MENU CLOSE
TEL

園からの発信

シリーズ幼保連携型認定こども園 19

2023/11/10

1 乳幼児期の特性

(2) 乳幼児期の発育・発達

① 発達の捉え方

人は生まれながらにして、自然に成長していく力と同時に、周囲の環境に対して自分から能動的に働き掛けようとする力をもっている。自然な心身の成長に伴い、人がこのように能動性を発揮して環境と関わり合う中で、生活に必要な能力や態度などを獲得していく過程を発達と考えることができよう。

生活に必要な能力や態度などの獲得については、どちらかというと大人に教えられたとおりに園児が覚えていくという側面が強調されることもあるが、乳幼児期には、園児自身が自発的・能動的に環境と関わりながら、生活の中で状況と関連付けて身に付けていくことが重要である。したがって、生活に必要な能力や態度などの獲得のためには、遊びを中心とした生活の中で、園児が自らの生活と関連付けながら、好奇心を抱くこと、あるいは必要感をもつことが重要である。

園児の心身の諸側面は、それぞれが独立して発達するものではなく、園児が周囲の人やものと関わり、友達と体を動かして遊びを展開するなどの中で、それぞれの側面が相互に関連し合うことにより、発達が成し遂げられていくものである。

園児の発達は連続的ではあるが常に滑らかに進行するものではなく、ときには、同じ状態が続いて停滞しているように見えたり、あるときには、飛躍的に進んだりすることも見られる。

さらに、このような発達の過程の中には、ある時期には身に付けやすいが、その時期を逃すと、身に付けにくくなるものもある。したがって、どの時期に何をどのような方法で身に付けさせていくべきかという適時性を考えることは、園児の望ましい発達を促す上で、大切なことになる。ここでの適時性とは、長期的な見通しに立った緩やかなものであり、人間は生涯を通して発達し続ける存在であることから、その時期を過ぎたら、発達の可能性がないというような狭い意味のものではない。

 

子どもの成長においてどんどん進んでいくように見えるもの、ゆっくりに見えるもの、それは環境と経験に差があるからといった見方もあります。経験のないもの、したことがあるものによってその後の展開も変わるものです。だからこそどういった経験が子どものどういった成長につながるのか、また、助長することになるのか、子ども自身のものになるのかなどしっかり考え、またその時の子どもの対応をも踏まえ成長を支えていきたいですね。ですから指針では年齢区分を乳児、1歳半から3歳未満、3歳以上といった大きな括りで捉えています。0歳児、1歳児2歳児とそれぞれの姿はあるものの、年齢によって「こうしなさい!」「ああしなさい!」とは記述していません。同じ学年でも月齢は12か月も違うのですから、同じにするようにすれば月齢による差は明らかに違います。同じことを同じようにさせるには無理もあります。個々の子どもの成長をゆっくり支える視点が必要です。

 

 

top