教育振興基本計画56 2025/04/16 Ⅲ.今後の教育政策の遂行に当たっての評価・投資等の在り方 (2)教育投資の在り方 (本計画期間における教育投資の方向性) ②各教育段階における教育の質の向上に向けた環境整備 ○人生100年時代やSociety5.0の実現など、今後の社会を展望しつつ教育を通じた人づくりを推進するためには、幼児教育、義務教育、後期中等教育までの初等中等教育及び高等教育の各段階並びに生涯学習・社会教育において、質の高い学びを行うことができる環境を整備することが必要である。このため、特に、以下のような点について、教育の質を向上させるために必要な教育投資を確保する必要がある。 ○初等中等教育段階においては、新しい時代に求められる資質・能力の育成に向けた学習指導要領の着実な実施や教員研修の高度化の推進、GIGAスクール構想について端末活用の推進や自治体間格差の解消に向けた取組を推進する。特に、教師は教育の根幹であり、教職の魅力向上を通じて優秀な人材を確保し、教師がやりがいをもって働くことができる勤務環境を実現する必要がある。また、ICT環境の充実や地域の実情に応じた部活動の地域連携・地域クラブ活動への移行に向けた取組を含む学校と地域との連携・協働を図る。 令和4年度に実施した教員勤務実態調査の結果等を踏まえ、学校における働き方改革の更なる加速化、処遇改善、指導・運営体制の充実、教師の育成支援を一体的に進める。また、校務DXの推進に向けた環境整備等を進める。 公教育の再生は少子化対策と経済成長実現にとっても重要であり、これらの施策を通じて、そのための取組を推進する。
教育振興基本計画55 2025/04/15 Ⅲ.今後の教育政策の遂行に当たっての評価・投資等の在り方 (2)教育投資の在り方 (本計画期間における教育投資の方向性) ①教育費負担軽減の着実な実施及び更なる推進 ○第3期計画期間までに実施されてきた、幼児教育・保育の無償化、高等学校等就学支援金による授業料支援、高等教育の修学支援新制度等による教育費負担軽減を引き続き着実に実施する。さらに、高等教育段階においては、給付型奨学金と授業料減免について、令和6年度から、多子世帯や理工農系の学生等の中間層へ対象を拡大するとともに、さらに、執行状況や財源等を踏まえつつ、多子世帯の学生等に対する授業料等減免について更なる支援拡充(対象年収の拡大、年収区分ごとの支援割合の引上げ等)を検討し、必要な措置を講ずる。また、大学院修士段階において、在学中は授業料を徴収せず卒業後の所得に応じて納付を可能とする「授業料後払い制度」を創設した上で、本格導入に向けた更なる検討を進める。 Yahooニュースから
教育振興基本計画54 2025/04/14 Ⅲ.今後の教育政策の遂行に当たっての評価・投資等の在り方 (2)教育投資の在り方 (第3期計画までの教育投資の状況) ○第3期計画期間においては、「新しい経済政策パッケージ」等に基づき、幼児教育・保育の無償化や高等学校等就学支援金による授業料支援、高等教育の修学支援新制度の創設等により、教育費負担の大幅な軽減が図られた。また、GIGAスクール構想による1人1台端末と高速通信ネットワーク等のICT環境の整備、小学校における35人学級の計画的整備や高学年教科担任制の推進等の教職員定数の改善と支援スタッフの充実、博士後期課程学生に対する経済支援の拡充、学校施設の耐震化の推進など、年々財政状況が厳しくなる中にあっても必要な財源を確保し取組を進めてきた。こうした教育投資の成果として前述の第3期計画期間中の成果と課題に示した国際学力調査における高い学力水準の維持や進学率の向上、教育環境の整備が図られてきている。 ○教育投資に関する国際的な状況について見ると、公財政教育支出総額については、例えば、GDP(国内総生産)比で見た場合、初等教育段階から高等教育段階までについて、OECD諸国の平均が4.4%であるのに対して我が国は3.0%(いずれも令和元(2019)年度)となっている。また、在学者一人当たりの公財政教育支出額で見ると、初等教育段階から高等教育段階までについて、OECD諸国の平均10,161ドルであるのに対して我が国は8,944ドル(いずれも令和元(2019)年度)となっている。また、租税負担率(対NI(国民所得)比)は、OECD諸国の平均35.4%であるのに対して、我が国は25.8%である。こうしたデータは、全人口に占める在学者数の割合、一般政府総支出の国力に対する規模やGDPの規模など様々な要素を勘案する必要があり、単純に判断することはできないが、政府においては、現下の様々な教育課題に対応し、所要の施策を講じるために引き続き必要な教育投資を確保する必要がある。
教育振興基本計画53 2025/04/11 Ⅲ.今後の教育政策の遂行に当たっての評価・投資等の在り方 (2)教育投資の在り方 (「未来への投資」としての教育投資の意義) ○教育は、個人の社会的自立の基礎を築き、ウェルビーイングを実現するものであると同時に、教育の成果は、単に個人に帰属するのみならず広く社会全体に還元され、社会の維持・発展の原動力となるものである。 ○教育・人材育成を通じた「人への投資」は成長への源泉であり、国や企業による教育機関や個人への投資は、それを受ける立場に立てば分配の意味を持つ。デジタル化の一層の進展など社会が大きく変革する中、人口減少に伴う労働力不足にも直面する我が国において、創造性を発揮して付加価値を生み出していく原動力は「人」にほかならない。人への投資を通じた「成長と分配の好循環」を生み出すためにも、教育への効果的な投資を図る必要がある。 ○すなわち、教育投資は個人及び社会の発展の礎となる「未来への投資」であり、必要な教育投資については、学習者本人のみならず社会全体で確保することが必要である。 ○その際、教育投資がもたらす効果には、経済的な効果のみならず、新たな価値の創造や未来への志向性、共生社会の実現、地域コミュニティの形成といった社会の持続・発展に不可欠でありつつも必ずしも数値化できない重要な効果もあることに留意が必要である。また、教育投資には、国や地方公共団体による公財政支出、家計による負担に加え、様々な形での寄附や、広い意味では、社会関係資本を基盤としたボランティアなどの人的貢献、企業の教育面におけるCSR活動など民間団体等の自発的取組などが含まれることにも留意が必要である。 ○特に、我が国は、諸外国と比較した場合、寄附が少ない現状にあり、教育機関においても寄附を行おうとする個人・企業・団体等の意欲を喚起するよう努めることなどにより、寄附文化を醸成する必要がある。また、今日においては、かつて地域コミュニティなど学校以外が担っていた教育的な機能が弱くなっており、その分、学校に求められる役割が大きくなりがちとの指摘もある。このような点も踏まえつつ、社会全体で教育を支える環境を醸成することにより、教育への投資の充実を図る必要がある。
教育振興基本計画52 2025/04/10 Ⅲ.今後の教育政策の遂行に当たっての評価・投資等の在り方 (客観的な根拠を重視した政策推進の基盤形成) ○客観的な根拠を重視した政策の推進を図るためには、そのための基盤形成が重要である。このため、あるべき教育政策を総合的・多角的に判断して、客観的な根拠に基づく政策ビジョンを形成する等、教育政策に関するEBPMを推進するための環境整備を進めるとともに、国立教育政策研究所において客観的な根拠に基づく政策に資する研究を行う体制整備を進める必要がある。 ○総合的・多角的な情報分析に基づく政策立案等のための基盤づくりのため、多様な分野の研究者との連携を強化しつつ、国による調査の内容・方法の抜本的改善等に取り組むとともに、オープンデータを推進することが必要である。 ○児童生徒1人1台端末環境の実現が進む中で、大規模な教育データ(ビッグデータ)の分析に基づいた対話、政策の評価・改善等を行う等、教育データの利活用を促進するための方策について検討を進める必要がある。