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園からの発信

Ⅱ 令和の日本型学校教育 61

2023/09/29

9.Society5.0時代における教師及び教職員組織の在り方について

(1)基本的な考え方

○教師に求められる資質・能力は,これまでの答申等(中央教育審議会答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」(平成27(2015)年12月21日)等)においても繰り返し提言されてきたところであり,例えば,使命感や責任感,教育的愛情,教科や教職に関する専門的知識,実践的指導力,総合的人間力,コミュニケーション能力,ファシリテーション能力などが挙げられている。

○これも踏まえ,養成段階においては,平成28(2016)年に教育職員免許法の改正及び平成29(2017)年に教育職員免許法施行規則の改正を行い,特別支援教育の充実やアクティブ・ラーニングの視点に立った授業改善,ICTを用いた指導法等が新たに教職課程に加えられたところである。

○時代の変化に対応して求められる資質・能力として,近年では,AIやロボティクス,ビッグデータ,IoTといった技術が発展したSociety5.0時代の到来による情報活用能力等が挙げられ,特に,学習履歴(スタディ・ログ)の利活用など,教師のデータリテラシーの向上が一層必要となってくると考えられる。時代が今後どのようなものに変わっていくのかは予測困難であるが,少なくとも考えられるのは,様々な分野で予測のできない非連続的な変化が起こっていくことであり,そうした社会に対して教師や学校は,変化に背を向けるのではなく,訪れる変化を前向きに受け止めていくことが必要である。特に,GIGAスクール構想の加速により,児童生徒「1人1台端末」の教育環境が実現することで,教師がICTを活用しながら,児童生徒の個別最適な学びと,協働的な学びを実現していくことが重要である。

 

使命感や責任感,教育的愛情,教科や教職に関する専門的知識,実践的指導力,総合的人間力,コミュニケーション能力,ファシリテーション能力が求められるとしています。ただ単に講義するのではないですよね。ICT化もどんどん進み、予測困難な社会ともいわれておりますが、様々な機器を活用しつつも児童生徒の能力を引き出すファシリテーション、コミュニケーションがやはり大切ですね。

教員不足が深刻化する中、文部科学省の有識者会議・中教審(中央教育審議会)の「質の高い教師の確保」特別部会は令和5年8月28日、教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策として緊急提言を発表しました。

(1)学校・教師が担う業務の適正化の一層の推進

(2)学校における働き方改革の実効性の向上

(3)持続可能な勤務環境整備等の支援の充実

の3項目から提言がまとめられている。具体的には、好事例の横展開、標準授業時数を上回っている授業時数の見直し、学校行事の精選、保護者からの過剰な苦情には教育委員会などが支援すること、小学校高学年の教科担任制の強化など教職員定数の改善、支援スタッフの配置充実、主任手当などの改善等が盛り込まれています。果たしてそれで確保がるのでしょうか。子どもの良さを引き出し未来を託す、導く存在である教員の確保に繋がるでしょうか。公教育だけでなく、就学前教育施設や高校大学専門学校に至る教育界全体の改善が必要ではないでしょうか。

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