半数を0歳児が占め、さらにその多くを月齢0カ月児が占めている現実を踏まえ、孤立した環境の中で予期せぬ妊娠に悩む若年女性等に対する相談・日常生活の支援や関係機関との調整等の支援の強化に取り組むとともに、こうした支援の存在が、予期せぬ妊娠に悩む若年女性などの支援を必要としている本人に届くよう、相談窓口の周知などに取り組む。 乳幼児の虐待ということに心を痛めます。特に生後間もない乳児の虐待による死亡例の報告については妊娠期、出産期の手厚い支援や相談の充実と把握が大切です。妊娠出産の困り感にいち早く支援する体制や把握の体制が必要です。中には望まない妊娠、予期せぬ妊娠によって不幸なことにつながりかねません。寄り添い、親身に相談に乗る窓口の周知は大々的に必要です。まずもって児童虐待を未然に防ぐ社会、制度、支援が必要です。