Ⅱ 令和の日本型学校教育 15 2023/07/25 2.9年間を見通した新時代の義務教育の在り方について (1)基本的な考え方 ○義務教育は,憲法や教育基本法に基づき,全ての児童生徒に対し,各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎や,国家や社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的とするものである。社会が劇的に変化し先行き不透明な時代だからこそ,人材育成の基盤である義務教育は一層重要な意義を持つものであり,我が国のどの地域で生まれ育っても,知・徳・体のバランスのとれた質の高い義務教育を受けられるようにすることが国の責務である。 ○中央教育審議会の答申を踏まえ,平成18(2006)年の教育基本法改正により義務教育の目的が定められ(第5条2項),続く平成19(2007)年の学校教育法改正により小・中学校共通の目標として義務教育の目標規定が新設(第21条)された。また,平成27(2015)年の学校教育法の改正等により小中一貫教育制度が整備され,各地域において小中一貫教育の取組みが進展しつつある。このような中,新学習指導要領の着実な実施により義務教育の目的・目標を達成する観点から,小学校6年間,中学校3年間と分断するのではなく,9年間を通した教育課程,指導体制,教師の養成等の在り方について一体的に検討を進める必要がある。 児童生徒に質の高い義務教育を9年間で考える方策が示されています。カリキュラムについても長いスパンでとらえることは有効であると感じます。どんどん進む子、ゆっくりと進む子、それぞれに寄り添う対応が図れるならば、急がずゆっくりの子ども達にも有効だと思います。ただし学校間での違いをどう解決していくのかも検証しなければなりません。モデル事業で中高一貫教育などずいぶんと取り組まれ、ノウハウも出てきたと思いますが、全ての児童生徒に寄り添うことができるのか、一定の基礎能力を持った児童生徒しか対応できないのか、多様化する子どもたちの現状を網羅できるのかもしっかり検証して欲しいですね。