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園からの発信

子どもの成長152

2026/10/21

研究の背景と目的:日本人女性の乳児期の体重変化は成長後の体重に影響するのか

成人期の肥満・やせは、心血管疾患や妊娠合併症などの将来的な健康リスクと関連することが知られている。さらに妊娠前の肥満・やせは、母体のみならず子どもの予後にも影響を与えることが知られている。これは「DOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)」という、発育初期の栄養環境が将来の健康に影響を及ぼすとされる概念に基づいている。

DoHADは、胎児期に母体から供給される栄養の不足や過剰が、子どもにどのような影響を及ぼすのかを長期的に検討する考え方で、近年ではこの概念が拡大し、出生後~乳幼児期(1~2歳)までの体重増加量と、その後の肥満・やせとの関連にも関心が寄せられている。

これまで、日本人女性を対象に出生直後から乳児期早期(生後1~6カ月)の体重増加量と成人期の体重との関連に着目した研究はなかった。そこで今回の研究では、母子健康手帳に記載されているデータを利用して、出生体重や乳児期の体重増加量が成人期の肥満・やせに与える影響を調査した。

 

研究の方法:妊婦の母子健康手帳に記録されていた体重と現在の体重の関係を検討

2017年4月~2021年12月に同センターへ通院し、研究参加と母子健康手帳のデータ提供に同意した1,501人のうち、妊娠前体重データがそろっていた1,441人を対象とした。対象者には、出生体重、生後1・3・6カ月の体重、授乳方法などの情報が記載された自身の母子健康手帳を持参してもらい、データを収集した。

生後1・3・6カ月時の体重増加量を5カテゴリーに分類(人数で均等割)し、妊娠前の体重から、それぞれのカテゴリーの中で「やせ」と「肥満」になった人の割合を算出。乳児期の体重増加量と「やせ」「肥満」との関連を解析した(図5)

図5 研究対象とした情報

 

研究者コメント:乳児期の体重増加に基づく授乳・栄養の制限は慎重に

研究者らは、今回の研究結果について以下のように述べている。

「赤ちゃんの体重が大きく増えると『将来肥満になるのでは』と、ミルクをこのままの量であげていいのか心配なる母親もいるかもしれない。しかし今回の研究から、乳児期の体重増加が多くても将来の肥満の割合は上昇せず、むしろやせの割合は低下する可能性があることが明らかになった。乳児期の栄養環境は将来にわたって影響する。成長曲線のグラフの範囲よりも多く体重が増えているからといって、授乳や栄養摂取について安易に制限するのは慎重であるべきと考える」。

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