Ⅱ 令和の日本型学校教育 29 2023/08/15 2.9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について (3)義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方 ①小学校高学年からの教科担任制の導入 ○義務教育の目的・目標を踏まえ,育成を目指す資質・能力を確実に育むためには,各教科等の系統性を踏まえ,学年間・学校間の接続を円滑なものとし,義務教育9年間を見通した教育課程を支える指導体制の構築が必要である。 ○児童生徒の発達の段階を踏まえれば,児童の心身が発達し一般的に抽象的な思考力が高まり,これに対応して各教科等の学習が高度化する小学校高学年では,日常の事象や身近な事柄に基礎を置いて学習を進める小学校における学習指導の特長を生かしながら,中学校以上のより抽象的で高度な学習を見通し,系統的な指導による中学校への円滑な接続を図ることが求められる。 ○また,多様な子供一人一人の資質・能力の育成に向けた個別最適な学びを実現する観点からは,GIGAスクール構想による「1人1台端末」環境下でのICTの効果的な活用とあいまって,個々の児童生徒の学習状況を把握し,教科指導の専門性を持った教師によるきめ細かな指導を可能とする教科担任制の導入により,授業の質の向上を図り,児童一人一人の学習内容の理解度・定着度の向上と学びの高度化を図ることが重要である。 教科担任制の導入は進んでいるようです。学習理解度からすると教科担任制をとることは優位だと思いますが、何度も繰り返しますが児童生徒の置かれている状況を踏まえた生活面の支援を担当するのは誰なのか。学級担任がいて成り立つことです。ただこれだけ多様化する児童生徒すべての環境に対応しつつ全教科を教えることに無理が出てきたことは明らかなのです。もっと教員業務への支援が必要です。そのことが一人一人の児童生徒に向き合うことができるのではないでしょうか。教科担任制だけでなく、学級担任の役割も負担軽減と共に大切にして欲しいですね。