子どもの成長59 2026/06/04 屋外で遊べる環境で育った子どもは、成長してからも活動的であり続ける可能性が高い 成長とともに身体活動量が減少 まず、身体活動量の変化を年齢層別(10歳以下/超)にみると、6~10歳の群はベースライン時に618±169カウント(以下、単位省略)であったものが、5年後の追跡調査では470±163だった。11~16歳の群は同順に476±171、413±171だった。 つまり、横断的な比較でも縦断的な変化の検討でも、年齢が高いこと(または成長するほど)身体活動量が減少していた。性別での比較では両時点ともに男児の活動量のほうが有意に多かった。 自宅周辺環境のアンケート調査結果と身体活動量の関係 次に、アンケート調査で評価した自宅周辺環境と身体活動量の関係をみてみよう。この解析は、年齢、性別、国籍、世帯収入、測定された季節が調整されている。 自宅周辺の道路の安全性、公園や遊び場へのアクセスの利便性、社会的な安全性などの主観的評価のスコアの合計の三分位に基づき3群に分類し、最高三分位群を基準に身体活動量を比較すると、ベースライン時の横断的解析では、最低三分位群(-52.4〈95%CI;-88.6~-16.2〉)および第2三分位群(-41.1〈―78.0~―4.2〉)ともに、身体活動量が有意に少なかった。さらに、5年後の追跡調査でも同順に-48.1(-86.6~-9.7)、-49.6(-91.0~-8.3)と、両群ともに身体活動量が有意に少なかった。 また、最低三分位群は、ベースライン時点と追跡調査時点の身体活動量がともに中央値を上回る可能性が有意に少ないことが示された(OR0.6〈0.3~1.0〉)。
子どもの成長58 2026/06/03 屋外で遊べる環境で育った子どもは、成長してからも活動的であり続ける可能性が高い 身体活動の維持にとって好ましくない環境で育つ子どもたちへの早期介入が必要 この研究は、1998~2007年にスイスで生まれた子どもを対象に、身体活動習慣を把握する目的で行われた大規模調査「SOPHYA」(Swiss children’s Objectively measured PHYsical activityの略)の一環として実施された。解析対象は、2014年のベースライン調査と約5年(平均4.96〈範囲3.8~6.4〉年)後の追跡調査にも参加した447人。ベースライン時点で平均10.0(範囲6~16)歳であり、男児が48%だった。 自宅周辺の環境については、対象者またはその保護者対対象のアンケートと、地理情報システム(geographic information system;GIS)の二つの方法で評価した。身体活動量については、ベースライン時と追跡調査時にそれぞれ1週間にわたり活動量計を身に付けて生活してもらい評価したほか、スポーツクラブへの加入の有無、自転車競技を行っているか否かも把握した。なお、スペインは自転車競技が盛んな国として知られている。
世界の子育て100 2026/06/03 手のかからない赤ちゃんは要注意 「手がかからない子」という褒め言葉がありますが、「おとなしい赤ちゃんでラクだ」と喜んではいけません。 手のかからない赤ちゃんほど言葉の発達が遅れる危険があるので、赤ちゃんが目を覚ましている時は声をかけ、コミュニケーションをとることを心がけてください。 特に、母親と赤ちゃんがいつも家で二人きり、四六時中テレビをつけっぱなしという環境は要注意です。 残念ながら、機械音では赤ちゃんの言葉は育ちません。子どもが言葉を最初に身につける時は、「信頼できる相手とのコミュニケーション」が必要なのです。 赤ちゃんにとって、もっとも信頼できる相手は母親です。その証拠に、赤ちゃんは生まれた直後から母親の言葉か別の人の言葉かがわかります。 母親が「かわいい◯◯ちゃん、おはよう」と話しかけると、赤ちゃんは母親の顔をじっと見て「アウゥ、アウゥ」と答えます。 それに対して母親は「お腹が減ったんだね! 今おっぱいをあげますよ」と声をかけます。すると、赤ちゃんは手足をばたばたさせて喜びます。これが「信頼できる相手とのコミュニケーション」です。 言葉だけでなく、表情やしぐさを通して意思を伝え合う。子どもが言葉を最初に身につける時はこのプロセスが必要なのです。
子どもの成長57 2026/06/02 屋外で遊べる環境で育った子どもは、成長してからも活動的であり続ける可能性が高い 子どもの頃に暮らしていた土地の環境が、成長後の身体活動習慣に影響を及ぼす可能性を示唆する研究結果が報告された。平均10歳時点での横断的解析だけでなく、5年間の縦断的解析でも、有意な関連が認められたという。 屋外で遊ぶことは生涯の身体活動習慣に影響を及ぼす? 子どもの頃の養育環境が身体活動量と関連のあることを示した横断研究は複数存在する。しかし、その関連が成長後にも続くのか否かは明らかになっていない。 一般的に子どもの頃の身体活動といえばその多くが外遊びによるものであり、その頻度は成長とともに減っていき、身体活動の種類はスポーツへの参加へと移行していく。そのため、子どもの頃の養育環境の影響は永続的なものではないと考えることも可能だ。その一方、外遊びによって運動能力や社会的スキルが伸長し、成長過程でスポーツに積極的に参加するようになるであろうことから、子どもの頃の養育環境の影響は永続的になり得ると考えることも可能だ。 この論文の著者らは、この点を縦断的な研究手法により検討した。スイスで行われた研究であり、同国は子どもの外遊びの時間が国際的に比較して長いことから、このトピックの研究に適した国だと著者らは述べている。
子どもの成長56 2026/06/01 発育状態調査 身長の平均値は、多くの年齢層で男女とも平成10年度前後にかけて上昇し、その後横ばい傾向。(2)体重の平均値は、多くの年齢層で男女とも平成10年度前後にかけて上昇し、その後横ばい傾向。(3)肥満傾向児の割合は男女ともに9歳から12歳が最も高く、とくに男子は9歳以降1割を超えている。痩身傾向児の割合は、男女とも10歳頃まで上昇し、以降3%前後となっている。 身長の推移 体重の推移 肥満傾向児の割合の推移 平成18年度から肥満・痩⾝傾向児の算出⽅法を変更しているため、平成17年度までの数値と単純な⽐較はできない。現在の算出方法は、性別・年齢別・身長別標準体重から、肥満度が20%以上の者を肥満傾向児、-20%以下の者を痩身傾向児としている。また、5歳および17歳は、平成18年度から調査を実施している。 痩身傾向児の割合の推移 【男子】痩身傾向児の割合の推移 【女子】痩身傾向児の割合の推移