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園からの発信

子どもの成長142

2026/10/06

ヒップホップダンスは思春期女子の「運動ぎらい」を変える?

運動能力、身体活動習慣、身体活動の楽しさの評価方法

運動能力の評価には、学齢期の子どもの微細運動と粗大運動の能力を評価する標準化された指標である「運動熟練度検査 第2版(Bruininks-Oseretsky Motor Proficiency Test, Second Edition;BOT-2)」の短縮版を用いた。BOT-2短縮版では手先の器用さ、バランス能力などの8項目を評価する。

身体活動習慣の評価には歩数計を用い、介入前後の7日間計測。1日10時間以上記録のある日のデータのみを解析に利用した。

身体活動の楽しさの評価には、「身体活動の楽しみの尺度(Physical Activity Enjoyment Scale;PAES)」を用いた。PAESは8項目の質問に7段階のリッカートスコアで回答してもらい、スコア範囲は8~56点で、高スコアは身体活動の楽しみを強く感じていることを表す。

ヒップホップダンスの授業は思春期女子生徒の身体活動にプラスに働く

介入前の段階の比較で、手先の器用さ、走行速度・敏捷性にわずかな有意差が認められたが効果量は小~中であり、実際的な意義は限定的と考えられた。

14週間の介入後、両校の生徒の間に、いくつかの有意な違いが観察された。詳細は以下のとおり。

運動能力

運動能力は、両校ともに有意な時間効果が確認され、14週後には運動能力が向上していた(p<0.001)。さらに群効果も有意であり、介入校の生徒のほうが、運動能力がより大きく向上していた(p<0.001)。

運動熟練度検査 第2版(BOT-2)で評価された8項目のスコアの前後比較では、微細運動統合、両側協調運動、バランス、走行速度・敏捷性、上肢協調運動について、介入校のほうがより大きく向上していた。

身体活動習慣

1日の歩数は、介入群では介入前が7,183.68±1,974.45歩、介入後は7,745.13±2,135.72歩であり、対照群は同期間に7,324.15±1,622.44歩、7,488.78±1,655.92歩となっていた。介入群における歩数の増加幅は対照群より有意に大きかった(p=0.001)。

身体活動の楽しさ

身体活動の楽しみの尺度(PAES)のスコアは、介入群では介入前が28.92±8.32点、介入後は32.25±10.28点であり、対照群は同期間に28.17±9.21点、29.17±8.53点となっていた。介入群におけるスコアの増加幅は対照群より有意に大きかった(p=0.023)。

 

著者らは、「体系的なヒップホップダンス介入が、思春期女子の身体能力、身体活動レベル、そして身体活動の楽しさを有意に向上させることが実証された。本研究結果は、ダンスが従来の体育教育に代わる包括的、かつ意欲を高める選択肢となる可能性を浮き彫りにしている」と総括するとともに、「プログラムの効果を持続させるためには、文化的妥当性、プログラムの質、そして自己決定理論に基づいた教師の研修が重要と考えられる」と述べている。

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