Ⅱ 令和の日本型学校教育 42 2023/09/01 4.新時代の特別支援教育の在り方について (1)基本的な考え方 ○特別支援教育は,障害のある子供の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち,子供一人一人の教育的ニーズを把握し,その持てる力を高め,生活や学習上の困難を改善又は克服するため,適切な指導及び必要な支援を行うものである。また,特別支援教育は,発達障害のある子供も含めて,障害により特別な支援を必要とする子供が在籍する全ての学校において実施されるものである。 ○一方で,少子化により学齢期の児童生徒の数が減少する中,特別支援教育に関する理解や認識の高まり,障害のある子供の就学先決定の仕組みに関する制度の改正71等により,通常の学級に在籍しながら通級による指導を受ける児童生徒が大きく増加しているなど,特別支援教育をめぐる状況が変化している。また,今般の新型コロナウイルス感染症の拡大による臨時休業により特別支援学校を始めとする学校が障害のある子供にとってのセーフティネットとしての役割を果たすなど,社会全体で特別支援教育が果たしている機能や役割等が再認識されるとともに,特別支援学校等だけでその全ての期待に応えることの難しさなど,今後の課題も明らかになりつつある。 ○また,障害者の権利に関する条約に基づくインクルーシブ教育システムの理念を構築し,特別支援教育を進展させていくために,引き続き,障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に教育を受けられる条件整備,障害のある子供の自立と社会参加を見据え,一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できるよう,通常の学級,通級による指導,特別支援学級,特別支援学校といった,連続性のある多様な学びの場の一層の充実・整備を着実に進めていく必要がある。 (2)障害のある子供の学びの場の整備・連携強化 (3)特別支援教育を担う教師の専門性向上 (4)関係機関の連携強化による切れ目ない支援の充実 身体的な障がいや支援が必要な乳幼児については早期から支援することが進められています。もちろん年齢等により集団生活の大切さもあり、学校教育現場だけでなく、就学前の施設においてもインクルーシブ教育がようやく浸透してきました。しかしその本質をしっかりと理解し、個別に対応していく必要もあります。ただ単に一方的に支援するだけでなく、個々の状況により、必要に応じて、援助、支援していくこと、さらには専門機関での機能支援と共に取り組み、一人一人が社会で過ごせるような支援の方法を探り、周りが共有して子ども理解をしていくことが大切です。そこにはそれまで対応してきた経験も必要ですが、目の前の子どもに対して個別に対応できるかも課題です。専門的知識、人の配置など国や自治体においての手厚い支援も必要です。熊本市においても施設が整備されてきましたね。