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2024年 11月

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 44

2024/11/29

(2)目指す方向性

①幼児教育施設の教育機能と場の提供

○ 全ての子供に格差なく学びや生活の基盤を育むため、幼児教育施設においては、在園児のみならず地域の子供に対して、幼児教育を受ける機会を積極的に提供していくことが求められる。

○ 具体的には、幼児教育施設に在園していない0歳から5歳の子供も含め、様々な体験の機会が得られるよう、幼児教育施設が有する幼児教育に関する専門的な知見を地域に提供するとともに、様々な家庭や年齢層の子供が学びの場に参加できるようにすることが重要である。

○ 特に満3歳以上の子供を対象としている幼稚園においては、これまで主に0歳から2歳の未就園児の保護者に対する子育て支援の観点からの役割が求められてきた。しかし、0歳から18歳の学びが連続していることを踏まえれば、保護者向けの子育て支援の観点からだけではなく、幼児教育施設としての専門的な知見を生かし、未就園児向けの学びという観点からの支援を積極的に進めていくことが、今後は一層必要である。

 

保育の現場において、幼少期に質の高い幼児教育を受けた子どもは大人になっての離職率や犯罪に巻き込まれる率などが顕著に低かった報告もあり、このことが世界の幼児教育において注目され、質の高い幼児教育の大切さが謳われています。日本においても「令和の日本型学校教育」として教育が見直されました。

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 43

2024/11/28

○ 近年は、幼児教育施設が周産期から積極的に家庭とつながりを持ち、出産後の子育てに関するアドバイスやサポート、幼児教育・保育に関する情報提供を行い、保護者が安心して子育てをする環境をつくりだしている例や、幼児教育施設が地域全体の子育て支援のネットワークにおいて中核的な役割を果たし、関係施設との連携・協力により、地域の子供の学びと生活を支えている例もあり、幼児教育施設の果たす役割に大きな期待が寄せられている。

 

出産前の不安は病院に通っていると多少の改善にもなるでしょう。しかし十分ではありません。家族や地域のささえも必要ではないでしょうか。もっともっと妊婦さんにやさしい社会、不安や悩みを相談できる身近な存在が必要ではないでしょうか。またそこに不安があるから妊娠を躊躇することにもつながります。不安なく子どもを持ちたいときに十分な支援があることも大切です。それらの周知と同時に出産後のケアや支援の周知も大切です。国や自治体からのプッシュ型の支援も必要でしょうし、子育て中の皆さんも経験あるでしょうが、出産して病院を退院するときに色々と説明を受けますが、全てを覚えられませんし実感がないためにどう支援を求めるのかさえ分からなかった方が多いのではないでしょうか。保育所も出産後の相談や子育てについて支援を行うこともできるのですが、今は自治体との連携なく行っている状態なのです。ここも課題なのです。

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 42

2024/11/27

○ 孤立を深めつつも情報過多で不安を抱える保護者が増えていく中で、幼児教育施設が、幼児期にふさわしい生活やその子に応じた学びを子供とその保護者に提供することの重要性が高まっている。幼児教育施設が、保護者同士が子育ての不安や喜びを互いに分かち合えるような関係をつくる場となることや、幼児教育施設や先生とのつながりにより、幼児教育施設に預けることで、子供にとっても良い環境の下で過ごすことができるという安心感を保護者が得ることは、育児の孤立化を防ぐために非常に重要である。

○ 幼児教育施設は、地域の子供にその成長時期・発達にふさわしい幼児教育を提供するという重要な役割を果たしており、社会情勢に応じて、幼児教育施設の役割も変化が求められる。家庭や地域の教育力が低下している昨今、子供にとって安全・安心な居場所であるとともに、子供の学びや成長を保障する幼児教育施設の役割の重要性が一層増している。

 

いくら情報化の時代でも子どもが経験したり、体験することが必要だと感じています。実体験こそ子どもが経験すべきとも言えます。市の経験があって初めて様々な発展につながるのではないでしょうか。その上で子ども同志の関わりだけでなく保護者の関わりも大切な要素です。

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 41

2024/11/26

○ 子供の健やかな成長のためには、幼児教育施設と家庭や地域がそれぞれの有する教育機能や役割を互いに発揮し、支え合いながら、一体となって子育てに取り組むことが必要である。

○ 近年の子供は、情報化が急激に進んだ社会の中で多くの間接情報に囲まれて生活しており、自然や地域の文化(伝統的な遊びや行事等)に触れたり、地域で異年齢の子供と遊んだり、働く人と触れ合ったり、高齢者をはじめ幅広い世代と交流したりする等の直接的・具体的な体験が不足しているとの指摘がある。

○ また、保護者は、新型コロナウイルス感染症の影響により、親学級の休止、ママ友・パパ友・先輩との交流、産後ケアや家事代行・子育て支援サポートの利用、里帰りなどが控えられ、育児に関する情報と支援が得られにくくなり、子育てや教育に関する情報をSNS等から得ているとの指摘がある。核家族化や地域での関わりの希薄化等もその背景にあると考えられるが、インターネットの情報は我が子の状況に合ったものとは限らず、多くの情報に振り回されるおそれもあるとの指摘もある。

記述は核家族化の影響での現状からの指摘です。家庭だけで過ごすことや感染症等によってより孤立感、社会との接触も少なくなったことは事実です。地域の行事に参加することも今はほとんどありませんし、地域自体そういった交流の場は限られてくるのではないでしょうか。希薄かともいわれることがどんどん進んでいます。地域の活性化も大切なことです。インターネットで社会につながることも大切で大切かも知れませんが人と人との交流があって社会は成り立つものです。地域にそう言った交流の機会がないからこそ学校や保育施設における役割もあるように思います。

 

幼保小の協働による架け橋期の教育の充実 40

2024/11/25

4.全ての子供に格差なく学びや生活の基盤を育むための支援

(1)現状と課題

○ 教育の質を問う以前の課題として、通園・通学していない子供がいるなど、教育の機会へのアクセスが十分ではない家庭もある。自分が育てられてきた環境と我が子を育てる環境の違い、核家族化による子育て支援者の不足、地域とのつながりの希薄さにより、親世代が子育てへの不安やストレスを抱えている。このため、社会全体で子供や家庭を支援することが求められている。

○ 海外の研究では、幼児期の教育がその後の生涯にわたる学業達成、職業生活、家庭生活等で多面的に影響を与えることが実証的に明らかにされている。質の高い幼児教育は、言語の使用やアカデミックスキルの芽生え、社会情緒的スキル等の様々な領域の発達と就学後のパフォーマンス等にとって有益であることや、ウェルビーイング・健康にも効果が及ぶことが指摘されている。また、質の高い幼児教育が子供の望ましい学びと成長に結びついていること、特に恵まれない境遇にある子供においてその傾向が顕著であることを、多くの研究が示している。

 

家庭の経済格差が子どもの格差を生むなど指摘されます。保護者の責任として子どもを学校に通わせる義務もあります。もちろん中学までではなく高校への進学も同じです。望めば大学などさらに上級学校への進学もできる社会であるべきです。学ぶ機会を大人が奪うものでもありません。さらには不登校や途中退学の課題など様々ですが、学び直しができることや当然継続できるあらゆる支援も必要です。幼少期から質の高い教育保育を受けた子供たちの将来においては犯罪等に巻き込まれることが少なく生涯賃金等にも差が出ることがいわれており、経済格差に関係なく、質の対合い教育保育をだれもが受けることのできる社会の構築が必要であり、様々なことに対する支援も必要です。

 

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