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園からの発信

シリーズ幼保連携型認定こども園 16

2023/11/07

1 乳幼児期の特性

(1) 乳幼児期の生活

② 他者との関係

乳幼児期は、家庭における保護者などとの関係だけでなく、他の園児や家族以外の人々の存在に気付き始め、次第に関わりを求めるようになってくる。初めは、保護者や保育教諭等の大人との関わりが強いものの、同年代の園児がいると、別々の活動をしながらも同じ場所で過ごすことで満足する様子が見られるが、やがて一緒に遊ぶようになることで、次第に、言葉を交わしたり、物のやり取りをしたりするなどの関わりをもつようになっていく。そして、ときには自己主張のぶつかり合いや友達と折り合いを付ける体験を重ねながら友達関係が生まれ、深まっていく。やがて、園などでの集団生活の場で共通の興味や関心をもって生活を展開する楽しさを味わうことができるようになると、更に友達関係は広がりを見せるようになっていく。このような対人関係の広がりの中で園児は互いに見たり、聞いたりしたことなどを言葉や他の様々な方法で伝え合うことによって、今までの自分のイメージにない世界に出会うことになる。

園児はこのようにして、一人で活動するよりも、何人かの友達と一緒に活動することで、生活がより豊かに楽しく展開できることを体験し、友達がいることの楽しさと大切さに気付いていくことになる。それと同時に、園児は、友達との関わりを通して様々な感情を体験していくことになる。友達と一緒に活動する楽しさや喜び、また、自己主張のぶつかり合いなどによる怒り、悲しさ、寂しさなどを味わう体験を積み重ねることによって、次第に、相手も自分も互いに違う主張や感情をもった存在であることにも気付き、その相手も一緒に楽しく遊んだり、生活したりできるよう、自分の気持ちを調整していく。

このような他者との関係の広がりはその深まりにもつながっていく。またそれらは自我の形成の過程でもある。乳幼児期には、自我が芽生え、自己を表出することが中心の生活から、他者と関わり合う生活を通して、他者の存在を意識し、自己を抑制しようとする気持ちも生まれるようになり、自我の発達の基礎が築かれていく。

 

他者との関係を生活の場で体験できるのは集団生活でしかできません。体験により気づかれるものでもあります。これは赤ちゃんの時からすでにその様子が伺えます。友達がハイハイしたら真似てみる。友達が遊んでいる遊具が気になる、欲しくなる。いやだと泣かれてしまって相手が嫌がることの礎も感じ取っていきます。そこで「駄目よ!」と叱っても子どもにとっては大声にしか聞こえません。恐怖心は芽生えるでしょう。大人に対して。遊具も同じものを与えても納得いてはくれません。あの子の持っているものが欲しくなる欲求を表現しているものと思います。それを辞めさせるには単に別々にした方がいいのか、そうすると一向に人間関係は築けなくなりますよね。個別の対応も大切にして、数名の同じ程度の発達時期の子ども達との関わりを進めるときです。

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