Ⅱ 令和の日本型学校教育 20 2023/08/01 2.9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について (2)教育課程の在り方 ○小学校中・高学年以上の指導においては,各教科等の内容を,徐々にその中核的な概念を使って指導することにより,見方・考え方が鍛えられていくことを踏まえることが重要である。また,体験活動と教科の内容との関連付けを自覚的に行えるように指導することが重要である。 ○平成28年答申においても,小学校高学年においては「子供たちの抽象的な思考力が高まる時期であり,教科等の学習内容の理解をより深め,育成を目指す資質・能力の育成に確実につなげるためには,指導の専門性の強化が課題となっている」とした上で,「専科指導の充実は,子供たちの個性に応じた得意分野を伸ばしていくためにも重要である」とされている。 ○このため,小学校高学年への教科担任制の導入や,小学校と中学校や中学校と高等学校など学校段階間の連携の強化,外部人材の配置や研修の導入などが必要である。 ○また,発達の段階にかかわらず,児童生徒の実態を適切に捉え,その可能性を伸ばすことができるよう環境を整えていくことも重要である。例えば,児童生徒の学習意欲を向上する観点からは,教科等を学ぶ本質的な意義や学習状況を児童生徒に伝えること等が重要となる。また,学習内容の理解を定着する観点からは,単に問題演習を行うだけではなく,内容を他者に説明するなどの児童生徒同士の学び合いにより,児童生徒が自らの理解を確認し定着を図ることが,説明する児童生徒及びそれを聞く児童生徒の双方にとって有効であり,授業展開として重要であると考えられる。 まず認識しておかなければならない事項は、9年間の義務教育であって、その後多くの生徒は高等学校へ進学をしています。そしてさらには上級学校、大学や専門学校へ進学をしているのが現状です。ただし、高等学校については普通科だけではなく実業学校への進学もあるわけで、義務教育につながる基礎を培う就学前の施設との連携、義務教育終了後の高等学校との連携が重要な点であることと同時に、児童生徒の意思をもっとしっかりと受け止め支援する連携体制も必要ではないだろうかと感じているところです。そのうえで小学校高学年に教科担任制を設けるなど、学びを深めることについては専科の先生の授業がとても有効だとも思いますが、義務教育の段階では、どうしても個々の家庭環境を知りえるといった視点、福祉的要素も忘れてはならない事項であり、その点を上級学校や高等学校へどうつなぐかが欠けてしまうと進学しても生徒自身が不安や家庭も不安となることもあるのではと感じます。やはり義務教育の段階で、学級担任の役割もとても大切であり、薄くなってほしくはないと感じています。学年すべての担当の先生に対してみんなで担任とされるケースが増えてきた、ともされています。合う先生話しやすい先生に、といっても十分に生徒の実情を理解してもらえるかどうか不安ですよね。義務教育終了して社会に出る生徒もいるわけで、しっかりと向き合うことも必要ではないかと思います。