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2023年 12月

教育・保育要領解説15

2023/12/28

③遊びを通しての総合的な指導

ア 乳幼児期における遊び

乳幼児期の生活のほとんどは、遊びによって占められている。遊びの本質は、人が周囲の事物や他の人たちと思うがままに多様な仕方で応答し合うことに夢中になり、時の経つのも忘れ、その関わり合いそのものを楽しむことにある。すなわち遊びは遊ぶこと自体が目的であり、人の役に立つ何らかの成果を生み出すことが目的ではない。しかし、乳幼児期の遊びには園児の成長や発達にとって重要な体験が多く含まれている。

遊びにおいて、園児が周囲の環境に思うがままに多様な仕方で関わるということは、園児が周囲の環境に様々な意味を発見し、様々な関わり方を発見するということである。例えば、木の葉を木の葉として見るだけではなく、器として、お金として、切符として見ることがある。また、砂が水を含むと固形状になり、さらには、液状になることを発見し、その状態の変化とともに、異なった関わり方を発見する。これらの意味や関わり方の発見を、園児は、思考を巡らし、想像力を発揮して行うだけでなく、自分の体を使って、また、友達と共有したり、協力したりすることによって行っていく。さらに、遊びを通じて友達との関わりが深まってくるにつれて、ときには自分の思いや考えを意識して表現し、相手に伝えたり、互いの考えを出し合ったりするようになっていく。

そして、このような発見の過程で、園児は、達成感、充実感、満足感、挫折感、葛藤などを味わい、精神的にも成長する。

このように、自発的な活動としての遊びにおいて、園児は心身全体を働かせ、様々な体験を通して心身の調和のとれた全体的な発達の基礎を築いていくのである。その意味で、自発的な活動としての遊びは、乳幼児期特有の学習なのである。したがって、幼保連携型認定こども園における教育及び保育は、遊びを通しての指導を中心に行うことが重要である。

 

「遊びが大事」とよく言われますが、そのことはここに明記されていることであり、遊びを通しての学習の意味をしっかりと踏まえ、さらにその遊びを通しての指導についても理解し、専門性を持って対応することが保育教諭としての役割です。学ばずして、遊びが大事と言うのは簡単なのですが、このことを意識し常に専門性を高める学びをして保育を実践していくことが大切です。

 

代替甘味料

2023/12/28

砂糖にかわる甘味料の利用は、むし歯の発症を抑えることがわかっています。フィンランドTruku地区では、1)砂糖(スクロース)、2)果糖(フルクトース)、あるいは3)キシリトールを含む甘味食品のみを与えた3つの群間でむし歯の発症割合に差があるかを調べました。その結果、キシリトールを含む甘味食品を食べた者は、砂糖や果糖を含む甘味食品を食べた者と比較して、むし歯の発症が抑えられていました。キャンディーやガムなどのお菓子を購入する際は、成分表を参考にし、砂糖以外の甘味料、たとえばキシリトールなどを使った製品を選択するのも良い方法です。

 

砂糖摂取の適正化と併せて行う予防対策

むし歯の発症予防には、砂糖の摂取制限に加え、歯磨きの際にはフッ化物配合歯磨剤を利用する、あるいはかかりつけ歯科医においてフッ化物歯面塗布を受けるなどフッ化物応用も併せて行うことが大切です。

成人期における砂糖の摂取制限は、むし歯予防のみならず、肥満予防の観点からも重要です。むし歯予防を目的とした砂糖摂取への取り組みは、単独で行うのではなく、肥満予防や生活習慣病予防と結び付けて取り組むことがより効果的です。

 

砂糖の摂食回数

2023/12/27

むし歯のリスクを低減するには、砂糖の総摂取量を減少することに加え、砂糖を含む食品や飲料の摂取回数を下げることが大切です。スウェーデンにおいて1940年代後半から50年代前期にかけて、砂糖摂取がむし歯の発症に及ぼす影響について436名を対象に実験的な調査が行われました。その結果、砂糖を含む歯に付着しやすい菓子(トフィー)を食事時のみ与えた時期と比べて、食事時と間食時とに分けて、すなわち回数を増やしてトフィーを与えた時期では、むし歯が増加していることが明らかになりました。このことは砂糖摂取の総量だけではなく、摂取回数の増加がむし歯の発症を増加させたことを示しています。

砂糖の摂取方法に関する指導

むし歯の予防には、甘味(砂糖)の総量を減少させることと、摂取回数を減少させることの両方が重要です。砂糖の総量と摂取回数とは互いに相関[していることから、どちらかを強調するのではなく、家庭環境や生活環境に合わせた方法を実践するのが良いと考えます。

教育・保育要領解説14

2023/12/27

② 乳幼児期にふさわしい生活の展開

イ 友達と十分に関わって展開する生活

乳幼児期には、次第に園児は自分以外の園児の存在に気付き、友達と遊びたいという気持ちが高まり、友達との関わりが盛んになる。相互に関わることを通して、園児は自己の存在感を確認し、自己と他者の違いに気付き、他者への思いやりを深め、集団への参加意識を高め、自律性を身に付けていく。このように、乳幼児期には社会性が著しく発達していく時期であり、友達との関わりの中で、園児は相互に刺激し合い、様々な物や事柄に対する興味や関心を深め、それらに関わる意欲を高めていく。それゆえ、園生活では、園児が友達と十分に関わって展開する生活を大切にすることが重要である。

 

子どもの発達において、自分以外の存在に気づくことが大切で、友達と遊びたいという気持ちの高まりによって、関わりが生まれます。その際どうしても密になりすぎて、さらには他者との対応を学ぶ時期でありトラブルも起こります。そこで初めて他者との違いに気づき、思いやりや譲り合うことなどを学んでいきます。子ども同志の関わりこそ集団生活である保育施設での大切な学びであります。

 

砂糖とむし歯との関係

2023/12/26

わが国においては、1人当たり年間砂糖消費量と12歳児童における平均のむし歯数(DMFT指数)は、昭和30年代から約30年間にわたり強い関連があったと報告されています。このほか、動物や人を対象とした様々な調査・研究の成果から、砂糖摂取とむし歯の発症との関連は明らかです。

砂糖の総摂取量

甘味(砂糖)の摂取量については、年間の1人当たり砂糖消費量が15キロ程度まではむし歯の発症は抑えられていますが、15キロから35キロでは急激に増加することがわかっています。また6歳から18歳までの追跡調査によると、砂糖を含む食品を多く取っている子供たちは、少なく取っている子供たちと比較して、追跡期間中に多くのむし歯が発症したと報告しています。これらの結果は、砂糖の総摂取量を抑えることが、むし歯予防につながることを示しています。世界保健機構(WHO)は、むし歯および肥満のリスクを下げるため、加工食品または調理に加えられる糖類の摂取量を、総エネルギーの10%未満、望ましくは5%未満にとどめることを推奨しています。

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