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園からの発信

教育・保育要領解説9

2023/12/20

(2) 環境を通して行う教育及び保育

③ 環境を通して行う教育及び保育の特質2

したがって、環境を通して行う教育及び保育は、遊具や用具、素材だけを配置して、後は園児に任せるといったものとは本質的に異なるものである。もとより、環境に含まれている教育的及び保育的価値を保育教諭等が取り出して直接園児に押し付けたり、詰め込んだりするものでもない。環境の中に教育的及び保育的価値を含ませながら、園児が自ら興味や関心をもって環境に取り組み、試行錯誤を経て、環境へのふさわしい関わり方を身に付けていくことを意図した教育及び保育である。それは同時に、園児の環境との主体的な関わりを大切にした教育及び保育であるから、園児の視点から見ると、自由感あふれる教育及び保育であるともいえる。

例えば、砂や水、泥といった園児の遊びには欠かせない素材との関わりから環境について考えてみる。砂場を設置するだけでなく、園児一人一人の発達の段階や興味や関心、時期や季節等によって、砂場の状態や必要な道具等、園全体の環境を工夫する必要がある。登園前に砂を少し湿らせておき、2歳頃の園児でも握ったり、固めたりすることができるようにしておいたり、砂のふかふかの感触が全身で味わえるように十分掘り起こしておいたりすることも必要である。園児の中には砂で遊びたいという気持ちをもちながらも、他の大勢の園児が遊ぶ園庭へなかなか出て行くことができない場合もある。そのような場合、保育室前の戸外に砂場の砂を運んで山のように盛り、スコップやプリンカップ等の砂場道具を置いておく状況をつくることで安心して遊び始めることができるであろう。保育室から保育教諭等が他の園児と砂を盛ったり、型抜きをしたりして楽しそうに遊ぶ姿を目にすることで、思わず触れてみたくもなり自発的に動き出すであろう。時期によっては、したいことがすぐ実現できるように、砂場道具を園児数分用意しておくことも必要な環境である。安心して遊ぶことができるようになった頃、砂場に誘ってみることで、園児は更に広い砂場や様々な砂場の道具、5歳頃の園児のダイナミックな遊びの様子に影響を受け遊びの世界を広げていく。砂の感触を心ゆくまで楽しんだり、試行錯誤しつつ砂の様々な性質を体感したりしながら、充実感を味わっていく。こうした園児は、例えば固めるのに適した土や表面を乾燥させるための砂など、園内のあらゆる場から探し出したり、試してみたりするなど、探究心をかき立てられていく。友達同士で砂や土等の情報を共有するなど、人やものへの関わりを深めていく。

このような環境を通して行う教育及び保育の特質についてまとめてみると、次のようなことがいえる。

 

素材だけを配置して、後は園児に任せるといったものも放任です。一見自由にという受け止めもありますが、教育・保育においては違います。また、教育的及び保育的価値を保育教諭等が取り出して直接園児に押し付けたり、詰め込んだりするものでもないと指摘しています。さらに環境の中に教育的及び保育的価値を含ませながら、園児が自ら興味や関心をもって環境に取り組み、試行錯誤を経て、環境へのふさわしい関わり方を身に付けていくことを意図した教育及び保育であるとしています。それらの配慮環境を整えることにて子どもが主体的にかかわることにつながるのです。保育者は意図性をもって環境を整えることが大切なのです。

 

 

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