人間社会はどう生まれた 3 2023/02/06 『うつ伏せになって、シルバーバックが休んでいます。そこに赤ちゃんを連れたメスたちがやってきて、乳離れしたばかりの子どもたちを置いていくんですよ。そうすると、赤ちゃんは、このシルバーバックの背中によじ登って遊び始めて、お母さんがいないことを忘れてしまう。お母さんは子どもから解放されて、自分で餌を食べに出かけてしまいます。子どもたちにトラブルがあると、すかさず父親であるシルバーバックが仲裁をして、そのけんかを止めます。だから、ゴリラのオスはとても子育て上手。しかもシルバーバックの仲裁というのは、実に堂に入っている。えこひいきしないんですよ。平等な立場でつきあえるように父親は振る舞う。だから子どもたちは、小さい頃から対等につきあうということを覚えていくんです。こういう父親の役割を担うオスがいるゴリラ社会は、私から見ると人間の家族の原型に近いのではないかと思える。』 群れ、グループ、家族、その中において対等につき合うことを覚えるために仲裁を行い、優劣や格差をつけない配慮。家族の中での父性、社会を構築する上で家族においての配慮、人間社会の基本となる原型とも受け止められますね。
音楽発表会 5 2023/02/03 3歳以上児については、保育士等と一緒に美しい音楽を聴いたり、友達と共に歌ったり、 簡単な楽器を演奏したりすることも、子どもの様々な音楽に関わる活動を豊かにしていくものである。このような活動を通して、子どもは想像を巡らし、感じたことを表現し合い、表現を工夫してつくり上げる楽しさを味わうことができるようになる。 さらには、保育士等などの大人が、歌を歌ったり楽器の演奏を楽しんだりしている姿に触れることは、子どもが音楽に親しむようになる上で、重要な経験である。このように、幼児期において、音楽に関わる活動を 十分に経験することが将来の音楽を楽しむ生活につながっていくのである。としています。 子ども同士が共感し高め合うことで一体感も出てきます。それは音楽を通して社会性の礎を構築していることであり、音楽を通して個を認め合うことにも繋がります。人類は言葉を持たない中で音楽を通じて共鳴し、共感を高め合って社会を構築してきました。音楽の力はすごいですね。
人間社会はどう生まれた 2 2023/02/03 『サルの社会には、争いを防ぐルールがあります。例えば、ニホンザルの群れ。最高位のオスを頂点とした階級社会を作っています。メスは血縁でまとまって、おばあちゃん・お母さん・娘が連携して一生絆は解けません。オスだけが、まとまっているメスの集団を渡り歩いていく。そして食物や交尾相手を巡ってけんかが起きそうになると、強い方に加勢して勝敗をつけて、けんかを鎮めます。だからサルの社会は「格差社会」なんです。いわゆる勝敗をつけて争いを止めるということをやってきました。 でもゴリラの群れは、違うのです。ゴリラの群れは、一夫多妻が多いです。複数のオスがいる場合もあるけれども、大体はメスの数の方がオスの数よりも多い。そしてニホンザルと違って、メスだけが群れを渡り歩くのです。あるいは一頭で暮らしているオスのもとにメスが走って、そこで新しい群れを作るということもあります。そういった群れの中では、トラブルが起こってもニホンザルのように勝敗をすぐ決めずに、お互いが対等な立場で引き分けられるように、第三者が仲裁に入るのです。そして特に重要なのは、ゴリラの群れでは、オスが父親の役割を立派に演じます。』 サル社会は格差階級社会、強いものが食も繁殖も独占。競争の中で生き延びる。類人猿のゴリラは仲裁、争うことを避ける。ヒトもどうやらそのような争いを避けて生き延びてきた。
人間社会はどう生まれた 1 2023/02/02 『人間以外の霊長類、サルや類人猿は、群れ社会を作って暮らしている種が多い。では、霊長類が群れを作る理由は何だろうか。それは、栄養価の高い食物を、みんなで探しそして安全に暮らすためです。捕食動物がたくさんいます。それに狙われたら死んでしまいます。その発見効率を高めるために、みんなで守り合いましょうという話だった。決して自ら動物を狩って、それを食べるためではない。霊長類は、もともと植物食ですから肉食ではないのです。サルたちが争うのは、その食物と子孫を残すための交尾相手を巡って起こるのです。』 群れなければ生き延びることができなかった。子孫も残せない。霊長類はとても弱い立場であったが、群れを作り、争うことをしなかったことがこれまで生き延びてきているのではないでしょうか。
音楽発表会 4 2023/02/02 3歳以上児においては、音楽に親しみ、歌を歌ったり、簡単なリズム楽器を使ったりなどする楽しさを味わう。としています。 子どもは、一般に音楽に関わる活動が好きで、心地よい音の出るものや楽器に出会うと、いろいろな音を出してその音色を味わったり、リズムをつくったり、即興的に歌ったり、音楽に合わせて身体を動かしたり、 時には友達と一緒に踊ったりしている。 このように、子どもが思いのままに歌ったり、簡単なリズム楽器を使 って遊んだりしてその心地よさを十分に味わうことが、自分の気持ちを 込めて表現する楽しさとなり、生活の中で音楽に親しむ態度を育てる。 ここで大切なことは、正しい発声や音程で歌うことや楽器を正しく上手に演奏することではなく、子ども自らが音や音楽で十分遊び、表現する楽しさを味わうことである。そのためには、保育士等がこのような子どもの音楽に関わる活動を受け止め、認めることが大切である。また、必要に応じて様々な歌や曲が聴ける場、簡単な楽器が自由に使える場などを設けて、音楽に親しみ楽しめるような環境を工夫することが大切である。と解説しています。 幼児教育・保育における音楽は、生活の中で音楽に親しむ態度であり、正しい発声や音程で歌うことや楽器を正しく上手に演奏することではないとしています。「させる」「やらせる」「仕込む」といった昭和的教育ではありません。上手が大人にとっては心地いいかもしれませんが、子どもにとっての楽しさではないと思います。