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園からの発信

シリーズ幼保連携型認定こども園 15

2023/11/06

1 乳幼児期の特性

(1) 乳幼児期の生活

① 生活の場

乳幼児期は、運動機能が急速に発達し、体を通して様々な環境に関わる中でいろいろなことをやってみようとする活動意欲も高まる時期である。保護者や周囲の大人との愛情ある関わりの中で見守られているという安心感に支えられて乳幼児の行動範囲は広がりを見せ始める。そして、いろいろな場所に出掛けて行き、そこにある様々なものに心を動かされたり、それを用いて遊んだりすることにより、興味や関心が広がり、それにつれて乳幼児の生活の場も次第に広がっていく。特に、乳幼児の生活の場が最も大きく広がり、様々な環境との関わりが質的にも、量的にも深まりを見せるのは園生活などにおける集団生活が始まってからである

多くの園児にとって園生活は、家庭から離れて主に同年代の園児と日々一緒に過ごす集団生活である。幼保連携型認定こども園においては、保育教諭等や他の園児と生活を共にしながら園児一人一人の世界から徐々に他者と感動などを共有し、イメージを伝え合うなど互いに影響を及ぼし合い、興味や関心の幅を広げ、言葉を獲得し、表現する喜びを味わう。また、大勢の友達と活動を展開する充実感や満足感をもつことによって、更に自分の生活を広げていこうとする意欲が育てられていくことになる。しかし、このような集団での生活の中では、親しい人間関係の下で営まれる家庭生活とは異なり、自分一人でやり遂げなければならないことや解決しなければならないことに出会ったり、その場におけるきまりを守ったり、他の人の思いを大切にしなければならなかったりするなど、自分の意志を通すことができるとは限らない状況になることもある。このような状況で保育教諭等の大人の手を借りながら、他の園児と話し合うなどして、その園児なりに解決し、危機を乗り越える経験を重ねることにより、園児一人一人の自立的な生活態度が次第に培われていく

また、園児が園生活の流れを把握できていないと、今目の前で起きていることにとらわれ、やりたいことができないと泣く、怒るなどの情緒的な反応を示すことがある。園生活の中で、活動の区切りに保育教諭等や友達と共に振り返りの経験を積むことや保育教諭等が適切な言葉掛けをすることなどにより、園児は徐々に過去と今、今と未来の関係に気付くようになり、活動の見通しや、期待がもてるようになっていく。

園児は、それぞれの家庭や地域等で得た生活経験を基にして園生活で様々な活動を展開し、また、園生活で得た経験を家庭や地域での生活に生かしている。生活の場の広がりの中で、様々な出来事や暮らしの中の文化的な事物や事象、多様な人々との出会いや関わり合いを通して、園児が必要な体験を積み重ねていく。

このような生活の広がりに対して、園児は期待と同時に不安感や緊張感を抱いていることが多い。家庭や地域での生活において乳幼児が安心して依存できる保護者や身近な大人の存在が必要であるのと同様に、園生活が園児にとって安心して過ごすことができる生活の場となるためには、園児の行動を温かく見守り、適切な援助を行う保育教諭等の存在が不可欠である。

 

子ども理解につながる記述です。子どもの成長にとっての生活の場であり物的環境、人的環境を整えていきたいですね。日々子どもの様子を見て、保育を省みて、子どもの次の成長の環境を整えていかなくてはなりません。子どもの成長に気づくよう敏感でありたいと思います。

 

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