子どもの成長138 2026/09/30 14~18歳のアスリート対象研究を包括的に検討 文献検索には、PubMed、Scopus、Embaseなどのデータベースを用い、キーワードは、「高校生アスリート」「ライフスタイル医学」「栄養」「睡眠」「ストレス管理」「身体活動」「薬物回避」「社会的つながり」などを用いて、ライフスタイル関連の6要素(栄養、睡眠、ストレス管理、身体活動、薬物回避、社会的つながり)に関連する論文を検索した。包括基準は、研究対象が14~18歳のアスリートであり、無作為化比較試験、コホート研究などの堅牢な研究デザインで行われていて、英語で発表されている論文とした。除外基準は、非アスリート集団や前記の年齢範囲以外のアスリート対象の研究、および、アウトカムの評価が曖昧など研究デザインが堅牢と言えない報告、英語以外の論文などとした。 一次検索で1,423報がヒットし、重複削除後の1,100報を2名の研究者が独立してタイトルに基づくスクリーニングを行い300報を抽出し、さらに要約に基づくスクリーニングにより110報に絞り込んだ。なお、採否の意見の不一致は3人目の研究者との討議により解決した。110報を全文精査し、最終的に31件の研究報告を適格と判断した。 栄養、身体活動、睡眠などについて、的を絞った指導が必要 抽出された31件の研究のうち、栄養は6件、睡眠とストレス管理および社会的つながりは各5件、身体活動は3件、薬物回避は7件で検討されていた。以下、一部の要旨のみを紹介する。 栄養:女子のLEAと男子のタンパク質過剰が課題 この世代の若いアスリートの多くが利用可能エネルギー不足(low energy availability;LEA)のリスクに直面しており、とくに女子アスリートではその割合が高く、52%以上が該当すると報告されている。このような状態は、パフォーマンスの低下、怪我のリスク増加、回復の遅れなど、広範囲にわたる影響を及ぼす可能性がある。さらに、炭水化物やタンパク質などの必須栄養素の摂取不足は、とくに持久系アスリートにとって懸念材料であり、またカルシウムや鉄の不足も多く、それらは疲労骨折や骨の健康障害などの問題につながる。また、女子アスリートはスポーツ栄養に関する知識が不足しているとする研究もみられた。 一方、男子アスリートの場合、タンパク質摂取がもう一つの重要なトピックのようである。この世代の男子アスリートのタンパク質必要量は、推奨摂取量(recommended dietary allowance;RDA)に比較し大幅に多い。