教育・保育要領解説16 2024/01/04 ③遊びを通しての総合的な指導 イ 総合的な指導 遊びを展開する過程においては、園児は心身全体を働かせて活動するため、心身の様々な側面の発達にとって必要な経験が相互に関連し合い積み重ねられていく。つまり、乳幼児期には諸能力が個別に発達していくのではなく、相互に関連し合い、総合的に発達していくのである。 例えば、園児は自分の見たことや考えたことなどを自分なりに捉えたまま言葉にするため、その場にいなかった他の園児にはなかなか伝わらないことが多い。しかし、友達と一緒に遊ぶ中で、コミュニケーションを取ろうとする意識が高まり、次第に状況に依存しない言語で表現する力が獲得されていく。 言語能力が伸びるにつれて、言語により自分の行動を計画し、制御するようになるとともに、自己中心的な思考から相手の立場に立った思考もできるようになる。こうして社会性、道徳性が培われる。そのことは、ますます友達と積極的に関わろうとする意欲を生み、さらに、友達と遊ぶことを通して運動能力が高まる。そして、より高度で複雑な遊びを展開することで、思考力が伸び、言語能力が高まる。象徴機能である言語能力の発達は、見立てやごっこ遊びという活動の中で想像力を豊かにし、それを表現することを通して促される。このように、遊びを通して園児の総合的な発達が実現していく。 乳幼児期には諸能力が個別に発達していくのではなく、相互に関連し合い、総合的に発達していくと記載されています。保育者と関わり、友達と関わり、刺激しあって子どもの成長は促されるものです。関わりこそ社会性の始まりとも思います。互いに気持ちがぶつかることもあるでしょう、しかしそれ以上に共鳴や共感、共同性、協調性も促されるものと思います。個別の対応と共にこども集団によって学んでいくことの大切さも認識して活動を行っていきたいと思います。