子どもの成長72 2026/06/23 メンタル不調の種類別にみた関連因子 論文ではさらに、メンタル不調の種類別に関連因子を検討した結果が示されている。なお、この解析には性別は考慮されていない。 不安症の経験を報告した学生アスリートは、身長が3.2cm低く、体重が4.5kg軽く、トレーニング量が週0.4日少なかった。抑うつを報告したアスリートは、身長が2.9cm低く、体重が4.3kg軽く、競技歴が1.02年短く、トレーニング量が週0.3日少なかった。睡眠障害を報告したアスリートは、トレーニング量が週0.3日少なかった。摂食障害を報告したアスリートは、身長が5.1cm低く、体重が8.4kg軽く、BMIが1.7低かった。発達障害を報告したアスリートは、トレーニング量が週0.6日少なかった。薬物乱用を報告したアスリートは、トレーニング量が週1.5日少なかった。アルコール乱用については、有意な関連因子が特定されなかった。 桁違いに低い有病率は、助けを求めようとしないメンタル不調アスリートの多さの証左 著者らは論文中の考察において、先行研究と比較した場合に本研究で明らかになったメンタル不調の有病率は「桁違いに低い」としている。過去の研究の中には、例えばトップアスリートでの有病率は19~34%とする報告があるという。この違いの理由について「本研究では『診断を受けた経験』を質問したため」との解説がなされている。このことから、実際に本人がメンタル不調を抱えた経験が先行研究と同程度と仮定した場合、かなりの学生アスリートが医療専門家の助けを求めようとしていないとも考えられる。 論文の結論は、「学生アスリートのメンタル不調の対策として、とくにスキル系競技や女性アスリートに対して、『診断』ではなく、初期症状のモニタリングに重点を置く必要がある」と総括されている。
子どもの成長71 2026/06/22 メンタル不調との関連因子 続いて、女性、男性それぞれにおいて、メンタル不調の関連因子を検討した。その結果、女性においてはメンタル不調経験の有無でBMI、競技歴、トレーニング頻度が有意に異なり、男性においてはトレーニング頻度のみが有意に異なっていた。詳細は以下のとおり。 女性のみでの解析 女性では、BMIはメンタル不調経験あり群が21.1±2.6、経験なし群が21.6±2.3(p=0.013)、トレーニング頻度は同順に4.8±1.5回/週、5.1±1.3回/週(p=0.021)で、ともに前者が低値であり、年齢は有意差がなく、前述の全体解析と同様の傾向にあった。それに対して競技歴に関してはメンタル不調経験あり群のほうが有意に短く(7.1±5.4 vs 7.9±1.5年、p=0.046)、全体解析とは反対の結果だった。 男性のみでの解析 男性では、トレーニング頻度がメンタル不調経験あり群4.7±1.7回/週、5.2±1.3回/週で、全体解析と同様の結果だった(p<0.001)。競技歴に関しては同順に7.3±5.0年、8.1±5.0年と、女性とは異なり全体解析と同様の傾向がみられたが、群間差は非有意だった(p=0.078)。年齢やBMIには有意差がなかった。
世界の子育て113 2026/06/22 【日本在住でもOK!】子どもに「グローバルな感覚」を身につけさせるために親ができること 英語が話せる=グローバルではない グローバル化、と言いますが、グローバル化とはそもそもどういうことなのでしょうか? 日本人の多くは「グローバル化」=「英語習得」と思い込んでいますが、英語が話せればグローバル人材になれるわけではありません。 たとえば、アメリカ人は誰もが英語を話せます。しかしアメリカ人の誰もがグローバル感覚を持っているかというと、答えは「ノー」です。 アメリカで生まれ育ち、英語を流暢に話す人でも、異文化や異人種への偏見を持つ人はたくさんいます。 グローバル感覚とは、国籍、文化、価値観、宗教の違いなどにかかわらず、あらゆる人々がお互いを尊重し合う、多様性を尊重する意識であり、態度です。 人間に上下優劣はない。自分の文化を大切にするのと同じように他者の文化も尊重する。そんな態度を身につけるには、実際に外国人と友だちになり、信頼関係を築き、多くを語り合う経験が必要です。 国際交流・異文化交流と聞くと身構えてしまう人が多いですが、グローバル化が進んだおかげで、外国人と気楽に交流ができる機会が増えました。 市町村が行なうもの、個人で行なうもの、企業が行なうもの。あちこちで国際交流が盛んです。 ティーンエイジャー時代に外国人の友だちを持った子どもは「人間はみな同じだ!」という偏見のない価値観を身につけることができます。 今は日本中のどの市町村にも外国人が暮らしています。勇気を持って地域に住む外国人と交流を持つことから始めてみましょう。 ただし、子どもに「外国人の友だちをつくりなさい!」と言っても無理ですから、最初は親子で国際交流に参加してみるのがおすすめです。 多くの市町村には、姉妹都市との交流プログラムや海外の学校との交流プログラムがあります。 市町村の国際交流センターを訪れて、どんな国際交流団体やイベントがあるのか調べてみましょう。 地域に住む外国人と交流する場を設けている自治体もたくさんあります。 たとえば横浜市は「横浜市国際交流ラウンジ」と呼ばれる外国人支援、国際交流施設を市内に複数設けており、子どもから大人まで、地域に住む外国人と交流できる各種イベントを行なっています。 勇気を出してイベントや交流会に参加してみると、ハードルが高いと思っていた外国人がグンと身近に感じられるようになります。
世界の子育て112 2026/06/19 小学校高学年からは言葉ゲームで考える力を鍛える 徐々に説明する力が身についてきたら、小学校高学年からは、次のようなゲームで考える力をさらに伸ばしてあげましょう。 ・もし~だったらゲーム 「もしどこでもドアがあったらどこに行く?」 「もし透明人間だったら何をする?」 「もし宝くじで1億円当たったらどうする?」 「もし死なない薬があったら飲む? 飲まない?」 ・究極の選択ゲーム 「親友一人と友だち50人、どちらがいい?」 「お金と愛、どちらがいい?」 「貧乏な幸せと金持ちの不幸、どちらがいい?」 「大統領か映画スター、選べるならどっち?」 「未来か過去か、行けるならどっち?」 ・あなたならどうするゲーム 「知り合いが物を盗んでいるのを見てしまった。さあどうする?」 「迷い猫を見つけた。あなたにとても懐いてきた。さあどうする?」 「買い物をした時におつりが50円多かった。さあどうする?」 「同級生の友だちが嫌がらせをしてくる。さあどうする?」 「友だちがいじめられているのを見た。さあどうする?」 「友だちがたばこを吸っている。さあどうする?」 このような遊びを日常的にしていくと、子どもは自然と自分の考えに理由をつけて話すようになります。自分の意見を明確にする、という表現力が身につくのです。 人間関係を営んでいく上で、また就職活動や仕事をする上でも、この能力は欠かせません。ぜひ、家庭で実践してみてください。
子どもの成長70 2026/06/19 学生アスリートの2.4%が、メンタル不調の診断を受けた経験あり この調査は、2022年6月~2023年8月に、UNIVAS所属選手から無作為に抽出した学生に対して、大学やスポーツ団体を通じて回答協力を呼びかけ、1万999人(男性62.3%)から有効回答を得た。なお、調査の質問項目はスポーツ医学や精神医学の専門家の検証を経て構築された。 メンタル不調の経験者は、女性が多くBMIが低い 1万999人のうち269人(2.4%)が、過去に1回以上、メンタル不調の診断を受けたことを報告した。性別に比較すると女性において、その有病率が高かった(3.6 vs 1.7%、p<0.001)。またメンタル不調経験あり群はBMIが低く(22.3±3.5 vs 23.2±3.6、p<0.001)、競技歴が長く(8.0±4.9 vs 7.1±5.1年、p=0.003)、トレーニング頻度が低い(4.8±1.6 vs 5.2±1.3回/週、p<0.001)という点で有意差が認められた。一方、年齢は両群ともに平均19.9歳であり(p=0.650)、競技レベルにも有意差はみられなかった(p=0.554)。 報告されたメンタル不調の種類としては、不安症が102人(0.99%)で最多であり、以下、抑うつが94人(0.85%)、睡眠障害80人(0.73%)、摂食障害33人(0.30%)と続き、そのほかに発達障害21人(0.19%)、アルコール乱用4人(0.04%)、薬物乱用3人(0.03%)も報告された。 スキル系、審美系競技で有病率が高い 次に、行っているスポーツのタイプ別にメンタル不調の有病率を比較したところ、スキル系の競技での有病率が4.1%と最多であり、次いで審美系(3.5%)と持久系(3.0%)において、全体平均の2.4%より高い有病率が観察された。パワー系(1.5%)や混合スポーツ(2.3%)での有病率は、全体平均を下回っていた。