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2024年 1月

教育・保育要領解説27

2024/01/22

② 園児の活動が精選されるような環境の構成

園児が積極的に環境に関わり、活動を展開する場合、その活動は多様な仕方で展開される。この多様な仕方でという意味は、様々な形態の活動が行われることであり、一つの活動が変容し、新たな発展をしていくことでもある。園児一人一人の興味や関心を大切にして指導するためには、様々な形態の活動が行われることも重要である。しかし、同時に園児が活動に没頭し、遊び、充実感や満足感を味わっていくことが重視されなければならない。活動を豊かにすることは、いろいろなことをできるようにすることと同じではない。重要なのは、活動の過程で園児自身がどれだけ遊び、充実感や満足感を得ているかであり、活動の結果どれだけのことができるようになったか、何ができたかだけを捉えてはならない。なぜなら、活動の過程が意欲や態度を育み、生きる力の基礎を培っていくからである

そのためには、一つの活動に没頭して取り組むことができることも大切である。いろいろな活動を次から次へと行っているのでは、多少の楽しさはあったとしても充実感や満足感を覚えることはできない。それゆえ、保育教諭等は園児が本当にやりたいと思い、専念できる活動を見付けていくことができるように、つまり、いろいろあり得る活動の中から興味や関心のある活動を選び取っていくことができるように、しかも、その活動の中で発達にとって大切な体験が豊かに得られるように環境を構成することが必要である。このような環境の構成は、保育教諭等の行動としてみれば、新しい事物を出したり、関わりを増やしたりしていくことだけではない。反対に、その活動にとって不要なものや関わりを整理し、取り去ったり、しばらくはそのままにして見守ったりしていくことも必要となる。

園児の活動が精選される環境を構成するには、園児の興味や関心の在り方、環境への関わり方、発達の実情などを理解することが前提である。その上で園児が興味や関心のある活動にじっくり取り組むことができるだけの時間、空間、遊具などの確保が重要である。さらに、保育教諭等自身が活動に参加するなど、興味や関心を共有して活動への取組を深める指導が重要になる。

このように、活動を充実することは、園児がいろいろな活動を行うことや取り組もうとしている活動を早く完了させることではない。園児が活動に没頭する中で思考を巡らし、心を動かしながら豊かな体験をしていくことである。そして、保育教諭等は、このような活動がより豊かに行われるように、園児と活動を共にしながら環境の構成を工夫する必要がある。

 

解説のとおり、園児自身がどれだけ充実感や満足感を得たかが大切で、何ができたと結果を評価するものではない。大切なのは、課程であることなのです。結果に拘ることもあるでしょうが、活動においてのプロセス、そこで子どもが取得する意欲や態度が生きる力の基礎を培うことをしっかり理解することが大切です。

 

教育・保育要領解説26

2024/01/19

① 園児の主体的な活動と環境の構成 3

このように、園児の主体的な活動のための環境を構成することは、一言でいえば、園児を理解することにより可能となる。その時期の園児の環境の受け止め方や環境への関わり方、興味や関心の在り方や方向、一日の生活の送り方などを理解し、そこから園児一人一人にとって必要な経験を考え、適切な環境を構成するのである。ここで念頭に置かなければならないことは、保育教諭等自身が重要な環境の一つであることである。乳幼児期には、一緒に生活している大人の影響を特に強く受ける。先に述べたように、保育教諭等の身の置き方や行動、言葉、心情、態度など存在そのものが園児の行動や心情に大きな影響を与えている。したがって、保育教諭等は自分も園児にとって環境の非常に重要な一部となっていることを認識して環境の構成を考える必要がある。

このようにしてあらかじめ構成された環境の下で、園児は主体的に環境と関わり、活動を展開する。主体的に関わるとは、園児なりに思いや願いをもち続け、関わっていくことである。園児の興味や関心は次々と変化したり、あるいは深まったり、発展していく。それに伴って環境の条件も変わらざるを得ない。それゆえ、環境が最初に構成されたまま固定されていては、園児の主体的な活動が十分に展開されなくなり、経験も豊かなものとはならない。したがって、構成された環境はこのような意味では暫定的な環境と考えるべきであり、保育教諭等は園児の活動の流れや心の動きに即して、常に適切なものとなるように、環境を再構成していかなければならないのである。

 

できるようになったら次にまた新しいものに挑戦したい思いや発展的な遊びにするためには更なる環境整備も必要です。年中季節が変わろうがそのままの環境では子どもの発達を促すことさえできないことになります。また無機質で何もないといった空間では子どもの発達は期待できないかもしれません。子どもの興味関心や発達を促すための仕掛けも必要です。また、最初から完璧に設定できるものでもありません。日々過ごす中で敏感になって環境を整えることが大切であると思います。

睡眠指針改訂の主旨

2024/01/19

(2)睡眠指針改訂の主旨

我が国における睡眠指針については、平成15年度に「健康づくりのための睡眠指針~快適な睡眠のための7箇条~」が策定されたのが始まりであり、次いで平成26年度に「健康づくりのための睡眠指針2014」が策定された。これらの指針を活用して、「21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21(第二次))」における休養分野の取組が進められてきたところである。 「健康づくりのための睡眠指針2014」の策定から約10年が経過し、睡眠に関する新たな科学的知見が蓄積されてきている。一方で、「健康日本21(第二次)最終評価」において、休養分野の指標である「睡眠による休養を十分とれていない者の割合」は、ベースライン値の18.4%(平成21年)から、15%(令和4年度)に低下させることを目標としていたが、最終評価時は21.7%(平成30年)とむしろ増加しており、D(悪化していると評価された。年齢階級別に分析すると、特に中高年者(50歳代)において増加の度合いが大きかった。こうした状況を踏まえ、睡眠・休養分野の取組をさらに推進するため、健康づくりに寄与する睡眠の特徴を国民にわかりやすく伝え、より多くの国民が良い睡眠を習慣的に維持するために必要な生活習慣を身につける手立てとなることを目指し、最新の科学的知見に基づき「健康づくりのための睡眠指針2014」を見直し、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を策定した。

「健康づくりのための睡眠指針2014」との大きな違いは、「21 世紀における第三次国民健康づくり運動「健康日本21(第三次)」において目標として掲げられた適正な睡眠時間と睡眠休養感の確保に向けた推奨事項を「成人」「こども」「高齢者」と年代別にとりまとめた点である。また、良い睡眠には、光・温度・音等の環境因子、食生活・運動等の生活習慣、睡眠に影響を与える嗜好品との付き合い方も重要であるため、科学的知見を踏まえ、これらについて留意が必要な点を参考情報としてとりまとめた。さらに、睡眠に関連する症状には、「睡眠障害」に起因するものがあるため、「睡眠障害」についても概説するとともに、女性の健康という観点から、女性ホルモンの変動が睡眠に及ぼす影響や、現代社会の維持に不可欠な勤務形態の一つである交替制勤務における睡眠の不調等の健康リスクや生活習慣等において工夫できる点も含め整理した。

全体の構成については、国民一人ひとりが、それぞれのライフスタイルに応じて良質な睡眠の確保ができるよう、ツールとしての活用性等も考慮した構成とした。また、本ガイドは、「6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する」などの定量的な推奨事項だけでなく、良質な睡眠確保に向けた睡眠環境や生活習慣等の見直しといった定性的な推奨事項を含むものであるとともに、「指針」という表現が全ての国民が等しく取り組むべき事項であるという誤解を与える可能性等を考慮し、「ガイド」という名称とした。

 

<保育参観5日目>昨晩からの雨の影響で園庭が使えず、室内遊びと水彩画に取り組みました。また、音楽発表会に向けての練習も楽器遊びの延長にて取り組んでいます。

 

健康づくりのための睡眠ガイド2023

2024/01/18

厚生労働省は、およそ10年前に健康的な睡眠のための指針をまとめましたが、その後も睡眠による休養を十分とれていない人が増えているなどとして、今回、専門家による検討会で推奨する睡眠時間や生活習慣を世代ごとに示した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を新たにまとめました。

健康づくりのための睡眠ガイド2023

健康づくりのための睡眠指針の改訂 に関する検討会

1.はじめに

(1)健康づくりにおける睡眠の意義

睡眠は、ライフコースを通じて、こども、成人、高齢者のいずれの年代においても健康増進・維持に不可欠な休養活動である。睡眠不足は、日中の眠気や疲労に加え、頭痛等の心身愁訴の増加、情動不安定、注意力や判断力の低下に関連する作業効率の低下・学業成績の低下等、多岐にわたる影響を及ぼし、事故等の重大な結果を招く場合もある。また、睡眠不足を含め、さまざまな睡眠の問題が慢性化すると、肥満、高血圧、2型糖尿病、心疾患や脳血管障害の発症リスクの上昇や症状の悪化に関連し、死亡率の上昇にも関与することが明らかとなっている。また、うつ病などの精神疾患においても、発症初期から睡眠の問題が出現し、再燃・再発リスクを高めることが知られているとともに、睡眠の問題自体が精神障害の発症リスクを高めるという報告もある。そのため、日常的に質(睡眠休養感)・量(睡眠時間)ともに十分な睡眠を確保することにより、心身の健康を保持し、生活の質を高めていくことは極めて重要である。 一方で、令和元年の国民健康・栄養調査結果において、1日の平均睡眠時間が6時間未満の者の割合は、男性37.5%、女性40.6%であり、性・年齢階級別にみると、男性の30~50歳代、女性の40~50歳代では4割以上を占めており、国民一人ひとりの十分な睡眠の確保は重要な健康課題となっている。 こうした現状を踏まえ、健康増進の観点から、「適正な睡眠時間の確保」と「睡眠休養感の向上」が、全ての国民が取り組むべき重要課題であるとともに、我が国の健康寿命の延伸に有意義であると考えられる。

 

<保育参観4日目>いつものように朝から体操、マラソン、途中数名の子ども達に今年度最後の大根の収穫を手伝ってもらいました。「お手伝いお願いしたいのですが?」「行く!行く!」。

そのあと「外遊び」と以上児は「実験遊び」を行いました。

興味津々。不思議だな。なんでだろう?興味や探求心、さらには言葉で感じたことを表現。貴重な体験ですね。

教育・保育要領解説25

2024/01/18

① 園児の主体的な活動と環境の構成 2

園児が主体的に活動できる環境を構成するためには、園児の周りにある様々な事物、生き物、他者、自然事象・社会事象などが園児一人一人にどのように受け止められ、いかなる意味をもつのかを保育教諭等自身がよく理解する必要がある。環境を構成するためには、遊具や用具、素材など様々な要素が、遊びを通して園児の発達にどう影響するかを考える必要もある。また、遊びの中での事物や事象との関わりが、発達の過程でどのような違いとなって表れるかを知らなければならない。例えば、砂と土では、それぞれ固有の性質があり、そこから引き出される遊びの展開には違いが見られる。また、砂で遊ぶときにも発達の過程によって関わりは異なってくる。同じ事物でも園児の発達によって関わり方は異なり、また、同じ場であっても、園児のそのときの状況によって異なる。砂場が一人で安心していられることを求める場であったり、いろいろな型に詰めて形を作ることができるという砂のもつ面白さにひかれる場であったり、また、友達と一緒にトンネルを掘ることを楽しむ場であったりする。園児の行動や心情によって、同じ場や素材でもそこで園児が経験するものは違っている。したがって、保育教諭等の援助もそれぞれにふさわしいものに変えなければならない。園児の興味や関心に即しながらも、その時期にその園児の中にどのような育ちを期待したいか、そのために必要な経験は何かを考え、その経験が可能となるように環境を構成していくことが大切である。

 

園児の主体性を育むために目の前の子どもを理解し、その時期に必要な環境を整備する、準備することで子どもがそのことに関わりやすくしてくことも必要です。ふさわしい援助が適切に行われるよう一人一人を理解して環境構成を行いたいと思います。

 

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